ジュール叔父さん(51)
—————————【51】————————————————
Je restai donc à côté de ma mère, trouvant injuste
cette distinction. Je suivais de l' œil mon père, qui
conduisait pompeusement ses deux filles et son gendre
vers le vieux matelot déguenillé..
——————————(訳)————————————————
そんなわけでぼくは、この差別が不当だと思いながら
母のそばに残っていました. ぼくは目で父を追ってい
ました.父は姉たちと婿殿を。あのおんぼろ服の老水夫
の方に連れて行こうとしていました.
——————————《語句》———————————————
donc:だから、それゆえ
distinction:[ディスタンクスィオン](f) 差別、区別、識別
pompeusement:(副) ①大げさに、仰々しく;②盛大に
conduisait:(半過去3単) < conduire (他) 連れて行く、
導く [à へ]
gendre:(m) 婿、娘の夫
matelot:[マトロ](m) 水夫、船員
déguenillé(e):[デグニイェ](形) ぼろをまとった、
(名) ぼろをまとった人
—————————≪文法≫——————————————
trouvant injuste cette distinction:
この差別が不当だと思って
injuste cette distinction が倒置されています.
普通の語順はtrouvant cette distinction injuste
[trouver + 目的語 + 属詞]が基本語順です.
ではなぜ倒置されているのでしょう.
おそらくこの手の目的語属詞は、属詞の部分が
単に形容詞として直前の名詞を修飾していると
解釈されることもあり、それを避けるためでは
ないかと思います.
「ぼくは不当な差別を見出した」と読ませたくなくて
語順を変えたのだと思います.
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