周年行事(30年表彰)+トッチ旅行はルミナリエ&四国でした
五年毎表彰御招待/六回目
2019年10月20日琴似アミカにて
待望の「MAYA&3人アンデス」ジョイントコンサートがあった。
久々のMAYAフルメンバーの演奏が聴けました。初めての3人アンデスの演奏も思った通りの素晴らしい演奏でした。秋山さんの歌声は明るく人を惹き付けます。チャランゴの桑原健一さんのパフォーマンス、MCも好感度抜群でイッキにファンになってしまった。かれは何と100ページにもわたる「新チャランゴの虫」なる本をインターネットで無料無料配信している。所謂 教則本ではないが若い彼が記した力作は本当に貴重な資料になっている。チャランゴ好きには超有難い著作です。
http://kencharango.com/
http://kencharango.com/wp-content/uploads/2019/06/新チャランゴの虫ver1.00.pdf
一部抜粋……解りやすい言葉で優れた文章だと感じます。
<コラム>緊張しないで演奏するには
「緊張も楽しめ」とはよく言うが、そんなこと言われてもと思う人も多いと思う。
なぜ緊張するかと言えば、「いいところ見せなければ、失敗は許されない」などと思うからだと
思う。つまり、「失敗したらしょうがない、まあいいか」と思えることは大事である。コードを間
違えたり爪弾きをミスしたところで、世界が終わるわけではない。
もう少し別の視点からみてみよう。
緊張しないためには第一に練習をたくさんすること。頭が真っ白になっても自然と手が動くよう
になれば緊張していてもなんとかなる。言うが易し、これは難しい。
同じ曲を何度もやるというのも実は大切。プロは人前で同じ曲を何十回とやっている。当然曲が
身体にしみついてくる。プロでも初演の曲は少し緊張するので、毎回違う曲をやるアマチュアが緊
張するのは至極当然。4,5曲やる機会があるなら、1曲目はグループの定番曲を毎回やると緊張
がほぐれるかもしれない。
<あとがき>フォルクローレとは何か
実は結構大事なテーマではないかと思う。
日本など南米から離れた場所ではイメージ先行の風潮があるように感じられるので、あとがきに変えて少し
このテーマに触れてみる。
ボリビア音楽中心の内容になることをお許しいただきたい。
A) 売り文句と伝統“風”
誤解を恐れず言ってみる。ボリビアに住み、演奏をしていた筆者が考えるフォルクローレとは「ャsュラー
ミュージック=ャbプス=大衆音楽」だと思う。
「悠久のインカ」「遥かなるアンデスの大地」などと言うのは売るための謳い文句である。
演奏されている曲は19世紀後半から、20世紀にかけて生まれたものが多く、古いといわれる物でも
1920年代(日本なら大正~昭和初期)以降が多く、コンフント形式で演奏されるものは1960年代以降の
楽曲が多い。スペイン人の到来以前に弦楽器はなかったと言われるが、植民地化された後もケーナとチャラン
ゴのように一緒に演奏されることはなかった組み合わせは多い。
一般的にフォルクローレのコンフントといわれるバンドスタイルはビートルズらの影響と言われているし、
社交ダンスや、クラシック、ブラスバンドの影響が強い音楽が多く存在する。
日本が明治維新、大正デモクラシーなどを経て文化の輸出入を味わったように、南米においても遥か昔から
の先住民の音楽が残ってきただけではなく、文化の往来が多々あったのである。
つまり最近のフォルクローレにドラムやベースが入る流れも時代の移り変わりと共に変化するという点では
極めて自然な流れだと言える。
B) フォルクローレ=南米音楽?
