浄心庵・長尾弘先生「垂訓」

八正道と作善止悪

「御垂訓」

2021-09-03 00:34:17 | 浄心庵 長尾弘先生垂訓

恩師のご著書「真理を求める愚か者の独り言」より

         第五章 心の曇りをとるための反省

     反省してはじめてわからせていただいた母親の愛


それでは私の場合を紹介します。
小学校一年生ですから七歳の時のことです。
友達に百姓の子もあれば、サラリーマンの子もあり、
商店の子もありました。
私は水呑み百姓の子ですから、
みんなのように学校から帰って遊べません。

帰宅して鞄を置くと、今日はどこどこの畑に行きなさいと言われて、
すぐさま鎌か鍬を持って畑に行かなくてはなりませんでした。
「ああ、僕もいっしょに遊びたいなあ」と、
畑のそばで遊んでいる友達を見ては、
羨ましく思っていました。
そして、どうして自分だけがみんなと遊べずに
畑で手伝いをしなくてはならないんだろうと、
自らの運命を思ったのでした。

ところが、ある日とうとうそんな思いが募ったあげくに、
嘘をついて畑に出るのをさぼってしまったのです。
「今日は友達とどうしても勉強しなくてはいけないから」と
親に嘘をついて、
竹トンボを作るために他人の竹藪に行きました。
そこは急斜面でしたが、
そこをよじ登るのは当時の幼い私には冒険でした。
手頃な竹を見付けると、用意してあった鉈をだしました。

斜面の上のほうに左足を踏み出して、
その竹めがけて鉈を振り下ろしたのですが、
不覚にも自分の足をスパッと切ってしまったのです。
足の外くるぶしの上十センチ当たりに刃が当たり、
骨まで見えるほどパカッと深く裂けて白い骨が見えていました。


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