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田中優の“持続する志”

2014年03月21日 | 有名人

まぐまぐのメルマガより

 

■将来世代を失わせる岐路

 

 それでも政府は原発を再稼動しようと動いている。規制を強化するはずの原子力規制委員会は被曝量を「100ベクレルでも安全」と述べ、「今の日本の食品基準は欧米に比べて厳しすぎる」などと言っている。委員長自らが放射能に対する危機感が全くないのだ。

 

 欧米の食品基準1000ベクレル/kgは輸入食品に対するもので、「食べ物全体の10%が輸入だったとして」と前提をつける。食品基準はセシウムだけでなく、全放射性物質の基準だ。実際には日本の食品基準(セシウム合計100ベクレル/kg以下)の方が甘いのだ。しかも日本の法律は今でも「余剰被曝基準は年間1ミリシーベルト」のままだ。

 「100ベクレルでも安全」とはどこにも書かれていない。 

 

 しかも原発は津波ではなく、地震で壊れている。それは岩波書店の雑誌「科学」に書かれたとおりだ。ところが規制委員会が問題にするのは未だに津波だ。骨折にバンソーコーを貼るようなもので、次の事故は防げない。

 

 しかも地震は活性期に入って頻繁に起こるようになり、火山の爆発も増加している。

今、青森八甲田山、十和田火山が危険な兆候を示しており、その溶岩流は六ヶ所村再処理工場まで届く危険性がある。原発数千基分の放射性物質を抱える施設だ。

 

 最初に再稼動されそうな川内原発は桜島から近く、当時の人々を絶滅させたほど大きな噴火を起こすカルデラは、九州以南に集中している。百万年保管しなければならない放射性物質だというのに、その爆発から9万年しか経っていない。

 これで「大丈夫、保管できる」というのは明らかな詐欺だろう。

 

 

 原発は今すぐ止めて廃止し、これ以上の放射性廃棄物を増やさないことだ。

この地球は、私たちの世代だけのものではないのだから。ずっと先の世代まで引き継いでいくためには、いくらカネを積まれても、未来の人々の暮らしを売り渡してはならない。

 

 放射能は私たちの遺伝子を壊すだけでなく、壊された遺伝子を次の世代に伝えてしまう。人類の遺伝子プールに、放射能汚染という毒物を流し込むことになるのだ。立ち止まって考えよう。

 

 私たちは将来世代を失わせる岐路にいるのだ。

 

 

( 川崎市職員労働組合様へ寄稿したものを、好意を得て転載しています。)

コメント
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