絵のタイトルは、「あったかくて」です。
文化の日、野外で仲間と一緒にチュニジアダンスを披露しました。
そのあとのコーヒーがあったかくて、この表情です。
今日のタイトルは、「あったかくて」です。
体温が感じられる記事を書きたいと挑戦します。
母の胸に顔をうずめ、幼子が無心で喉を潤している。
満足し、母のパジャマのひらひらで、自分の顔をすりすりしながら眠りについた。
幼子は、母の胸にむしゃぶりつくことはなくなった。ひらひらがあれば、どこでもいつでも眠られる。
高校一年生の夏、室積海岸で遠泳をした。
太鼓の音を聞きながら、仲間とゆっくりと泳いだ。
二時間後、唇が青いまま砂浜をあがった。
女の先生と同級生の女子が、甘酒をふるまってくれた。
2週間山歩きをした。
高尾山を出てから、やっと天龍迄辿り着いた。
自分の実力からは、ここが限界と京都までの挑戦をやめた。
「先にお風呂に入ってくれる」古刹の寺の奥様の一言。
私にも同じことをするの。
過去別れた女性と、もう会わないための自分の覚悟の行動を話した。
女の眼から涙がこぼれた。胸が締め付けられた。
居酒屋で飲む金がない。
一本の缶ビールを友と交互に飲んだ。
一口飲んでは、全力で走った。酔いは回らない。
また飲んで、走った。交互に相手の顔を殴った。
唇から血がほとばしった。
15mの梁を猿のように昇った。
現場は昼休みで、同僚の者たちが下で見守る。
450mmのH鋼に両足をかけ、両手で吊元に使ったワイヤーを外しにかかった。
務所上りが、残したワイヤーである。吹き出る汗が後悔を物語っていた。
1mのワイヤーが乾いた音を立て、コンクリートの床ではねた。
水平に10m、垂直に15m四肢の筋肉だけを信じて、無事に床を踏んだ。
こんな風景じゃない。
篠竹の林に入り込んで一カ月が経った。伐った篠竹は1600本。妻は、気が振れたと心配した。
山際から耕作放棄地を抜け、駐車場らしき場所を抜けやっと村道まで切り開いた頃、
近所のおばさんが、「私も気になっとった。ありがとう」と言われた。
カフェの周りと隣接する空き家を覆う木を伐ろうと、闘志が湧いた。
女の柔肌を思い出そうにも、記憶が蘇ってこない。
申し訳ないと、寒々とした想いしかない。
「あったかくて」は、瞬時の想いです。
あとから思い出せる、温度の記憶は乏しいことが分かった。
私の名前を忘れた母の手は、がさがさで温かった。
私の中にも、母からもらった温かい血が流れている。
温度の記憶は、哀しい。
もう、感じることができないからだろうか。
できるうち ありがとう書く 妻の手に
2020年10月7日
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