またフォルクローレを南米音楽や中南米音楽の類義語として使うが、これは範囲が広すぎる。サンバ、ボサ
ノバ、タンゴ、サルサ、カリブ系音楽などはフォルクローレに含まないことが多いので、「その他の南米音楽」
というカテゴライズなのかもしれない。または黒人、白人(混血を除く)の影響が少ない(というイメージのある)
音楽ということかもしれない。
しかし、このまとめ方は例えるなら「アジア音楽!」と一括りにするような乱暴さにも思える。
ボリビアでは Música boliviana=ボリビア音楽や Música nacional=国の音楽、Música andina=アンデス
音楽のような言い方をする方が多い。
フォルクローレとはドイツ語由来の言葉で volk=民を、lore実践を指す言葉であり、スペイン語では民間伝
承などを指す。そして Música Folkloricaまたは Folklore (Folclore)と言った場合、幅広く世界の伝統音楽の
ことを指す。もちろん文脈判断でアンデスの民俗音楽となる場合もあるがフォルクローレ=アンデス音楽では
ない。
そしてボリビアに住んでいて感じたのは、同じ国内でもどの地域の音楽かを意識することが多い。音楽家で
なくても、「それは〇〇地方のだね」「それはこの町のだね」という感覚があると思う。しかしこれが近隣の国
になるとおおよそのイメージはあっても、細かい部分までは分からなくなってくる。例えるなら、日本人には
沖縄民謡と祭囃子の区別は付くが、四川民謡と北京民謡の区別はピンとこないといった感じだろうか。
C) スペイン語圏の国の距離感
ただしアジアなどより広範囲の文化が混ざりやすい要因もある。それは「言語」である。南はアルゼンチン、
チリの南部から北はメキシコはたまたアメリカ合衆国の様々な地域までスペイン語は広く使われている。
同じ言葉ということは、旅行をするにも、商売をするにもハードルは圧涛Iに低くなり、歌や映画、ドラマ
などはオリジナルのまま即輸出入が可能となる。
人の往来も盛んで、近隣の国に行ったとしても言葉の障壁がない分、仕事もしやすければ、友達も作りやすい。
だからといって自国愛を失っているわけではない点も重要だ。例えばボリビア人コミュニティーというのも近
隣各国に存在し、他国でも自分たちの踊りを踊ったりしている。
D)現在(2019年)の風潮
現在のボリビアでの主流はケーナ、サンメ[ニャ、チャランゴ、ギターに加えて、ドラム、ベース、時によっ
てキーボード、サックス、エレキギターなどが入るスタイルである。そして踊れて、口ずさめる曲が売れる。じっ
くり曲を聴くという文化が廃れ気味なので、インストは基本的には売れない。
逆にアルゼンチンやチリなどでは日常的にフォルクローレ的な音楽があまり流れないので、エスニック・ャb
プ的な流れや、インストを打ち出した演奏家も多いように感じる。
また現在のボリビアにおける主流は「踊る音楽」であるということは間違いないと思う。ただし、いつでも、
どこでも踊りまくっていると勘違いしないで欲しい。グループの音楽性に加え、劇場か、野外のスタンディン
グイベントか、ディスコか、ホームパーティーか、場面によって踊ったり踊らなかったりする。
<コラム>手拍子の習慣
手拍子は拍手というのは不思議なもので、その国の人々が共有する「手拍子をしたい場面」とい
うのが存在する気がする。「文化」の一部なのだろう。
日本では演歌歌手が朗々と歌い上げた後、間奏に入ると自然と拍手が起こるように、ボリビア音
楽では、間奏になるとリズムを刻む手拍子が始まり、歌が始まると自然と手拍子がおさまる。日本
でフォルクローレを聞く際に「ずっと手拍子をしなければ」という方を見かけるが、疲れるので好
きな場面だけ手拍子をするのがいいと思う。ただし、ボリビア演奏家などは間奏に手拍子が始まる
とより気持ち良く演奏ができると思う。
待望の「MAYA&3人アンデス」ジョイントコンサートがあった。
久々のMAYAフルメンバーの演奏が聴けました。初めての3人アンデスの演奏も思った通りの素晴らしい演奏でした。秋山さんの歌声は明るく人を惹き付けます。チャランゴの桑原健一さんのパフォーマンス、MCも好感度抜群でイッキにファンになってしまった。かれは何と100ページにもわたる「新チャランゴの虫」なる本をインターネットで無料無料配信している。所謂 教則本ではないが若い彼が記した力作は本当に貴重な資料になっている。チャランゴ好きには超有難い著作です。
http://kencharango.com/
http://kencharango.com/wp-content/uploads/2019/06/新チャランゴの虫ver1.00.pdf
一部抜粋……解りやすい言葉で優れた文章だと感じます。
<コラム>緊張しないで演奏するには
「緊張も楽しめ」とはよく言うが、そんなこと言われてもと思う人も多いと思う。
なぜ緊張するかと言えば、「いいところ見せなければ、失敗は許されない」などと思うからだと
思う。つまり、「失敗したらしょうがない、まあいいか」と思えることは大事である。コードを間
違えたり爪弾きをミスしたところで、世界が終わるわけではない。
もう少し別の視点からみてみよう。
緊張しないためには第一に練習をたくさんすること。頭が真っ白になっても自然と手が動くよう
になれば緊張していてもなんとかなる。言うが易し、これは難しい。
同じ曲を何度もやるというのも実は大切。プロは人前で同じ曲を何十回とやっている。当然曲が
身体にしみついてくる。プロでも初演の曲は少し緊張するので、毎回違う曲をやるアマチュアが緊
張するのは至極当然。4,5曲やる機会があるなら、1曲目はグループの定番曲を毎回やると緊張
がほぐれるかもしれない。
<あとがき>フォルクローレとは何か
実は結構大事なテーマではないかと思う。
日本など南米から離れた場所ではイメージ先行の風潮があるように感じられるので、あとがきに変えて少し
このテーマに触れてみる。
ボリビア音楽中心の内容になることをお許しいただきたい。
A) 売り文句と伝統“風”
誤解を恐れず言ってみる。ボリビアに住み、演奏をしていた筆者が考えるフォルクローレとは「ャsュラー
ミュージック=ャbプス=大衆音楽」だと思う。
「悠久のインカ」「遥かなるアンデスの大地」などと言うのは売るための謳い文句である。
演奏されている曲は19世紀後半から、20世紀にかけて生まれたものが多く、古いといわれる物でも
1920年代(日本なら大正~昭和初期)以降が多く、コンフント形式で演奏されるものは1960年代以降の
楽曲が多い。スペイン人の到来以前に弦楽器はなかったと言われるが、植民地化された後もケーナとチャラン
ゴのように一緒に演奏されることはなかった組み合わせは多い。
一般的にフォルクローレのコンフントといわれるバンドスタイルはビートルズらの影響と言われているし、
社交ダンスや、クラシック、ブラスバンドの影響が強い音楽が多く存在する。
日本が明治維新、大正デモクラシーなどを経て文化の輸出入を味わったように、南米においても遥か昔から
の先住民の音楽が残ってきただけではなく、文化の往来が多々あったのである。
つまり最近のフォルクローレにドラムやベースが入る流れも時代の移り変わりと共に変化するという点では
極めて自然な流れだと言える。
B) フォルクローレ=南米音楽?
