恩師のご著書「講演集」より
講演集、三
「行深般若波羅蜜多時」
先の続き・・・
そして、その実体の無いものに、私たちは振り回されていたのです。
また、この見方からしますと、
「是諸法空相、不生不滅、不垢不浄、不増不減、是故空中無色・・・
無老死・・・」病気をすることも無いはずです。
不老不死、年老いることも、死ぬことも無いと、
ちゃんと「般若心経」の中に分かり易く書いていただいているのですね。
私たちの肉体もそうです。
オギャーと生んで頂いて五十年、百年の間には、全部消える存在です。
私はここに在りますと言っても、いつの日か必ず消滅します。
なぜ消えなくてはならないかというと、それは実体が無いから消えて当然
のことなのです。
ただ形として現象として現れただけの世界で、かげろうのようなものです。
現れては消え、現れては消えしている水の泡のような存在がこの世の実相です。
「般若心経」はそのことを「三世諸仏、依般若波羅蜜多故」
過去、現在、未来の諸仏は、このことを悟っておられると、語っています。
難しことは書いておりません。