さっぷいさっぷい外語学院(生徒:ゴタ、張るカイロさん)

ご一緒に学習を!
私は先生ではありません.間違いだらけかと思います.
ご容赦下さい.

3087番:シモンのパパ(73)

2023-12-07 12:11:03 | 日記


LE PAPA DE SIMON
シモンのパパ(73)


—————————【73】——————————————————

  Un  jour,  pourtant,  le  gars  qui  l' avait  attaqué  le
premier  lui  dit:
 ——Tu  as  menti,  tu  n' as  pas  un  papa  qui  s' ap-
pelle  Philippe.
  ——Pourquoi  ça ? * 
demanda  Simon  très  ému.  
  Le  gars  se  frottait  les  mains.  Il  reprit:
 ——Parce  que  si  tu  en  avais  un,  il  serait  le  
mari  de  ta  maman.
  Simon  se  troubla  devant  la  justesse  de  ce  raison-
nement; néanmoins  il  répondit:
 ——C' est  mon  papa  tout  de  même.
  ——Ça  se  peut  bien,  dit  le  gars  en  ricanant,
mais  ce  n' est  pas  ton  papa  tout  à  fait.
 

.—————————(訳)———————————————————
 
 だがある日、真っ先にシモンにけんかを売った少年が
シモンに言った:
 ——お前、うそをついたな.お前にフィリップという
パパはいないじゃないか.
 ——それってどういうことだよ?
シモンはひどく動揺して聞き返した.
 少年は、もみ手をして、こう答えた.
  ——なぜかと言うとだな、もしお前にパパがいると
いうのなら、その人はお前のママのお婿さんのはずだ.
 シモンは、その的確な論法の前に動揺した.しかし
それにもかかわらず、彼は返答した.
 ——それでもぼくのパパさ.
  ——ふん、そうかもしれないが、
と少年は、にやっと笑って言った.
 ——だが、すっかりお前のパパじゃないぞ.

 
    

—————————⦅語彙⦆———————————————————
             
ému:(形) 心を動かされた、感動した、興奮した
      動揺した;
      (p.passé) < émouvoir (他) 感動させる、
      (心を)かき乱す、動揺させる、      
frotter:(他) こする、こすりつける、摩擦する
se frottait:(3単半過去) <se frotter (pr)
      自分の~を摩擦する、こする
      自分の体をこする、摩擦する
      se frotter les mains / 手をこすり合わせる
      揉み手をする      
justesse:(f) 正しさ、正確さ    
raisonnement:(m) 論理、理屈 
se troubla:(3単単純過去) < se troubler 動揺する
néanmoins:[ネアンムワン][文](接)(副) しかしながら、
     にもかかわらず、それでも、
   Il pleuvait assez fort, néanmoins il sorti.
      雨がかなりはげしく降っていたが、
   にもかかわらず彼は外出した.  
tout de même:にもかかわらず、それでも  
ça se peut bien:そうかも知れない.
      ça se peut で「それはありうる」という決まり文句
      ここではこれから反対意見を述べる前置き.
      「なるほどそうかもしれないがな、しかし」
      この前置きと反対意見は「係り結び」と呼ばれる.
ricanant:(p.pré) < ricaner:[リカネ](自) あざ笑う、
    にやにや笑う、冷笑する
tout à fait:まったく、完全に
.

 

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3086番:アルト・ハイデルベルク(245)

2023-12-07 12:06:47 | 日記


アルト・ハイデルベルク(245)
𝕬𝖑𝖙 𝕳𝖊𝖎𝖉𝖊𝖑𝖇𝖊𝖗𝖌


——————————【245】———————————————


......Die Musik:(beginnt von neuem, alle singen, aber halblaut,
...................gedrückt, das Lied macht einen sehr wehmütigen
...................Eindruck).

............O alte Burschenherrlichkeit.
............Wohin bist du geschwunden ?
............Nie kehrst du wieder, goldne Zeit, 
............So froh und ungebunden !
............Vergebens spähe ich umher,
............Ich finde deine Spur nicht mehr.
................O jerum, jerum, jerum.
................O quae mutatio rerum !

