鳩山邦夫氏が「十二指腸潰瘍」で亡くなったとのニュースには驚いた。
わたくしは卒業して2年目に入ったばかりの6月、どんどん痩せてお豆腐
くらいしかのどを通らなくなった。ついに38キロ。
胃腸病院、大学病院で診てもらって、十二指腸と胃に潰瘍ができている
ことが分かった。結局9月初めまで仕事を休んで入院した。
その時まだ友人の1人に過ぎなかった夫がよく手紙をくれた。
書くことが大の苦手の彼がせっせと下手な字で簡単な内容の手紙をくれた。
休日には電車を乗り継いで見舞いにも来てくれた。
わたくしは退屈すると結構病院を抜け出して喫茶店などへも行っていた
のだけれど。これで死ぬこともあるとは当の本人は微塵も考えていなかった。
毎日注射、お薬・・そして定期的に胃カメラ。
なかなか注射の針が刺さらなかった。静脈が浮き出てこないのだ。
***それからほぼ1年後の8月婚約、さらに8か月後の4月に結婚した。
結婚して2年ほど過ぎたあるとき何かの話の中で彼が笑って言った。
「上司から<彼女は長生きできない。結婚はよく考えたほうがよい>と
言われた」って。初耳。
その彼が大動脈瘤、心臓など大きな手術をして何度も入院し、
挙句の果てに旅先のホテルで急性硬膜下血腫で倒れ、わたくしは民宿
で半年以上過ごした。
後悔した。こんな温泉に来なければ・・、もう少し気を付けていれば。。
長生きできないと言われたわたくしは結婚以来ぶくぶく太ってまだ生きて
いる。
30日に今年も胃カメラは飲む。
わたくしの看病を覚悟して(?)結婚したかもしれない彼は、わたくしに
何度も看病させて逝ってしまった。
人の命って分からないものだ。