我が青春クラブで最も人気のある「カーリンコン」が、昨日、「きびドーム」で3年ぶりに開催された。
多くの選手がプレー前、「このコースに投げる」とつぶやいたりするが、思惑通りにならないところが面白い。
選手自身が頭を抱えるようなミスが起こったりすると相手チームは大喜び、他チームの選手は大笑い。
大きなミスは一瞬で自チームをピンチに追い込むが、参加者全員、誰もが多かれ少なかれミスをするので、落ち込むこともない。むしろ、自チーム以外の誰もが、それを期待して待っている。
勝敗一辺倒ではないこの大らかで和やかな雰囲気が魅力となっている。
ビッグプレーには拍手喝采、自信のなさそうなプレーヤーへは励ましや声かけ、面白い野次が飛ぶこともあった。
自分がたまたま相手チームの得点ディスクを跳ね飛ばした時、拍手がある一方で、「いやらしいことをするなあ」と野次られたりもした。
終始、ワイワイムードな半日だった。参加者全員、3年間の憂さを晴らしたかのような大会だった。
・・・まさかのことが・・・
まさかのことに、我がチームが優勝した。
勝敗はどちらかが7点先取すれば試合終了。7点になっていなくても制限時間切れの場合は、そのイニング終了時点のスコアで勝敗を決めた。
我がチーム。1回戦はやっと逆転し1点差になったところで時間切れとなり辛くも勝った。2回戦も1点差で勝っているところで運よく時間切れとなり勝った。
決勝戦は序盤に次々と失点し、0対6と崖っぷちに追い込まれた。一方的な展開だった。何とか2点を返し2対6と追い上げたものの時間切れまで残り1イニングとなった。
敗色濃厚となり、落ち込みかけたメンバーに言った。
「負けても、準優勝やで!」
それまでと流れが変わった。
我がチームが4点獲得できる可能性がある展開となり、相手チームのエースの最終の一投を待つばかりとなった。
失投すれば我がチームが4点獲得し、同点となって延長戦になる。逆に、最後の一投がビッグプレーであれば、我がチームの4点獲得が消滅し、相手が1点獲得する可能性もあった。最も可能性が高かったのは、4点獲得が2~3点獲得に減らされるケースだった。
いずれにしても、4点差だけに逆転優勝の可能性はあり得なかった。そのあり得ないことが起こった。
相手の投げた「赤色のディスク」が滑っている途中で裏返しになり、我がチームの「緑のディスク」に変身し、しかも我がチームの得点が4点から5点になる場所で止まった。滅多にみかけないオウンゴールが土壇場の最後の一投で起こっただけでなく、それが決勝点となった。
その結果、我がチームが7対6と大逆転優勝した。優勝目前だった相手チームは、あっけにとられていた。
優勝戦の最終の一投が奇跡のドラマを演出した。今後も語り継がれるに違いないドラマを生んだ。
我がチームは勝ったのではなく、勝たしてもらった優勝だった。
・・・特別賞・・・
関係者で特別賞を決める時に言った。
我がチームからすれば、優勝させてくれた相手チームの最終に投げた選手に贈りたいが・・・笑いが起こった。
特別賞は、我がチームの一員だった87歳の最高齢者に決まった。
・・・景品選び・・・
今回の景品は、サークル責任者の要望で、どれも300円前後にした。優勝チームから順に好きな景品を選んでもらった。
前日の買い出しでは、自分はスポーツ飲料、景品買いは3人に手分けしてお願いした。その3人に内々に言った。「最後まで残る景品は誰が買ったのか、面白いで。残り方によっては、次回、買い方、考えてもらわなアカンかも」と、突っ込みしておいた。
3年ぶり開催の「カーリンコン大会」が、和やかに終わった。