LE PAPA DE SIMON
シモンのパパ(76)
—————————【76】——————————————————
Ils se tenaient debout, enflammés comme des
démons, les yeux fixés sur le fer ardent qu' ils
torturaient; et leur lourde pensée montait et re-
tombait avec leurs marteaux.
.—————————(訳)———————————————————
彼らは、目を鍛え焼けつく鉄に向けて立っていたが、
それは炎を出した鬼のようなていたらくであった.そし
て彼らの重い心*は鎚の動きに合わせて、上がり、下がり
していた.
—————————⦅語彙⦆———————————————————
enflammé(e):(形) 燃えている
démon:(m) 悪魔、鬼*
fixés:(p.passé) <fixer (他) 固定する、定める
ardent:(形) 熱い、燃えるような、
soleil ardent / 焼けつくような太陽
torturaient:(半過去3複) < torturer (他) 拷問にかける、
責める、虐待する、苦しめる
lourd(e):(形) 重たい、重苦しい
leur lourde pensée:lourde には上記形容詞の他に、
名詞で「門、扉、戸」などの意味があるため、
解釈が2通りできます.
解釈1 :心の扉
解釈2 重苦しい思い
pensée:(f) 思い、心、考え
(p.passé/f) 考えられた
montait:(3単半過去) < monter (自)
retombait:(3単半過去) < retomber (自)
marteau(_x):(m) 金槌、鎚、ハンマー
—————————《註釈1》—————————————————
*重い心:「重い心が上がり下がりする」訳しておいて、
無責任ですが、よくわかりません.心が重くなっ
たり軽くなったりしたという解釈をしました.
それでもまだしっくりしていません.ここはよく
わからないので、降参!
—————————《註釈2》—————————————————
西洋の文化には「鬼」の概念はありませんが、ここでの
démon は「鬼」という訳がピッタリだと思います.
「鬼」を逆引きすると、ogre(sse)[m(f)] で「おとぎ話
の鬼」となっています.ogre をもう一度仏和で引くと
「人食い鬼」となっており、これはこれで怖いのですが
日本のあの憤怒の形相の鬼にはたどり着きません.やは
り、démon かdiable (m) 悪魔が鬼に近いようです.そも
そも「魔」という字そのものも音読みの「麻」に「鬼」
を放り込んで作った漢字だと聞いております.