
絵のタイトルは、「ご老人」です。
胃をとって苦労しているといつも仰っています。
私の家に来て、お友達を呼び、私が大事にとっていた大吟醸酒2升を空けられました。
そして、「また来るぞ」と恐怖の言葉を残して東京へ帰られました。
商人(あきんど)は 手揉み難題 押し殺す
間違いから、何人も逃れることが出来ない。
大なり小なりの嘘、悪さ、卑怯も経験します。
失敗の連続です。
後悔として、滓のように溜まり、胃液のごとく突き上げる。
今日のタイトルは、「人間は進化し続けられるか」です。
失敗があったから、それから学び成功した。
そんな話を聞きます。
鵜呑みにはできない。
失敗した時と今では状況が違います。
逆に成功したとしても、やはり時代が違います。
第一、同じ経験などあり得ない。
結果は紙一重です。
失敗は失敗として、切り捨てた方が良いと考えます。
成功とて、明日もできるかなと忘れた方が良い。
「人間は進化し続けられるか」と、ロシア侵攻の報道に接するたびに思います。
自分のこととなると、年齢を重ねるごとに退化から目を背けられない。
「進化」とは、
進歩し発展すること。
(生)生物が世代を経るにつれて次第に変化し、元の種との差異を増大して
多様な種を生じてゆくこと。
その過程では体制は概して複雑化し、適応が高度化し、また種類が増す。
(社)生物における進化の観念を社会に適用した発展の観念。
社会は同質のものから異質のものへ、未分化のものから分化したものへ一方的に進むとする。
(広辞苑より)
今の戦術は、分析に基づく作戦立案もターゲットの識別もコンピュータで行われる情報戦です。
その情報戦(コンピュータ)に割り込む世界中からの声(アクセス)に、ロシアは苦しんでいます。
情報を牛耳ることこそ勝利に近づくことになる。
しかし、痛いか痛くないかについては、太古の昔から変わらない。
時が薬とは言うものの、当事者にとっては堪らない。
無垢な赤んぼに較べ、失敗の権化のような年配者です。
葬式で、最後の貢献(親類縁者を集める機会を作る)となるまで、進化の道はないのかと考える。
プロゴルファーの中島も倉本も一打を反省しない。
そんな暇(後悔)があれば、次のベストプレーを目指す。
反省は、あとからすればよい。
失敗を繰り返し、退化に足掻く我々(年配者)は、痛みだけは人一倍わかる。
すれすれの人生を生き抜いた根性と知恵はある。
医者が試す新薬の実験台にもなる。
あの人は最近見ないねと病院の待合室の話。
誰かが、病気じゃないかと心配する。
年上の医者のいうことを聞き、年上の作家が書いたものしか読まない。
そんなおじさんも、なんとか若い者とコミュニケーションを計る。
腹がいっぱいになれば悪さはしないと、不良にお握りを与えるおばさんがいる。
身体が退化する私達だからこそできることがある。
気骨の背中を見せることができる。
2022年4月2日