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私が旅行に行く時期は、あまり気候が安定しない時期です。
今回も、昨年の北海道旅行の時と同様に未明まで激しく雨が降りました。
朝には止んでくれたけど、この雨雲を一緒に連れて行くことになるので憂鬱です。
広島から仙台へは直行便で約1時間20分。
1日3便ある中から、昼に到着する9時50分の便で出発しました。
飛行機、ちっさ!
出発の1ヵ月前に飛行機を手配した時、月曜日の便は満席だったと記憶しています。
それで翌日の火曜日の便にしたのですが、それでも残り7席という状態。
もう考えている時間はないと思って、火曜日からの旅程を組みました。
1日3便でこの席数なら、そりゃ早くから埋まってしまいますね(^^;
小さい機体なのでバランスを取るのが難しいらしく、手荷物として持ち込んだキャリーバッグは回収され、まとめて置かれていました。
雲の中を飛んでいる時は、けっこう激しく揺れて怖かったです。
席は窓際でしたが、太陽がまぶしくてシェードを下げたまま飛行。
着陸態勢に入ってようやく窓の外の景色を見ることができました。
眼下に広がる海岸線と、緑色のところは防災林でしょうか。
11時13分頃、仙台空港に到着。
震災の時に津波が押し寄せる映像を何度も見たので、こういう表示を見ると気が引き締まります。
広島で飛行機の出発が10分遅れ、荷物を受け取ったらもう11時半。
レンタカーを12時から予約していたので、待っている間におむすびを買って食べました。
旅のお供は、スバルの「ジャスティ」というコンパクトカー。
後ろがスライドドアなのは便利ですが、天井が高いのに慣れません(笑)
カーナビのデータが古いとのことで、レンタカー屋さんはスマホのナビを推奨。
とりあえず、両方のナビをセットして出発しました。
レンタカー屋から20分ほどで、最初の震災遺構・荒浜小学校に到着。
遠目には、被害を受けた建物だとは分かりませんでした。
海から700mという距離にあった小学校は、津波に襲われ2階まで浸水しました。
ここには地震発生後、児童や教員や住民たちが避難し、320人全員が救助されたそうです。
こちらが遺構の入口。
激しく折れ曲がっている手すりから、津波の力の強さが分かります。
校舎の中は、浸水した痕跡がそのまま残されていました。
被災時は、ここもたくさんの瓦礫で埋め尽くされていたようです。
屋上に上がると周囲が見渡せました。
出入口に設置されていた資料と見比べると、全く別の場所のように思えます。
この辺りには多くの家が建ち、その向こうに美しい松原が広がっていたそうです。
それらを全て奪ってしまった津波。
怖かっただろうな、悲しかっただろうな。
震災前の荒浜地区のジオラマを眺めていると、何とも言えない気持ちになります。
それでも、ここが自分たちの故郷なのだと。
「かわいそうなだけの荒浜だと思ってほしくない」
インタビュー映像の中でそう語る、当時小学生だった女性の言葉が強く印象に残りました。
ネットで情報収集はしてあったけど、やはりそれは情報にすぎない。
同じ場所に立つことで、そこにある様々な思いに触れることができる。
現地を訪問することって大事だな、と思いました。
13時半、見学を終えて次の目的地・松島へ。
三陸道を使えば30分くらいの所にあり、仙台駅から電車1本でも行ける場所です。
松島といえば、日本三景の1つにも数えられる景勝地。
途中、高台から眺めてみようと「西行戻の松公園」へ立ち寄ったのですが、雨のせいで景色は今一つでした。
松島は、松島湾に浮かぶ大小の島々と、遠浅の海が津波の被害を軽減したのではないかと言われています。
震災から1か月後には観光遊覧船を再開したというから驚きです。
海岸沿いに出ると、観光遊覧船乗り場を中心に雨の中をたくさんの観光客がそぞろ歩いていました。
宿はすぐ近くなので先にチェックインし、徒歩で観光へ。
松島観光といえば、観光遊覧船での島巡り。
他にも、五大堂とか福浦橋といったものがありますが、全部見るには時間が足りません。
なお、五大堂は改修工事中で見学不可。
この雨なので、観光遊覧船に乗っても楽しめそうにありません。
まあ、松島には仙台市内から電車1本で来れるのだし、島巡りはまた今度。
とりあえず、今回は天候に関係なく見学できる「瑞巌寺」に行ってみることにしました。
瑞巌寺は、伊達政宗公ゆかりのお寺で、10室からなる本堂は国宝に指定されています。
本堂の豪華絢爛な襖絵が有名ですが、一部を除いて全てレプリカで、本物は宝物殿に展示されています。
まあ、当時の華やかな雰囲気が伝わってきたので、これはこれで良しとしましょう。
本堂に続く参道には、かつて美しい杉並木がありましたが、津波による塩害で枯死。
安全のために、樹齢数百年の杉が約300本も伐採されたそうです。
元の状態に戻すには、また数百年かかるということですね・・・。
この杉の板が境内のトイレの扉に使われていて、貴重なものだから大切に扱って欲しいというような注意書きがありました。
その言葉から、杉を切り倒さざるを得なかった関係者の無念が伝わってくるようでした。
瑞巌寺の本堂を2周じっくり拝観し、宝物殿を見終えた頃には、もう16時を回っていました。
夕食前ですが、昼ごはん抜きだったので、ちょっとだけ何か食べたい気分です。
そう思い、来るときに見つけたずんだ餅や笹かまぼこ屋へ行ってみたのですが、まさかの営業終了(涙)
平日だから?雨だから?
唯一開いていたお店で、ずんだ餡の乗ったお団子を購入。
個人的にホイップクリームは余計だと思うのですが、若者にはこういうのがウケるみたい。
とりあえず、ずんだ餅を食べたいという要望は満たせました(^^;
小腹を満たした後は、他に観光できるところがないかと付近を散策。
雨はひどくなる一方で、人もだんだん少なくなって、辺りもどんどん暗くなる。
福浦橋を渡れるのは17時までと聞いていたのに、もう営業が終わっている様子。
時間は早いけど、諦めて早めに晩御飯を食べることにしました。
仙台といえば牛タン、松島といえば牡蠣。
その両方を満たしてくれる、素晴らしい定食があったのでいただきました^^
牡蠣は三陸産と書かれていましたが、そこはあまり気にせずに(笑)
三陸産の牡蠣は、広島の牡蠣と比べると磯臭さがなくて、マイルドな味でした。
ホテルに戻り、ひとやすみして温泉へ。
この界隈の温泉は「松島温泉」と呼ばれていますが、宿によって泉質が異なることを後で知りました。
私が泊まったホテルはアルカリ性単純温泉で、肌には優しいけどあまり特徴がない泉質です。
浴室から松島の島々や福浦橋がよく見えましたが、カルキ臭が気になり、夜の入浴はそれ1回のみ。
後の時間は、部屋でテレビを見たりタブレットで動画を見たりしてのんびり過ごしました。
雨は朝には止みそうですが、気温はグッと下がりそうですね。
天気予報どおりに晴れてくれることを祈ります。
(つづく)
<今日の旅程>
09:50 広島空港発(実際は10分遅れで出発)
11:05 仙台空港着(実際は5分程度遅れて到着)
12:00 レンタカー使用開始
12:30 震災遺構 ①荒浜小学校(1時間ほど見学)
13:30 移動開始(仙台港IC~松島海岸IC)
14:00 西行戻の松公園着(20分ほど散策)
14:30 チェックイン
15:00~16:30 観光(瑞巌寺拝観、付近散策)
16:40 夕食
17:30 ホテル泊
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