浄心庵・長尾弘先生「垂訓」

恩師の歌集「愛」より

我れ食べず人に施す母の愛
幼き我に布施教えらる

「御垂訓」

2021-11-07 02:09:45 | 浄心庵 長尾弘先生垂訓

    恩師のご著書「思いの中に生きる」より


      「先祖供養」について(その2)

先の続き・・・

そういうふうな祈りをしますと、これは先祖不孝です。
それが先祖供養だと思って、一生懸命頼んでいるのですが、
これほど大きな先祖不孝はありません。
親不孝・先祖不孝です。

何故かと言いますと、私たちの子供や孫に
「お父さん、辛いんや。何とか助けてほしい。お母さん、辛いんや。
私はこんなんで辛いから何とか助けて」と言って来られたら、
私たちは必ず悲しい、辛い。
替われるものだったら替わってやりたい。
しかし、替わることはできません。

子供が「辛い、辛い」言いながら泣きついてきてくれて、
喜ぶ親がどこにありますか。
そんな親は一人もいないはずですね。
それじゃあ、私たちがお仏壇の前で、
先祖さんはどんな思いをなさるか。

私たちが子や孫に泣きついて来られたらかなわないように、
先祖さんも必ずかなわないと思われます。
死んだら守ってやることはできません。
そりゃ、何とかしてやりたいという親心はもってくれます。
しかし、すでにこの世に肉体はないのです。

どうしてやることもできない自分の子孫に、
不幸な姿を目の当りに見せられたら、
これほどの先祖不孝はありません。


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