青春クラブの団体傷害保険をとりまとめ送金のために郵便局へ行った。10万円以上の送金だったので本人確認のための証憑書類を求められた。「免許証」を提示した。
職員さん:『免許証の暗証番号わかりますか。わからなかったら結構です』
自分:「エッ 免許証の暗証番号 そんなんいるん? 今までは、提示するだけで良かったのに。写真と本人を見比べればわかるのに」
職員さん:『すみません。偽造カードが出回っているので、こういうシステムになりました』
免許証の暗証番号メモを探すのが面倒で「わかりません」と言いかけたが、好奇心もあって「わかると思います」と答えた。財布の中にいれてある「免許証の暗証番号」を探し取り出した。
2つある暗証番号のうちの1つを入力した。『もう1つも入力してください』と言われたので、2つ目の暗証番号も入力した。
職員さん:『ありがとうございます』
しばらくしてから、『こんなのが出てくるんです』とプリントを見せてくれた。警察庁に登録されている免許証の写真がプリントされていた。提示した免許証が本物かどうかチェックするシステムだった。
偽造カードを作る人間はわかっているのだろうか
「偽造カードのせいで、それを防ぐために社会全体がどれだけ無駄なコストと手間をかけざるを得なくなったのかを」
時代劇ならば、偽造者には『社会全体を大きく混乱させたことは明白。市中引き回しの上、獄門に処す』ところ。ついつい、そう言いたくなった。
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郵便局へ行ったことで、以前、郵便屋さんと交わした会話を思い出した。
かつては、ご近所さんに郵便物を届け終えたあと、バイクのアクセルを噴かして次の家に向かうエンジン音が周辺に響き渡っていたので、郵便屋さんが近隣を回っていることが察知できた。
アクセルを噴かす時のエンジン音とその方向から、我が家に配達を終えたことが家の中からでも察知できた。
それが、いつからか郵便屋さんが来る気配がわからなくなってしまった。
そんな或る日、たまたま庭に出ていた時、バイクでやってきた郵便屋さんと出会ったので言った。
「この頃、音もなしにやってくるので、いつ来たのかわからんようになってしまった」
郵便屋さん:『そうなんよ。電動バイクに代わってからアチコチでそう言われるんよ』
自分:「静かなのも善し悪しやなあ。これ、満充電でどれくらいの距離走れるん?」
郵便屋さん:『25kmぐらい走れるみたい』
そんな会話が終わると、音もなく去っていった。郵便屋さんが忍者みたいになってしまった。
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音なしエンジン、郵便屋さんだけの話では終われない。
環境汚染対策として、自動車のEVやハイブリッドにシフト化がすすんでいる。騒音公害もなくなる。一方で気になることもある。
今だと歩道もなく広くもない田舎道を歩いていたり自転車で走っている時、後方から車が近づいてくればエンジン音の強弱で車の接近を察知できる。真横を通り抜けて行っても心構えができているので驚くこともない。
でも全ての車がEV化され、自動車やバイクが後方から音もなくやってきて、真横を40~50kmもの速さで通り抜けていくことになれば、肝をつぶすドッキリでしかない。まして大型車だったら突然の風圧も襲って来る。
「オー 猛烈!」どころではない。田舎道を歩くのは命がけになるかも・・・
前方に人を発見したら、自動的にメロディが鳴りだすような装備が車に必要かも知れないと思ったりして・・・
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偽造カード技術とそれを防ぐシステム、EV化の進展など、科学が進歩するほど迷惑を被る人がいる。