故郷へ恩返し

故郷を離れて早40年。私は、故郷に何かの恩返しをしたい。

距離感

2016-03-14 04:33:52 | よもやま話


昭和記念公園の中にある日本庭園の中の、また一角で盆栽展が開かれていました。
若い女性が、「なに、これ」と見ておられました。


今日のタイトルは、「距離感」です。

居酒屋で、小さなテーブルを挟んで数人で飲んでいます。
隣りの声は気にかからない、飲み仲間の声は聞こえる絶妙な距離が、約1m。

恋人同士だと30cm。
親しくなる途中のカップルで50cmくらいでしょうか。
この微妙な距離が、親密度を表しています。

あなたは、パートナーとどのくらいの距離感ですか。
1.5m。
うーん。破局も遠くないですね。
子供を挟んでそのくらいなら良しとしましょう。

盆栽を見る時の距離感は、絵を見る距離と似ています。
全体を見て、そのバランスの妙に感動します。
こんなに小さいのに300年の樹齢なんだって。

突っ込まず、かといって下がらず、絶妙な間合いで鑑賞されています。
目線は、見たい部分の高さです。
この姿が美しい。必然性を感じます。

剣道にも間合いがあります。
打ち込んで届く距離。
防御して対処できる距離。
その極限まで間合いを詰めていきます。
何かがパンと弾ける瞬間がやってきます。
自然に背筋は伸びます。
突進も、引くこともできる間合いです。
これも凛としてすがすがしい。

距離感は、人間関係の間合いです。
ユーミンではないですが、私は喫茶店や路上で人を観察するのが好きです。
ユーミンは変装して、喫茶店で密かに若い女性のトークを聞いて、詩のモチーフにしていたらしい。
この人は、何を考え誰を待っているのかな。どちらに行こうとしているのかな。
ふとした動作や表情に「人」が透けて見えるような気がすることがあります。
カップルを見て、どこまでの関係かなとか。
この観察は、電車の中でも同じです。
会社の中でも。立場や親しさによって距離感が違います。
社長に挨拶するときは、どうしても2mはとります。
それ以上は踏み込めない。
初めての人は2.5mくらいですから、社長は少しだけ親近感があります。

外国の方と対面するとき、初めは握手です。
二回目からはハグになります。女性とは、もう少し知り合いになってから。

ところが、アルコールが入ってしまうと、誰とでも肩を組んで歌います。
これは何でしょう。あの神経戦のようなバリアーが吹っ飛んでいます。

将棋の棋士は、序盤は遠めから、白熱してくると前のめりとなり局面を凝視します。
必然的な距離感が紡ぐ人間関係が好きです。
それを観察し予想するのが好みです。

うっかりと 踏み込むなかれ 好きならば

2016年3月14日

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする