今日も、防災無線のスピーカーから「熱中症注意」を呼びかける放送が聞こえてきた。そんな陽射しがきつくなる時間だけに「まさか」と思いつつ、散髪帰りの10時過ぎに知人の畑の側を車で通ってみた。まさかのことに知人が畑仕事をしていた。
農家でない知人は、定年後、興味があったのか約200坪の農地を借り軽トラックまで買って家庭菜園をしている。最初の3~4年ならいざ知らず、6~7年経った今も頑張って栽培し、年を追うごとにますます充実していく家庭菜園ぶりに彼を知る誰もが驚いている。
車を停め、畑の一角に作ってある「日除けネットを張り椅子を置いた休憩所」に向かった。彼も手を休めた。
自分:「こんなに暑かったら熱中症になるで」
知人:「ここに手をあてて」と上着の首元を指さした。
自分:手を当てると風が吹きあがってきたので、「エッ これ、空調服?」
知人:「そうや」
腰のあたりをみると、ファンが回っていた。
知人:「フードをかぶると頭にも風が来るので、汗も出えへんし。これ、なかったら今の時間に畑は無理や」
自分:「農家でも高いので買ってない人もいるのに・・・」
知人:「今、安くなってきてるで。2万円ぐらいやったかなあ」
自分:「フーン」
農家生まれの自分には、「家庭園芸規模」の自分が「使うべきではない」という「変なこだわり」がある。農家生まれの遺伝子からか「もったいない」と反応してしまう。
彼は違う。「昨日、ゴルフに行ってきたんや」と言っていたから、家庭菜園も趣味の1つでしかない。趣味だと「お金がかかって当たり前」という感覚なので、「必要」と思えばためらうことなく購入する。そんな気がした。
先祖の土地を維持するために栽培している我が「家庭園芸」、かたや、わざわざ借りて趣味でやっている知人の「家庭菜園」、意識の違いを痛感した・・・
そんな熱心すぎる家庭菜園なのに、「今年は大雨でスイカが全滅した」「どうやった?」と。かろうじて「スイカ」だけが、元農家の面目を保ったような気がした・・・