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パンフェスタの後は、広島県立美術館で開催中の「挑む浮世絵 国芳から芳年へ」へ。
4月中旬から開催されていましたが、気が付けば会期終了が来週に迫っていました。
この、猫を抱いて背を向けているのが、国芳さん(笑)
歌川国芳は、浮世絵が終わりを迎えつつあった幕末期に活躍した絵師です。
葛飾北斎や歌川広重と同時代に生きながら、その絵の奇抜さ故に、美術史のうえではあまり評価されていませんでした。
「児雷也と大蝦蟇(ガマ)」
浮世絵なんだけど古さがなく、逆にものすごく新鮮に見えます。
「朝比奈三郎鰐(ワニ)退治」
見たことのないワニ(サメのこと)を描くのに参考にしたのは、カイマン(ワニの一種)なんだとか。
「竜宮玉取姫之図」
轟音が聞こえそうなダイナミックな波、その中で武器を振りかざす擬人化された魚たち。
袋を持って棒を振り上げているヤツがいますが、フグかな?
面白いですね^^
「関ケ原大合戦図」
銃弾が飛ぶ様子を光跡で表現しているのがすごい!
漫画っぽい描き方だと思いませんか?
「相馬の古内裏」
妖術で骸骨が現れるというお話の場面ですが、もう漫画ですよね。
「二代目滝沢藤次曲独楽 お岩稲荷」という作品。
もう「進撃の巨人」にしか見えない(笑)
こちらは、国芳に師事した月岡芳年と落合芳幾の競作で、「英名二十八衆句」という悪人ばかりを描いたシリーズ。
恋人の遊女の裏切り(本心ではない)に逆上して首を切ってしまう絵とか・・・
別れ(本心ではない)を切り出され、逆上して殺害してしまう絵とか・・・
説明に、いちいち「本心ではない」と書かれているのが、妙に目についてしまいました。
こういうことって、現代でも起こりがちですよね(汗)
「ゴルフ場でボールを回収してたらボールが飛んできた」の図、ではないですね。
卑怯な相手からだまし討ちに遭い、石つぶてを食らっている様子だそうです。
怖い怖い。
国芳は美人画も描いていました。
これは「天気にしたい」というタイトルの絵。
あまり可愛くないテルテル坊主が描かれています。
これ見て、一瞬「スマホ!?」って思いませんでした?
実は包丁で茄子を剥いているのですが、包丁の形といい、縁の光沢といい、もうスマホにしか見えない(笑)
こちらは月岡芳年の「文殊菩薩図」
菩薩の人間味のある表情と、獅子が完全にライオンってところが面白いです。
国芳は猫が好きで、擬人化した猫も多く描いていました。
面白いけど可愛くない(笑)
「里すずめねぐらの仮宿」
当時は遊女や歌舞伎役者を描くことが幕府に禁じられていたので、それをすり抜けるために擬人化したようです。
真ん中のスズメの表情に、思わずほっこりw
浮世絵なんだけど浮世絵っぽくない、まるで漫画でも見ているような国芳の作品。
その奇想天外で、ダイナミックで、ユーモラスで、もう何と表現していいか分からない世界を堪能しました(笑)
最後は「東名所隅田川梅若之故事」でお別れ。
人買いにさらわれた梅若丸が病にかかり、隅田川の岸辺で12歳の儚い命を散らせた、というシーン。
ん~、耽美!ごちそうさまでした!
ということで、2時間半かかって見学終了。
150点の作品はどれも面白く、見ごたえがありました。
その後は、ひろしま美術館で「みんなのレオ・レオーニ」展を観てきました。
ざっくり説明すると、レオ・レオーニは「スイミー」の作者。
小学校の国語の教科書で読んだことがある人は多いはず。
実は初日に招待会があって観に行ったのですが、閉館後の開催だったので公式グッズショップに行けませんでした。
他の用事があって急ぎ足で観たこともあり、心残りだったんですよね。
じっくり見学できて、色々なグッズも買えて大満足w
土曜日が仕事になって大変だなーと思ってましたが、平日に代休が取れるのはイイなと思いました。
色もとても鮮やかでしたヨ^^