またフォルクローレを南米音楽や中南米音楽の類義語として使うが、これは範囲が広すぎる。サンバ、ボサ
ノバ、タンゴ、サルサ、カリブ系音楽などはフォルクローレに含まないことが多いので、「その他の南米音楽」
というカテゴライズなのかもしれない。または黒人、白人(混血を除く)の影響が少ない(というイメージのある)
音楽ということかもしれない。
しかし、このまとめ方は例えるなら「アジア音楽!」と一括りにするような乱暴さにも思える。
ボリビアでは Música boliviana=ボリビア音楽や Música nacional=国の音楽、Música andina=アンデス
音楽のような言い方をする方が多い。
フォルクローレとはドイツ語由来の言葉で volk=民を、lore実践を指す言葉であり、スペイン語では民間伝
承などを指す。そして Música Folkloricaまたは Folklore (Folclore)と言った場合、幅広く世界の伝統音楽の
ことを指す。もちろん文脈判断でアンデスの民俗音楽となる場合もあるがフォルクローレ=アンデス音楽では
ない。
そしてボリビアに住んでいて感じたのは、同じ国内でもどの地域の音楽かを意識することが多い。音楽家で
なくても、「それは〇〇地方のだね」「それはこの町のだね」という感覚があると思う。しかしこれが近隣の国
になるとおおよそのイメージはあっても、細かい部分までは分からなくなってくる。例えるなら、日本人には
沖縄民謡と祭囃子の区別は付くが、四川民謡と北京民謡の区別はピンとこないといった感じだろうか。
C) スペイン語圏の国の距離感
ただしアジアなどより広範囲の文化が混ざりやすい要因もある。それは「言語」である。南はアルゼンチン、
チリの南部から北はメキシコはたまたアメリカ合衆国の様々な地域までスペイン語は広く使われている。
同じ言葉ということは、旅行をするにも、商売をするにもハードルは圧涛Iに低くなり、歌や映画、ドラマ
などはオリジナルのまま即輸出入が可能となる。
人の往来も盛んで、近隣の国に行ったとしても言葉の障壁がない分、仕事もしやすければ、友達も作りやすい。
だからといって自国愛を失っているわけではない点も重要だ。例えばボリビア人コミュニティーというのも近
隣各国に存在し、他国でも自分たちの踊りを踊ったりしている。
D)現在(2019年)の風潮
現在のボリビアでの主流はケーナ、サンメ[ニャ、チャランゴ、ギターに加えて、ドラム、ベース、時によっ
てキーボード、サックス、エレキギターなどが入るスタイルである。そして踊れて、口ずさめる曲が売れる。じっ
くり曲を聴くという文化が廃れ気味なので、インストは基本的には売れない。
逆にアルゼンチンやチリなどでは日常的にフォルクローレ的な音楽があまり流れないので、エスニック・ャb
プ的な流れや、インストを打ち出した演奏家も多いように感じる。
また現在のボリビアにおける主流は「踊る音楽」であるということは間違いないと思う。ただし、いつでも、
どこでも踊りまくっていると勘違いしないで欲しい。グループの音楽性に加え、劇場か、野外のスタンディン
グイベントか、ディスコか、ホームパーティーか、場面によって踊ったり踊らなかったりする。
<コラム>手拍子の習慣
手拍子は拍手というのは不思議なもので、その国の人々が共有する「手拍子をしたい場面」とい
うのが存在する気がする。「文化」の一部なのだろう。
日本では演歌歌手が朗々と歌い上げた後、間奏に入ると自然と拍手が起こるように、ボリビア音
楽では、間奏になるとリズムを刻む手拍子が始まり、歌が始まると自然と手拍子がおさまる。日本
でフォルクローレを聞く際に「ずっと手拍子をしなければ」という方を見かけるが、疲れるので好
きな場面だけ手拍子をするのがいいと思う。ただし、ボリビア演奏家などは間奏に手拍子が始まる
とより気持ち良く演奏ができると思う。