1月30日(金) 【 お茶の体験学習 】
ゆかねばならぬ。おとめくださるな、妙心どの。
で、
どこへ、ゆかねばならんのかというと、
南禅寺、「八千代旅館」。
きょうのお仕事は、ここの、「浮舟の間」 に
お泊りのアメリカ人2名様。
午前10時がツアー出発時間。
でもって、9時40分にやってきた。
宿に着くと、支配人さんが、中に
入れてくださいました。ロビーで、待つことに。
待っている間に、きょうの、行先をチェック。
ご依頼を受けたときは、
「お寺の禅を体験したい。」
とのことでしたが、
これは、京都市内で、
金曜日にやっているお寺がないので、
宇治の「萬福寺」 に行くことになります。
一応、仮予約は入れていたのですが、
ここを選べば、所要4時間。つまり、きょうの
6時間コースの大半が
ここで、潰れてしまいます。
もう一か所、行先チェックをします。
それは、きょうは、お抹茶の体験があります。
受け入れ先の「福寿園」に、確認電話をしたり、
結構、することがあります。
そこへもってきて、ご依頼のフィリップ様が、
ロビーで、オーストラリアの女性と仲良くなって、
結局、オーストラリア人女性2名も、ご参加。
山田のガイド料金は、
2名様でも、4名様でも、同じ料金。
フィリップさんと : Can they join us ?
ジミーさん 彼女たちも、参加いいかい?
山田 : Why not ?
いいっしょ。
メラニーさんと : Thank you.
カレンさん ありがとね。
クライアントが4名、
ガイドが1名・・ということは、
ドライバーさんを入れると、6名。
ちなみに、ガイド料金は、9名様までは、
料金は変わりません。
10名様から、5000円アップになりますが、
本日は、4名様。
この場合、何が問題かといえば、
タクシーに乗りにくくなる、ということ。
つまり、タクシーは、
トヨタクラウン5人乗りセダンが主流なので、
ドライバーさんを1名と数えて、6名。
そこで、6人乗りセダンを
探してもらうことになりますが、
これが、なかなか、難しい。
なぜか?
それは、6人乗りセダンは、
前席3名、後部座席3名
が座るように設計されている。
前が、3人ということは、
セパレートシートではなく、
ベンチシートだということ。
このベンチシートが、近年、警察の指導で、
各メーカーは、生産を打ち切りました。
生産打ち切りから、、6年以上経過した現在、
さすがに、この京都でも、
めっきり、6人乗りセダンの数は、
減少しました。
ヾ(@^▽^@)ノ
さて、6人乗りタクシーが、
無事、お迎えにやってきて
くださいました。
座る位置ですが、こういう場合、
ガイドは、前の真ん中になります。
ここは、シートベルトがありません。
交通事故にあったら、まっさきに
死ぬことのできる場所。
天国にもっとも近い席。いいなあ。
山田の隣に、フィリップさんが乗ります。
後部には、オーストラリアの美女2名。
そして、ジミー青年。
ジミー青年のお年は、聞いていませんが、
とても、お若いようで、きっと、25歳くらいの
誰もが、あこがれる年代。
オーストラリアの美女は
プラス10年~15年ってとこか?
背の高いメラニーさんも、
小柄のカレンさんも、
35・・・40・・・いや、女性の歳は、
しゃべると、マナー違反か。
【タクシーで、河原町へやってきた】
_ 京都の一番の繁華街は、どこですか?
_ はい、それは、河原町です。
_ 河原町は、どんなところですか?
_ 人だかりの町です。百貨店があります。
「人だかりの町」
という歌謡曲があったような・・・
ああ、あれは、小柳ルミ子の
「雪あかりの町」でした。
こちら、人ばかりの町・・・四条河原町。
我々のタクシーは、
そこから、さらに西へ、4筋、
富小路というところに着きました。
ここが、お茶で有名な「福寿園」。
お抹茶を立てる体験学習は、お一人、2700円。
ガイドは、無料。 (ちょっと、うれしい)
お茶室の先生 : お茶室に入る前に、
手水(ちょうず)で、
手洗いをします。
名(迷)通訳 : Before entering the room,
we are supposed to wash hands.
お茶室の先生 : 柄杓に水を一杯すくって、左手、
それから、右手に掛けます。
迷人通訳 : Fill the water
in this dipper and pour
onto your left then right hand.
お茶室の先生 : それから、口をゆすぐのですが、
飲まないようにね。
迷人通訳 : Last of all, rinse your mouth
with the rest of water.
最後は、残った水で、口を
ゆすぎなはれ。
お茶室の先生が山田に注文。
「 だめよ。ちゃんと、水は、
飲まないって、言ってあげなくちゃ。」
実は、この先生、英語がペラペラなのでした。
【教訓】 能ある鷹は、爪を隠す。
先生 : さて、正式のお茶会では、
お茶室には、この、
「にじり口」
から入ります。
客は、ここで、戸に注意します。
戸が、このように、
少し、空いている状態が、
「どうぞ、お入りください。」
という合図になるのです。
完全に閉まっているときは、
「今、しばらくお待ちください。」
という意味になります。
山田 : At a formal tea ceremony,
guests are supposed to enter the room
through this small
door called " Nijiri-Guchi".
Be sure to check if the sliding door is
a little open (about 1~3 cm).
This shows " please come in."
If you find the door is shut tight,
that's the sign of waiting a moment.
先生 : さあ、そうしましたら
今、戸は、2センチほど、
空いていますよね。茶室の主人の、どうぞ、
という合図です。
さあ、入りましょう。
山田 : Now the door is about 2 cm
open as you see.
This is the message from the host
that this is the time.
The time we go inside.
【お茶室にて】
釜には、お湯が沸いています。
私たちは、先生が指定した場所に
座ります。
先生は、まず、お茶のいわれから、
語り始めます。
先生 : お茶はね。中国で、禅僧たちが、
飲み始めたことから、始まりました。
座禅で、居眠りしなくなるのよ、ね。
迷通訳: Custom began in old China
of drinking tea among Zen Buddhist monks.
Partly because the tea
keeps you from a doze
during meditation.
フィリッ
プさん : When do we eat the sweets ?
いつ、このお菓子を食べるの?
先生 : 今、もう、召し上がってください。
お茶をいただく、少し前に、どうぞ。
迷通訳 : Please have it now.
This is the timing for it.
迷通訳は、ここから、独走。先生の言葉を待たず、
知識をひけらかす。
山田 : As we Japanese don't
put sugar in the tea,
it feels you a little bitter.
So it is necessary to welcome
the bitterness by
taking so much sweetness.
日本人って、お茶に砂糖を
入れないじゃない。
それで、お茶って、苦いものでしょ。
それで、
苦さを歓迎するため、先に、
甘味を取るんですよ。
先生は、頷いてらしたので
山田の説明で、まる。正解。
メラニ
ーさん: When was the tea introduced into Japan ?
お茶が日本に入ったのは、いつごろなの?
山田 : It dates back to the Kamakura
period about
800 years ago when
Buddhist monks brought
back to Japan.
Among them, Priest Myoe
is the most famouse.
800年前の鎌倉時代にさかのぼります。
禅僧が中国から、もたらしました。
彼らの中で、明恵上人は、特に、有名です。
いよいよ、始まります。
先生は、畳の中にある釜から、お湯を
ひしゃくで、すくい上げます。
釜は、kettle でいいと思います。
cauldron は大釜
のことなので、ちょっと違うかな、
と思いました。
なつめ
(tea case とやりましたが、本では)
tea caddy)
から、お茶(green powdered tea) を
茶杓(tea ladle )で2杯、 茶碗(tea bowl) に入れ、
ひしゃく(water dipper )
約半分の湯を茶碗に注ぎ入れます。
そして、あの散髪屋にある、
あのヒゲソリするときの石鹸を
ぞりぞり顔につけるブラシ・・・
そう、思い出した、茶筅。
茶せん(bamboo tea whisk) で、
泡立てるように、混ぜます。
(muddle と言ってみましたが、
stir と言い直しました。)
( でも whip の方がよかったかな?)
先生 : お茶椀は、あなたと
次の方との間に置かれます。
そうしますと、あなたは、次の方に、
軽く会釈をして、
先に頂戴する旨を述べます。
「お先に。」とか、「失礼します。」とか、
お声を掛けたりします。
山田 : The host puts the tea bowl
between you and the next guest.
What you do is to address the
excuse to your neighbor.
先生 : そしたら、お茶椀を、
ご自分の前に置きます。
そして、
「お点前頂戴いたします。」
と言いいます。
山田 : Move the bowl in front of you,
and give utterance
Otemae chodai shimasu.
先生 : だめよ。難しすぎるわよ。 そこは、
「サンキュー」
でいいんじゃないかしら?
メアリ
さん : Thank you.
