絵のタイトルは、「石垣」です。
河原から運んだ丸い石で積まれています。
メンテナンス(草取り、石の補充など)があってこそ、維持されます。
今日のタイトルは、「挑戦(Part3)」です。
草取りが 全体最適 実現す
草取りも工夫次第で楽しい作業となります。
60歳にして、プロジェクトマネージャーをやり現場監督(施主の立場)をしました。
現場にいる施主は、メーカーに任せて「良きに計らえ」的な付き合いが主流です。
プロジェクトは、基本計画、基本設計、詳細設計、発注、工事、試運転の工程を進めることです。
そのすべてを担うのがプロジェクトマネージャーです。
通常の現場では、会議は朝(今日の作業の確認)、昼(進捗状況の把握)、3時(明日以降の計画)です。
酷い現場では、それに10時(現場の把握)が加わります。
食品工場に来るメーカーは少人数で監督も作業員の一人です。
会議で、その監督の自由(休憩、悩みの解決、チームへの迅速指示)機会を奪うことになります。
私は、現場に張り付きました。
会議後、空調の効いた部屋に帰ることをしませんでした。
現場近くで、一人黙々と草取りをしました。
会議は、朝礼だけとしました。
不足分を現場に張り付くことで解消しようとしました。
各チームの監督から相談されることは、一日に4-5回でした。
草取りを中断し、5分で相談に乗り指示を終了しました。
夏、現場にいると暑くてたまりません。
作業員は、代表者や各自が休憩時間に飲み物を調達します。
私は、ポカリスエットを冷蔵庫と冷凍庫に保管し、作業員が自由(無償)に飲めるようにしました。
作業員は、休憩時間を有効に活用できる。
また、自動販売機から現場経費(20-30円/本)を徴収することをやめました。
原価で飲んでいただく。作業員の懐を考えてのことでした。
食品工場に来る現場作業員は、関東6都県から来ていました。
通勤時間は、1-3時間でした。
残業を認めない。休日出勤は認めない。
これを厳しく実現しました。最初は、現場からは不評でした。
残業は、朝だけと許可しました。皆さん、遠方から来られていました。
ラッシュを避けて、朝礼の一時間前に到着されていました。
よって、朝礼前の一時間残業が可能でした。
疲れが溜まらない為、いつも笑顔で作業をされていました。
私は、草取りの間に現場を見て回りました。
作業員の数と進捗状況が判断できました。遅れている部署、悩んでいる点の相談に乗りました。
翌日の朝礼で、持ち場(配置、作業がラップしない)のやりくりを指示しました。
上の作業は、自由にやらせてあげる。下の作業は安全に進めることが狙いでした。
各チームの監督は、「どうして施主のプロジェクトマネージャーが草取りを?」と疑問だらけでした。
朝礼では、鬼の指示をしました。お茶を飲んでいる時は馬鹿話をしました。
俺たちと同じだと言う空気を現場に作りました。
草取りをしていると、近所のおばあちゃんが話しかけてきました。
「あんたも大変だね。あそこの工場でシルバーを募集しているが、日中の炎天下の作業はやらせないよ」
と勧めてくれました。近所のクレームは皆無でした。
むしろ、草取りをすることで感謝されました。
草取りなんて、どこのチームにも発注していない作業でした。
プロジェクトチームのメンバーには空調の効いた部屋に帰り、別の仕事をしてもらいました。
休日に、私は現場を回りました。監督は必要ありません。
請負で仕事を依頼している会社には、現場日数を減らす工夫で、追加工事を見合いにしてもらいました。
人工数で仕事をしている会社には、一日の工程の負荷を軽減する工夫をし、
余った時間で、追加作業をしてもらいました。
どの会社にも厳しく値引きを迫りました。
一方、現場では仏のような手伝いをしました。
そうしてバランスをとり、また「あんたと一緒に仕事をしたい」と感じていただきました。
現場で草取りをしたひと夏の「挑戦」でした。
2021年5月8日
<<あとがき>>
一日のブログの字画数は、20行を目指しています。
饒舌になるのが、私の悪い癖です。
今でも、カフェが暇なときに草取りをしています。
前に行く途中で草を抜き、帰る途中で草を抜く。近所の人と話をしながら草を抜く。
畑に生える篠竹の根の深さは、20-30cmです。
カンリキ(耕運機)の正回転で根を探り、逆回転で掘り起こします。
地域の方に、「塹壕を掘れ」と教えていただきました。
森から伸びてくる竹の根を止めました。
それでも残る根をいじめています。
篠竹畑は、5年できれいで芳醇な元の畑に戻りました。
花を植えようか、赤かぼちゃ(緑かぼちゃから隔離)にしようか迷っています。
へへへのへえ。
(筆者)