最後の授業(25)
LA DERNIÈRE CLASSE
Récit d'un petit alsacien
————————— 【25】————————————————
La leçon finie, on passa à l'écriture. Pour ce jour-là,
M. Hamel nous avait préparé des exemples tout neufs,
sur lesquels était écrit en belle ronde: France, Alsace,
France, Alsace. Cela faisait comme des petits drapeaux
qui flottaient tout autour de la classe pendus à la tringle
de nos pupitres. Il fallait voir comme chacun s'appliquait,
et quel silence !
—————————— (訳)—————————————————
フランス語の授業が終わって、習字の時間になりました.
この日のために先生は私たちに新しいお手本を用意して下
さっていたのでした.そこには美しい丸文字で、フランス、
アルザス、フランス、アルザスと書かれていました.それ
は私たちの机の支え棒に掛けられたので、教室中に小さな
旗がはためくようでした.みんなどんなに真剣にやってい
たことだろう.そして何と静かだったことか!
—————————— 《語彙》———————————————
exemple:(m) modèle (手本)、ここでは「お手本」、
cahier qui donne un modèle pour l'écriture
「ペンマンシップ」
écriture:(f) ①文字、②筆跡、③文体、
④書き方、習字(leçon d'écriture)
en:前置詞 [手段、方法] ~で、~によって
payer en francs / フランで支払う、
écrire en français / フランス語で書く
écrire en belle ronde / 美しい丸文字で書く
cahiers surlequels France était écrit en belle ronde
フランスと美しい丸文字で書かれていたノート
ronde:(f) 丸い字体、円書体(écriture ronde)
drapeau:(m)(複_x) 旗、国旗
flottaient:(半過去3複) <flotter (自) たなびく、はためく、漂う
pendu:(形、過去分詞) 吊り下げられた
<pendre (他) 吊るす、掛ける
tringle:(f) [トラーングル] (木製または金属製の)細い棒、横木
カーテンレール、tige rigide (軸)
Tige métallique ronde ou plate, destinée à soutenir
une draperie / 丸、もしくは平たい金属棒で旗などを
支え持つ目的のもの
pupitre:(m) 教室机
chacun(e):(不定代名詞) 各々、めいめい、それぞれの人
s'appliquait:(半過去3単、chacunは単数扱い) <s'appliquer
専念する、身を入れる
Il s'applique à achever son travail..
彼は仕事を完成させることに専念している.
silence:(m) 沈黙、無言、静寂
Il fallait voir comme ~ :どんなに~に見えたことだろう
————————————≪文法≫—————————————————
la leçon finie:これだけなら「終わった授業」と訳しても
合格ですが、文章に組み込まれているため
そう単純ではありません.文章というのは
on passa à l'écriture. これが屋台骨なので
すでに、ここに主語、on が居座っています.
となると「終わった授業」は主語にはなれま
せん.では何なの?それは「授業が終わると」
という分詞節になります.
finie は過去分詞ですが、複合形をつくる助動詞
être の分詞が省略されたもので、~が終わって
から、と訳します.
la leçon étant finie → la leçon inie
もしかしたら
la leçon ayant était finie → la leçon finie
の可能性もあるかもしれませんが、
あまり気にしなくてもいいと思います.
finir に終わるという意味があるので、わざわざ
完了分詞まで考えなくてもいいと思います.
丸文字の例