いや・・・伝説ではなく幻か。環状線の平成通りとのオーバーパスの脇の所に、去年の調度今頃ひっそりと開店し瞬く間に人知れずつぶれて行った・・・会社の帰りにたまに通る道なのだが、客が入っているのは見たことが無かった。最近しばらく放置されていた跡地に「ばきそ家」と言うやきそば屋らしきものが出来たらしいのを発見。それを見てふと『ラーメンエイト』の事を思い出した。
去年の7月の頭頃、実は花男はラーメンエイトを訪れている。その時の模様を知人報告したメールがバックアップに残っていた。あまり店に良いイメージを与える内容では無いが、もうつぶれたし良いかなと・・・それに花男にとって印象的な出来事だったので掲載しよう。『ラーメンエイト物語』である。
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「ラーメンエイト」と言う有名店が東京にはあるらしい。
それに便乗したのか、偶然か良く行く本屋のそばにプレハブつくりのラーメン屋ができているのを発見。「味自慢」とは書いてあるが「ぜってえまずいだろうなあ・・・」と思いながら行ってみた。昼飯はいつもの所で美味いチャーシュー麺を食ったのでここで外すのも良かろうと思ったのだ。美味いものをありがたがるためには、同系統のまずいものを食う「肥やし」が必要なこともある。
狭い店内にはテーブルが三つ、安っぽい椅子が各テーブルに4つづつ。うち一つのテーブルでやつれた親父が新聞を読んでいる・・・・びくっと立ち上がり
「いらっしゃいませ・・・」
店主らしい。座ってみるとテーブルはぐらぐら、親父客が来て緊張をしているようでコップに注ぐ水をこぼす。改めてついだ水をテーブルに置く。店外ののぼりには「ラーメン、から揚げ、おにぎり」とあったがメニューはラーメン、チャーシュー麺、ざるラーメンの普通盛と大盛りのみ。やっつけで手書きで作ったメニューをクリアファイルにはさんである。チャーシュー麺を頼む。薄口と普通としょっぱいのが("濃い"では無く"しょっぱい"と言っていた)あるっつうので普通にする。
くそ狭い店内には金属パイプの棚があり、上に温泉ガイド風の本が二冊と新聞が一冊無造作においてある。客が読むためか?出来たばかりの店にしては本はぼろぼろ。調理師免許が飾ってある。生まれが昭和二十二年・・・・今年で58歳か。免許の取得は昭和四十八年、26歳の時にとったようだ。これまでの奴の人生はどうだったのか・・・・などと余計な事を考えているうちにチャーシュー麺が出来たらしく、親父がよろよろしながら持って来た。
スープを飲む。普通。普通と言っても色々あるが・・・安っぽいくて美味くは無いのだが、決して嫌いではない。海水浴場の海の家で頼んだら出てきそうな醤油ラーメンと言う感じか。「海で食うラーメンも良いなあ~」なんてシチュエーションさえ合えば言えてしまいそうな味。つまりラーメンとしてはB級の下。下手にいろんな工夫をしてありえない味になってしまうラーメンも多い中ではまあ許せる味である。
麺を食う。見た目は細めんの縮れ。すする・・・あれ?何かがおかしい。もう一度すする・・・・・短いのだ。えらい短いのである。こりゃ麺食いの醍醐味も何もあったもんじゃない。麺自体は粉の味は一切しない安物だが、かんすいのにおいもそれほど強くなく食えないほどじゃないのだが、この短さは無いだろう・・・・
具は普通。チャーシューはまあまあ。なるとは安っぽい。ねぎやらほうれん草やら海苔はスーパーで売ってるレベル。麺の短さからくる違和感を除けば食えないことは無い。残さず完食。酒飲んだ後ならありかも知れない。
会計をしにレジへ向かう。その時、親父・・・・
手が粉だらけである。
厨房を見ると袋入りの麺が。あけてもんでいたのか、メニューには無かったから揚げを作ろうとしていたかは不明である。麺は製麺工場から購入中と判明。ところで手を洗う気は一切無いらしい。1000円を渡す。親父レジの機械と格闘中である。開け方がわからないのか?レジとの格闘を一度あきらめ自分の財布からおつりを探そうとするが、どうやら7円しか入ってない模様・・・・
「ああ・・じゃあ調度出しま・・・」
と申し出ようとしたところ再度レジとの格闘をし勝利を収めオープン成功。"粉だらけの手"で250円を渡される。そしておいらは二度とくる事は無いかも知れない「ラーメン8」を後にするのだった。
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と言う感じだった。懐かしいなあ~・・・結局、花男はその後もう1回ラーメンエイトを訪れたが、その時にはレジの使い方は覚えていた様だった。その時も麺はやはり異様に短かった。果たして一体何人の人が『ラーメンエイト』で食った事があるのか?そして、あの親父・・・今頃何をしているのか?予想されたこととは言え、あそこまであっという間につぶれるならもう一度位行っておいても良かったかも知れないなあ・・・「ばきそ家」今度行ってみよう。
