虹の橋②
2024年02月23日 | 本
とつぜん、その子はみんなからはなれて、
緑の草原をかぜのようにかけていきます。
はやく、はやくー!
そう、その子は、長いあいだ待ちつづけていた、大好きなあなたをみつけたのです。
やっとめぐりあえたふたりは、ふたたび出会えたよろこびにつつまれて、つよくつよく、ぎゅっとだきあいます。
ふたりは、もはや、二度と離れ離れになることはありません。
よろこびのキスの雨があなたの顔にふりそそぎ、あなたは、愛するその子の頭を、やさしくやさしくなでます。
そして、あなたはもう一度、信頼に満ちた、小さな友の瞳をのぞきこむのです。
その子が、あなたの人生から去って以来、長いこと遠ざかっていた、けれども、決してわすれたことのなかった、その瞳を。
それから、あなたたちは、幸せなきもちにつつまれて、ゆっくりと、『虹の橋』をわたっていくのです。
『虹の橋』 葉 祥明 絵・訳 作者不詳