我が家にパソコンが来たのは
かれこれ二十数年前になります。
長男が高校生になったとき、父が購入してくれました。
デスクトップ型のパソコンで、
画面とキーボードが離れていて、
机一つを占領してしまう大きなもので、
かなり高額なものでした。
私はそのころ、ワープロを使って
文書を作成していました。
それを見ていた当時70代後半に入った母が
「私もやってみたい」と、ワープロに触りました。
母のために平仮名入力にしてあげようとも思いましたが
平仮名入力ローマ字入力の変換が面倒に思い
結局、ローマ字入力のままにしましたが、
やはり母は、すぐにはその対応ができませんでした。
すると母は、ノートを用意して、
ひらがなをローマ字に変換する書き取りを始めました。
高等小学校しか出ていない母です。
貧乏でその上もらいっ子(養女)で
上の学校に行きたい、などとは言えなかった母でした。
大学生になっていた長男が帰省した時
そんな母の姿を見て
「すごいじゃん! ばあちゃん、頑張っててすごいね。」
と言いました。
新しもの好きの、好奇心旺盛の母でした。
結局、ワープロで文章(手紙)を書くところまでは行きませんでしたが
あのころまで、まだ母は
向上心を持っていました。
今 母は、
自分の頭がだんだん軽くなっていくこと、
ずくが無くなっていくこと(面倒くさがること)を嘆きます。
そういうことがわかるようなのです。
でもばあちゃん、
私たちは、やる気十分のばあちゃんも知ってるからね。