「洋光台駅前夕暮れ」です。
一日が終わる。
夜が始まる。
家路を急ぐ。
OnとOffのはざまです。
昨日は、忙しい一日でした。
最後の片づけ迄、きちんとできました。
したがって、良く眠れました。
今日のタイトルは、「美しい文章」です。
作家でもないのに、このタイトルは荷が重い。
開口健の文章に出会ったのは、20代前半でした。
無駄のない文章で、凝縮された文章に情景と息使いを感じました。
30代になり、藤沢周平の小説を読むようになりました。
練りに練った細やかな情景描写に心が癒されました。
40代で、吉村昭の調べつくした恐ろしいまでの端的な言葉遣いに出会いました。
最初の発声で心をわしづかみするミュージッシャンのような文章は、川端康成です。
トンネルを抜けたらそこは雪国。
プレゼンテーションも業務報告書も結論から書き、順次説明する。
時短と要点だけの味も素っ気もない乾燥文です。
では、自らの文章を評価します。
私が書きたいのは、必然性とユーモアです。
人々の暮らしの中でのこだわりのような物語に潜む、にこりです。
田んぼで夢中になって魚を追いかけると、必然的に転び、顔は黒く、衣服はびしょぬれです。
よこしまな気持ちで近づく男を手玉にとる女のしっぺ返しです。
あとでね。甘言が現実のものになったためしがない。
売るのは男気です。初めての小指落しで、勢いあまって小指を飛ばしすぎた。
これ幸いと、鶏が小指を咥える。親分に差し出す大事な小指を慌てて追いかける。
美しい文章は、正直な情景描写と真実を伝えようとする努力が作り出します。
結果、阿久 悠の五感で感じる詩になるのです。
何を美しいと感じたか。
何が真実だと思ったか。
自分の中に蓄積された言葉群のなかから、一言を探し出す。
わたしや 立つ鳥 波に聞け。
そっけない歌詞に温かさを感じる。目指すは、血が通う文章です。
憧れもけじめも人それぞれです。
それが美しい文章の始まりです。
だから、毎日「線探し、色探し」の絵手紙は飽きない。
しくじった 飽きない仕事 商いに
2020年2月23日