Ora Orade Shitori egumo (「永訣の朝」宮沢賢治)
高校生のころ理屈っぽい詩しか書けないわたくしが
けふのうちに
とほくへいってしまふわたくしのいもうとよ
みぞれがふっておもてはへんにあかるいのだ
(あめゆじゆとてちてけんじや)・・・・に心惹かれてよくよんだ。
身近な人の死に出あったこともないのに。
同じ賢治の有名な「雨ニモ負ケズ」のような立派な生き方は到底無理で
サウイフモノニ ワタシハナリタイ などと思うことはできなかった。
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今回の芥川賞、直木賞のお2人は偶然にも賢治に関わっている。
芥川賞の 若竹千佐子氏は「おらおらでひとりいぐも」
直木賞の 門井慶喜氏は「銀河鉄道の父」で受賞。
********阪神淡路大地震から23年。あれからもう23年も過ぎたのか。
その朝、わたくしは夫の母の家にいた。夫はこの家にいて、夫の母が別室で
寝ていたわたくしを悲痛な叫び声で呼んだことを思い出している。
生まれ育った町神戸。跡形もなくなっていた街の姿。
「天災は忘れたころにやってくる」は寺田寅彦の警句だが、
最近は「災害は忘れないうちにやってくる」。