花男の物置部屋 引っ越して3箇所目

備忘録的に食ったもん、読んだもん、聴いたもん等を書いてます。

「The Cinderella Theory」 by George Clinton 1989

2006-01-11 22:13:11 | 音楽の話とか

プリンスのやってたレーベル、ペイズリーパークから出たクリントンさんのソロ・・・4作目かな。最初に聴いたクリントンさんのソロはこれです。数少ないP-Funkのリアルタイム体験の一つでもある。

クリントンさんは70年代半ばから後半あたりで特にものすごかったP-FUNKっつうFUNK集団の総帥さん。最初は床屋仲間でコーラスグループを・・・ってとこから書くと凄く長くなるので割愛。ともかく、歌がものすごく上手い訳でも楽器がすげえ上手い訳でも無く(なんか楽器が弾けると言う話すら聞いた事無い)、でも何故か総帥として君臨し、当時のP-Funk 系の音楽ほとんどプロデュースしてる。でもって若くてすげえミュージシャンとかが回りにガンガン集まって行ってた(発掘上手?)。と言うことで、どこがかは不明だがどうやら凄い人だったらしい。

そんな感じで、当事そうとう「ぶいぶい」いわしてたらしいクリントンさんが、よく聴くのは金払いの悪さとか・・・後レコード会社との契約のこじれやらそんなんで二つのメインバンド、ParliamentとFunkadelicが解散しちゃって、80年代入ってからはP-Funk ALLSTARSなんぞを引き連れながらも地味にソロ活動へと移行していく。このアルバムも発売当事やや干され気味だったクリントンさんにプリンスが手を差し伸べたとか、そんな噂も流れていた。まあ、当事デラソウルあたりのHIHOP勢のおかげか第二次P-Funkブームになってたっつうのもあるか(あの頃は来日公演も結構やってて非常に良かった!!)。

てな訳だからこのアルバムも今となってはP-Funk全体の歴史から言うとあんまり重要視されてないっぽい(発売当事は「久々の傑作!!」みたいに持ち上げられてたけどね)。でもこれ好きッス。すげえっす。

このアルバムで好きなのがまず一曲目の「Air Bound」だ。クリントンさんの息子の作った曲らしい。曲の歌入りの冒頭辺でちょっととんでも無いタイミングで入ってくるシンセが本当にカッコよく、そこでこの曲が印象付けられちゃう。いやあ、この曲のシンセ良いなあ~・・・あとは「ビシーッ!!ビシーッ!!」言ってる打ち込みのスネアとか本来なら無茶ダサいんだけどね、味になるのね何故か。クリントンのソロ初体験がこの曲だったんで、かなりかっとびましたよ、花男は。

どうやら、買った当事いまいちだった曲も今聴くと好きだったり・・・「French Kiss」とか・・・なんか全然Funkッぽく感じなくって当事はいまいちだったんだけど、今聴くと気持ち良いなあ。ちょっとCAMEOとかにも通じる8ビート系のFUNKと言うかロックと言うのかそんな感じ。ポップではあるんだけど、ほとんどAメロと・・・ほんの少しのBメロっぽいのしかなくて延々と繰り返してる。「なんでこんな曲が気持ち良いんだろう?」ってな感じなんだけど、今は好きなんだよなあ。

あと、やっぱポップなタイトル曲とかも大好きだし(Funkadelicの「Oh I」からのコーラスの引用も効果的!!)・・・ああ「Serious Slammin’」とかも良いなあ。「おお おっ おっお おお!!」とかな感じが気持ち良いんだよね。シンセ使いが1999の頃のプリンスあたりともかぶる。よれよれのボーカルが素敵な「There I Go Again」も捨てがたいし、Bootysも参加しての「The Banana Boat Song」のカバーも良い。ブラスやピアノもやけにかっこいい、当事のHIPHOPな音を取り込みながらもちょっとスライっぽくもある「Goin’ On」とかやけにいかしたFUNKだし、犬物も良いし・・・なんだ全部良いじゃん!!

と言うことで、もちろん全盛期のP-FUNKの音楽はそりゃあ素晴らしいし、こいつは「P-FUNKを何か一枚」っつうとまず出てくることも無いアルバムだけど、これはこれで相当良い。何より全盛期のP-Funkの音を体現するアルバムは相当あるけど、このアルバムは他のアルバムに無い魅力にあふれてるのね。だからぜひ聴いてみてちょーだい。