虹の橋①
2024年02月22日 | 本
天国にはいってすぐ、
『虹の橋』とよばれる場所があります。
大好きな人のそばで、ペットとしてくらしていた動物は、
この世を去ると、その『虹の橋』へたどりつきます。
草原や丘がどこまでもひろがっているその場所で、
動物たちは、みんななかよく、
かけっこをしたり、あそんだりしています。
飢えや渇きの心配もなく、あたたかい太陽の光につつまれながら、
みんな、たのしそうにすごしています。
病気でくるしんでいた動物や、年をとって弱っていた動物も、
ここにくると、健康になり、若々しさをとりもどします。
けがをしていた動物や、からだが不自由だった動物も、すっかり元気になり、じょうぶなからだをとりもどします。
いつも夢にみる、元気いっぱいだったころのすがたのように。
動物たちは、そこで満たされ、幸せにくらしています。
たったひとつ、あることをのぞいては。
特別な人、そう、かれらがあとにのこしてきた大好きな人が、恋しくてしかたないのです。
動物たちは、きょうも、いっしょに、かけっこをしたり、あそんだりしています。
ーでも、そんな日々のなか、とつぜん、ある子が立ちどまり、遠くを見つめる日がやってきます。
その子の瞳は、きらきらとかがやき、じっと一点を見つめます。
よろこびがこらえきれないかのように、からだはぶるぶるとふるえはじめます。
『虹の橋』 葉 祥明 絵・訳 作者不詳