先生 : そしたら、 お茶碗を3度、
右に回して下さい。
絵柄を、主人側に向けて、飲みます。
山田 : Now.,turn the bowl clockwise.
Make three times move so that
the picture part comes facing
the host.
先生 : そんなこと言ってないけど、まあそうです。
絵柄を汚さないようにという意味で。
山田 : 流派によって違うのかな?
あ、すみません。いらぬことを言って。
先生 : 流派というより、今回、一度だけのお稽古
なので、細かな点は、問わずに、
お茶とは、どういうものかを
体験していただくのが、主眼です。
このあと、本来は、口のついたところを、指で
拭いたりするところもあるのですが、
衛生上、ここでは、
1回、1回、新しいお茶碗を用意して
体験します。
そういえば、大徳寺で、
お茶をいただいたときは、
お菓子を懐紙に取りましたが、ここでは、何も
用意しなくても、大丈夫でした。
メラニーさんのお点前が、
素晴らしく、これには、先生も
絶賛。
ただし、そのお茶は、
フィリップさんが飲まれました。
(全員に回りません。)
フィリップさんの立てたお茶は、カレンさんが、
カレンさん入れたお茶は、ジミーさんが、
ジミーさんのお点前のお茶は、
なぜだか、山田が頂きました。
「結構な、おふく加減で。」
と言ったら、みなさん、お稽古。
「Kekko Naoko De 」
「違います。結構なおふく加減。」
「Kekko Naoko Kageeda」
先生 : 通訳さん、あなた、それは、無理よ。
日本人でも、練習して言う言葉なんだから。
山田 : それも、そうやな。
お茶の時間は終わりました。
先生は、床の間と掛け軸の
説明に入ります。
掛け軸の言葉は、忘れてしまいましたが、
全部、漢字でした。
梅という漢字と、蕾に相当する難しい漢字と、
雪という漢字。
あと深山幽谷に相当する言い回しの漢字。
ハハハ 無教養なので、
あんまり思い出せない・・・すんません。
先生が解説するところ、
「 掛け軸は、季節、
季節に応じたものを掛け替えます。
今は、梅が開く前、冠雪の梅花が、蕾の状態で、
春を待っている、という風景を詩っています。」
山田 : ほう、なるほど。
(どない、通訳しょーかな?)
A plum tree is waiting for Spring
its bud wearing snow on top
in the deep of the mountain.
みな
さん : Oh beautiful.
オー ビューラフォー。
ヾ(@^▽^@)ノ
何とか、通じたので、ねえかい。
《お買い物》
お茶の体験 (tea ceremony experience)
が終了しました。
みなさん、茶道具を買って帰りたいと、
おっしゃいます。
幸い、福寿園は、お茶の専門店。
一応、それなりに、
お茶の一式 ( tea ceremony gear で、いいか?)
は、売っているようです。
メラニーさんと、フィリップさんは、ご家族を
楽しませようと、たくさんお買い込み。
毎度、ありがとうございます。
【錦市場】
お散歩の時間です。市場の中をお散歩。
というか、楽しい買い食い。
さっき、食べた「梅」の饅頭が恋しいのか、
お饅頭を
見る度、立ち止まり、お訪ねです。
フィリッ
プさん : What is this manju made of ?
これ、何の饅頭やろ?
山田 : Sweet bean paste covered with rice cake
and coated with green tea powder.
何か、おもちに、抹茶ふりかけてあって、
中は、あんこや。
フィリッ
プさん : I'll try one.
食べてみるわ。
お店の人: 粒あんと、こしあんが
ありますけど、どっちが
よろしい?
山田 : There are two types of sweet beans.
One is strained
the other not strained remaining whole.
Which do you like ?
粒あんと、漉しあんがあんねんてえ。
どっち、しはります?
フィリッ
プさん : Which is better ?
どっちがええ?
山田 : I like whole bean type better.
わては、粒あんが好きやけど。
フィリッ
プさん : Alright.
I'll have that whole bean type of jam.
オッケー、粒あんタイプにするわ。
【お昼ごはんは、錦市場で】
イイダコの串刺しが売っていました。
フィリップさん、買って、
歩きながら、お召し上がり。
ところで、イイダコを英語で、どういうのだろう?
歩きながら、悩んでいたら、
フィリッ
プさん : The baby octopus tastes very good.
うめえわ、このチビ鮹。
山田 : That's good.
よかったね。
どうやら、イイダコは、
baby octopus と言うようである。
ヾ(@^▽^@)ノ
お寿司屋さんを見つけたので、覗いてみた。
「どないやろなあ?」
と思っていたら、
フィリッ
プさん : Looks fine.