去年の7月の頭頃、実は花男はラーメンエイトを訪れている。その時の模様を知人報告したメールがバックアップに残っていた。あまり店に良いイメージを与える内容では無いが、もうつぶれたし良いかなと・・・それに花男にとって印象的な出来事だったので掲載しよう。『ラーメンエイト物語』である。
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「ラーメンエイト」と言う有名店が東京にはあるらしい。
それに便乗したのか、偶然か良く行く本屋のそばにプレハブつくりのラーメン屋ができているのを発見。「味自慢」とは書いてあるが「ぜってえまずいだろうなあ・・・」と思いながら行ってみた。昼飯はいつもの所で美味いチャーシュー麺を食ったのでここで外すのも良かろうと思ったのだ。美味いものをありがたがるためには、同系統のまずいものを食う「肥やし」が必要なこともある。
狭い店内にはテーブルが三つ、安っぽい椅子が各テーブルに4つづつ。うち一つのテーブルでやつれた親父が新聞を読んでいる・・・・びくっと立ち上がり
「いらっしゃいませ・・・」
店主らしい。座ってみるとテーブルはぐらぐら、親父客が来て緊張をしているようでコップに注ぐ水をこぼす。改めてついだ水をテーブルに置く。店外ののぼりには「ラーメン、から揚げ、おにぎり」とあったがメニューはラーメン、チャーシュー麺、ざるラーメンの普通盛と大盛りのみ。やっつけで手書きで作ったメニューをクリアファイルにはさんである。チャーシュー麺を頼む。薄口と普通としょっぱいのが("濃い"では無く"しょっぱい"と言っていた)あるっつうので普通にする。
くそ狭い店内には金属パイプの棚があり、上に温泉ガイド風の本が二冊と新聞が一冊無造作においてある。客が読むためか?出来たばかりの店にしては本はぼろぼろ。調理師免許が飾ってある。生まれが昭和二十二年・・・・今年で58歳か。免許の取得は昭和四十八年、26歳の時にとったようだ。これまでの奴の人生はどうだったのか・・・・などと余計な事を考えているうちにチャーシュー麺が出来たらしく、親父がよろよろしながら持って来た。
スープを飲む。普通。普通と言っても色々あるが・・・安っぽいくて美味くは無いのだが、決して嫌いではない。海水浴場の海の家で頼んだら出てきそうな醤油ラーメンと言う感じか。「海で食うラーメンも良いなあ~」なんてシチュエーションさえ合えば言えてしまいそうな味。つまりラーメンとしてはB級の下。下手にいろんな工夫をしてありえない味になってしまうラーメンも多い中ではまあ許せる味である。
麺を食う。見た目は細めんの縮れ。すする・・・あれ?何かがおかしい。もう一度すする・・・・・短いのだ。えらい短いのである。こりゃ麺食いの醍醐味も何もあったもんじゃない。麺自体は粉の味は一切しない安物だが、かんすいのにおいもそれほど強くなく食えないほどじゃないのだが、この短さは無いだろう・・・・
具は普通。チャーシューはまあまあ。なるとは安っぽい。ねぎやらほうれん草やら海苔はスーパーで売ってるレベル。麺の短さからくる違和感を除けば食えないことは無い。残さず完食。酒飲んだ後ならありかも知れない。
会計をしにレジへ向かう。その時、親父・・・・
手が粉だらけである。
厨房を見ると袋入りの麺が。あけてもんでいたのか、メニューには無かったから揚げを作ろうとしていたかは不明である。麺は製麺工場から購入中と判明。ところで手を洗う気は一切無いらしい。1000円を渡す。親父レジの機械と格闘中である。開け方がわからないのか?レジとの格闘を一度あきらめ自分の財布からおつりを探そうとするが、どうやら7円しか入ってない模様・・・・
「ああ・・じゃあ調度出しま・・・」
と申し出ようとしたところ再度レジとの格闘をし勝利を収めオープン成功。"粉だらけの手"で250円を渡される。そしておいらは二度とくる事は無いかも知れない「ラーメン8」を後にするのだった。
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と言う感じだった。懐かしいなあ~・・・結局、花男はその後もう1回ラーメンエイトを訪れたが、その時にはレジの使い方は覚えていた様だった。その時も麺はやはり異様に短かった。果たして一体何人の人が『ラーメンエイト』で食った事があるのか?そして、あの親父・・・今頃何をしているのか?予想されたこととは言え、あそこまであっという間につぶれるならもう一度位行っておいても良かったかも知れないなあ・・・「ばきそ家」今度行ってみよう。