京の都から、熊野詣でをするには、「小辺路」のほかに
「中辺路」と「大辺路」とがあります。
「小辺路」は主に、
高野山をお参りしてから熊野にお詣りする目的で使われました。
この路は、生活道路として使われていたものを、
近世以降になって熊野詣でに盛んに使われるようになった、と言われています。
熊野古道で、一番有名なのは「中辺路」です。
田辺市を起点として、
本宮(熊野本宮大社)・新宮(熊野速玉大社)・那智(熊野那智大社)に詣でる参詣路です。
907年に宇多上皇が初めて参詣してから、300年近く
多くの上皇・法皇・貴人などがこの路を使って詣でたそうです。
若いころ、那智の熊野那智大社には行ったことがあったので、
今回は、速玉大社と本宮大社に詣でました。
本宮大社の近く、国道168号線沿いに「道の駅 熊野古道ほんぐう」があります。
そこの展示室には、当時「蟻の熊野詣」と言われるほど流行した(笑)
上皇や法皇の熊野詣の様子を、漫画風の絵巻にして展示してあって、
平安時代中期から後期の、大変厳しい熊野詣の様子がよくわかりました。
本宮大社は、速玉大社とは、全く趣が異なります。
創建当時(崇神天皇65年)本宮大社は熊野川の中州にあったそうですが、
明治の時代に大水害にあって、現在の場所への建立となった、とのことでした。
熊野川沿いに、国道168号(十津川街道)が走っていて、
新しいバイパスも開いていたけれど、
あえて、この街道を通って十津川村に入りました。
信州も山ばかりだけれど、
奈良も和歌山も、山の中だなあ・・・、と思ったことでした。
「木曽路はすべて山の中」ならぬ、
「熊野古道は、すべて山の中」です。