 

———————————(訳)—————————————

............音楽:(新たに始まる.全員が歌う.ただし小声で重々しい.
..........................歌はもの悲しげな印象を強く与える)


.............ああ麗しの学生時代よ
.............おまえは何処へ消えたのか
.............黄金の時代よ、お前は再び帰っては来ない.
.............あれほど愉快で自由だったのに!
.............お前を探してみてもどこにも見つからない
.............もはや足跡すらみつからない
.............ああ、何たることか!
.............流転変遷とどまるを知らず!


———————————《語彙》—————————————
           
von neuem:新たに;辞書見出しはvon Neuen 
         いずれにせよneuem は形容詞の名詞化.名詞化
    された形容詞は事柄については中性名詞、変化は
    形容詞変化に準ずる(事物の場合、複数形はない)  
halblaut:(形) 小声の
gedrückt:(形) 意気消沈した、ふさぎこんだ;
    eine gedrückte Atmosphäre / 重苦しい雰囲気
    < drücken (他) 押す、押しつける、 
wehmütig:(形) 物悲しげな、哀愁を帯びた
der Eindruck:(Eindrücke) 印象、感銘      
geschwunden:(過去分詞) < schwinden (自) 
    ❶(次第に) 減る、消える
    ❷(時が)過ぎ去る    
kehrst:(2単現)< kehren (他) 向ける、回す、転ずる
    (部屋など⁴を)掃く、ほうきで掃除する
goldne Zeit:goldene のe が脱落しているのは歌なので
   音韻の関係上のことでしょう.「黄金の時代」 
froh:(形) 楽しい、うれしい、陽気な、愉快な、 
ungebunden:(形) 拘束されない、自由な
vergebens:(副) 無駄に、むなしく、いたずらに、
spähe:(1単現) < spähen (自) 覗き見る 
umher:[ウムヘーア] (副) あちこち、四方八方 
die Spur:[シュプーア](複Spuren) 足跡、手がかり  
jerum:(間) [ラテン語Jesu domine, Herr Jesus の転訛形] 
    (驚き、恐怖の叫び)
Jesus:[イェーズス]⦅人名⦆
  1格:Jesus
  2格:Jesu
  3格:Jesu
  4格:Jesum
呼格:Jesu  
quae:(女性形)<quis:だれ、なに、どれ
mutatio:(女性名詞) 変遷、推移、変化 
rerum:<res:(女性名詞) 世の成り行き

———————————≪解釈≫———————————————

Vergebens spähe ich umher:むなしく四方八方を覗き見る
直訳はぎくしゃくしています.がこの本意はどこをさが
してもみつからない、ということです.「むなしく」と
いうのは文修飾なので、「~してみても無駄なこと」

 

 

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3085番:「おとうと」(12)(フィリップ短篇集より)

2023-12-07 10:28:32 | 日記


 「おとうと」(12)(フィリップ短篇集より)

    LE  PETIT  FRERE


——————————【12】—————————————————

 Julie  se  rappela  que  l' année  précédente  il  avait  
fait  la  même  chose,  mais  c' était  au  petit  Victtor
qu' il  avait  jeté  la  farine.   Le  petit  Victor  était
un  enfant  capricieux: il  avait  pleuré.  La  petite  
Alice  qui  avait  bon  caractère  se  mit  à  rire.  Elle
était  toute  blanche.

..—————————— (訳)——————————————————

 ジュリーは前の年、ブーテおじさんが同じことをした
のを覚えていた.そのときは小麦粉は幼いヴィクトール
に投げつけられた.ヴィクトールは泣いてしまった.ア
リスの場合はいい性格をしていて、笑い出したのだ.彼
女は(粉で)真っ白になっていた.