Let's take lunch at this restaurant.
ええんちゃう。
入ろうな。
どうやら、我々のリーダーは、フィリップさんに
知らぬ間に決定していたようである。
注文したメニューの控えが残っています。
盛り合わせ2合折り詰め 3900円
鉄火巻1本 820円
フィリップさんとジミーさんが、シェア
点心 (にぎりセット) カレンさんが注文
京にしき メラニーさんが注文
おすすめセット 山田
お店の方が、山田に尋ねます。
「どこの国の方?」
「こっちのお兄さん方がワシントン。
奥の女性が、オーストラリアの、えーと・・・」
メラニーさん: Broome.
Do you know Broome ?
Sister city with Taji in Japan.
ブルームよ。ご存じ?
日本のたじ市と姉妹都市なのよ。
山田 : 知らんなあ。たじ?
お店の方 : 但馬やったら知ってるけど。
メラニーさん: We have a lot of tombs that bury
roughly 1000 Japanese people.
ブルームはなあ、
日本人のお墓がいっぱいあんねん。
1000人ぐらいのお墓。
山田 : How come ?
なんで、あんのん、お墓が ?
メラニーさん: They were divers who collected
pearls in the sea.
潜水夫さんや。真珠とってはってん。
Most of them were
immigrants from Japan.
They died of caisson disease.
みんな移民の人や。
潜水病で亡くなりはってん。
山田 : ふーん。
メラニーさんの話では、ブルームという町は、
昔から、真珠の養殖がさかんで、移民者が、
潜水作業に従事したのだとか。
【京都ハンディクラフトセンターへ】
着物をおみやげに買いたい
というフィリップさんたち。
本格的な呉服店の着物は、無理だと思うので、
京都ハンディクラフトセンターに、移動することに。
6人乗りタクシーを待っていたが、らちがあかず、
バスで行くことにした。
リーダーのフィリップさんが、スマホで、検索し、
乗るバスがわかった。201系統のバスである。
203系統のバスが来ました。
熊野神社経由の表示があったので、
これに、乗ることに決定。
決定委員長は、今回は、山田。
Okay guys ! let's get on !
野郎ども、乗るぜ~!
うまく全員座れました。
バスは、東国原・・・ではなく、そのまんま東へ。
東の突き当たりに、八坂神社があります。
御祭神は、素戔嗚尊(スサノオノミコト)。
656年、高麗の使者、
伊利之が新羅国のスサノオノミコト
を分霊して、山城の地に奉齋したのが始まりだとか。
バスは、八坂神社から、今度は、北へ。
そして、熊野の交差店
(聖護院八つ橋の本店前)を右折。
すぐのところが、バス停です。おひとり、230円。
無事、全員下車。
「京都ハンディクラフトセンター」は、
ここから、東へ、100m。
東館は、現在、1Fのみが営業。
来る度、寂れる西館。
一句
【 ハンクラや 来るたび寂し 西の館 】
この5、6年で、みるみるすさんでいった
京都ハンディクラフトセンター。
その主な理由のひとつは、
英米からの団体ツアーが
激減したこと。
今は、プライベートツアーしか、やってこない。
それも、JTBのサンライズツアーの
ステーションをやめてから、集客対策を
取らなかったことが、原因していると思う。
( 今、団体客といえば、
東南アジア客ばかりでっせ。)
さて、フィリップさん、
お着物をお買い上げ。しかも、
何と、10点。そのほか。
Tシャツが10着。
奥さんとお子さんへのおみやげだという。
メラニーさんも、お着物を数点。
わしゃ、店から送客手数料、ほしいわ。
【6人乗れるタクシーは、ないかも】
帰りは、タクシーは、ないかも。
そこで、歩いて帰ることにしました。
途中、「平安神宮」 でお写真。
冷泉通り、岡崎道、二条通り、
白川通り、そして、約20分後、
帰ってきました、「八千代旅館」。
本日は、40名の外国のお客様がご宿泊。
あの、クチコミ記事を書くなら、
この旅館がいいなあ。
ただ、今のところ、採用通知はありません。
まあ、いいか。
どうせ、2500円にしか、ならないバイトだし。
さて、旅館に到着して、
ガイド料金の受け取りをしました。
みなさんの相談で、
フィリップさんのグループが、9000円を、
メラニーさんのグループが、9000円を
それぞれ、お支払い。
ありがとうございました。サンキュー。
おしまい
山田 錦