西暦2063年8月。65歳で亡くなった著名なミステリィ作家だった叔母=室見響子/本名古賀響子の著作権を相続した私。彼女の遺作はデビュー前に書いた、自らが経験した実話に基づいた作品を改稿したものだと言う。編集者の勅使河原は第三校のゲラを持ち、私に相談があるという。彼が言うには、この作品には削除された章があって作中にその事が示唆れているように感じると。まずはその点を留意して三校のゲラを読み返してほしいと言う。物語が響子がまだ20代だった40年前の世界。主人公をはじめそこには人の姿形の美醜に傷つきながら生きる登場人物たちが・・・その葛藤とそれらの元での愛と友情、そして幼いころの事件の究明に舞い戻っていく姿が描かれていて・・・果たしてここから削除されたエピソードは本当にあったのか? そしてあったとすればそれは・・・って感じですか?
作中作そのものが作品として面白いです。それを一回り外周から補填する本ストーリー、作中作内でもそして本編でも反転していく真実。ナイスです。着地がマイルドなのはほっと一息つくような少し刺激が足りないような両方の感覚がありましたが・・・いや、やっぱ好きですね。
面白かったです。「非常に」でも良かったかな・・・
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