 

——————————《語句》——————————————————
           
se rappela:(単純過去3単) < se rappeler (pr) 思い出す、
   覚えている  

Elle était toute blanche:
形容詞を修飾する副詞の tout は子音(または有気音のh)
で始まる女性形容詞の前でだけ、その性数に一致する.
(男性形容詞及び母音で始まる女性形容詞の前では不変)

il avait pleuré:
直説法大過去ですが、日本語には大過去というものがな
いので、このニュアンスを出して訳すのは無理です.
「泣いてしまっていた」は何か変な日本語.

caractère:(m) (個人の生まれつきの)
性格、気質、人柄 

 

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3084番:女の一生(77)

2023-12-07 10:26:33 | 日記


Une vie  /   Guy de Maupassant
  
女の一生(77)
Une vie (77)


——————————【77】———————————————
  
 Un  immense  vestibule  séparait  en  deux  la  maison
et  la  traversait  de  part  en  part,  ouvrant  ses  grandes
portes  sur  les  deux  faces. Un  double  escalier  sem-
blait  enjamber  cette  entrée,  laissant  vide  le  centre,  
et  joignant  au  premier  ses  deux  montées  à  la  façon
d'un  pont.

———————————(訳)——————————————————

館は広大な玄関ホールによって両翼に分かれており、正
面口からまで裏口まで貫通しており、それぞれの側は大
きな扉で開かれておりました.二重の階段が建物の入口
を跨いだようになっていました.そして2つの昇降階段
は橋式に二階部分で合わさっていたため、中央部はがら
んとした空間を残していました.

 

.——————————⦅語句⦆—————————————————
              
immense:[イマーンス](形) 広大な、巨大な  
vestibule:(m) 玄関、玄関入口の広間、玄関ホール   
séparait:(3単半過去) 
    < séparer (他)~を(...から)分ける
de part en part:(副句) 貫通して  
traversait:(3単半過去) < traverser (他) を貫通する、
    突き抜ける、  
porte:(f) 出入口、ドア、扉;
      門という意味もあるのですが、ここでは建物の
      出入口を言っているので、「扉」がいいでしょう.
ouvrant:(p.pré) 開かれて;<ouvrir (自/他) 開く    
double escalier:(m) 辞書不掲載語;とりあえず
   「二重階段」と訳しておきますが、訳した本人が
      どんなものかさっぱりわかりません.無責任で申
      し訳ないです.入口を跨ぐ階段との描写から察す
      るに、階段は左右1つづつあって、上で合流して
      いるのでしょう.ところで、こういう館の入口は
      相当な高さがあると思います.    
semblait:(3単半過去) <sembler ()  
enjamber:[アンジャンベ](他) ~をまたぐ、飛び越す    
entrée:(f) 入口、玄関、玄関の間、玄関ホール  
laissant:(p.pré) <laisser   
vide:(形) 空(カラ)の、何も入っていない、    
centre:[サーントル](m) 中心、中央、中央部 
au premier:au premier étage のことと思います.
    「2階で」と訳します.  
joignant:(p.pré) < joindre (他) ~と連絡を取る
   ~を結合させる、つなぐ、結び付ける  
montées:(f) 登ること、登攀、
   (降りること、という意味はないのですが、登れば
    降りる必要があるので昇降としておきました)  
pont:[ポン](m) 橋 
joignant au premier ses deux montées à la façon d'un pont:
  二階でふたつの昇降階段を橋のように繋いでいたので
 (空間ができた)

 

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3083番:ペルル嬢(77)

2023-12-07 10:14:51 | 日記

 
ペルル嬢(77)
モーパッサン作品集より
Mademoiselle Perle
Maupassant


———————————【77】—————————————————
 
 Nous  restions  à  nous  regarder,  la  fourchette  en
l' air,  écoutant  toujours,  et  saisis  d' une  espèce  de
peur  surnaturelle.      
   

————————————(訳)—————————————————

 私たちは、持ったフォークが宙で止まったまま、お互
いの顔を見合わせ、尚も聞き耳を立てたまま、そして得
も知れぬような恐怖に憑りつかれていました.

    

————————————《語句》—————————————————
        
fourchette:(f) フォーク  
espèce:(f) 種類;
  une espèce de + 無冠詞名詞:一種の~、~のような;
  Ils habitent une espèce de château. / 彼らはお城みたい
    な所に住んでいる.  
surnaturel(le):(形) 超自然的な、不可思議な 

 

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