地球にあしあと

地球の色々なところに足跡をつけてきました。

スピリチュアルな旅 ~縄文杉に会う2~

2008年07月26日 | Weblog
えーっと、でもやっぱりこれまでの道のりで素晴らしい木々を見てきてるので、縄文杉だからと言って格別の感動は…。
ちなみに縄文杉の樹齢は2700年とも7000年とも言われていてはっきりしません。
中が空洞になってるから特定できないようです。
地元の人によると、屋久島には縄文杉よりも大きな杉があるそうですよ。

そしてネットで読んだのですが、縄文杉は別に縄文時代から生えているからとかではなく、発見した人が「縄文土器に似てる」ということでつけたとか。
本当かな?
別に似てないと思いますけど…。

ちなみにウィルソン株はウィルソンさんという人が発見したんですよね、確か。


そして…

時計を見るとまだ10時半。
トータル4時間で上まで来ちゃいました。

しんどかったけど、意外とあっけなく到着してしまったようです。


しょうがないのでまだお腹がすいてないけど昼食を。
他のみなさんは一様に登山弁当を持ってこられていて、ガイドさん付きの人たちは食後のコーヒーまで入れてもらっていました。

私はパン…。
トマトが練りこんである生地です。




中にはチーズが入ってます。
なかなかおいしかったですが、やっぱりおにぎりが入った登山弁当の方が良かったかな。





あまりにあっけなかったので、もう1回縄文杉の写真を撮り、下りまーす。




が、帰りのバスは早くても16時半。
こんなに早く上まで到達してしまい、このままのペースで降りると早すぎます!
どうしよう…。

しかし縄文杉周辺でウロウロしていても暑いだけだし。
しょうがない、ゆっくり下るか。




あとから登って来る人と「こんにちは~」と挨拶を交わしつつ下りていると、とあるガイドのおじさんに「いい笑顔ですね~。縄文杉から何かもらったね。」と言われました。
あれれ?
私別にそんなめっちゃ満面の笑顔じゃなかったと思うんですけど。

でもそこで、「あ、これが今日の教えか」と思いました。
今回の旅では自分なりに様々なテーマ設定をしています。
天からのメッセージをきちんと受け止めるというのもそのひとつ。
ガイドさんから指摘されたように、きっと縄文杉から何かもらったのでしょう。
これからも笑顔と挨拶を大事にしたいものです。


私が山を下っていると続々と下からツアーの人たちが登ってきます。
その中にルームメイトのAさんの姿も発見!
ツアーではずいぶんとゆっくりなペースで登るようですね。


登っている時は気付かなかったのですが、石の上に顔が。




後で聞いたところによると、みんながどんどん顔を変えていくそうです。
Aさんによると、登りではへの字口だったのに下りでは笑顔になっていたそうです。


下りは時間調整もあるので何度も休憩を取り、ゆっくりゆっくりと。
それにやっぱり登山は下りの方が足に負担がかかります。
他の登山者と抜きつ抜かれつしながら、ゆっくりゆっくり。






トロッコのポイント切り替え。




苔がかわいいのでアップで。




キノコも。




それにしても、帰りはあの8kmのトロッコ道が異常に長く感じられます。
何度も休憩を取り、何度も行動食と水を補給し、かなり体力を消耗しつつようやくゴール!

…って、まだ15時です。

バスまで1時間半待ちぼうけ。
相変わらずカンカン照りでとにかく暑いっ!
登山口にはトイレ以外何もないので、ひたすら日陰に座って待つのみです。
これが結構つらかったです。


あとから下山した人たちのほとんどはツアーだったり、レンタカー組だったりして、どんどん先に帰って行ってしまいます。
バス組の数名だけが、うらめしそうにその人たちを眺めながらひたすら16時半になるのを待っています。

一人、金髪で見るからにフィンランド人な男の子がいました。
後でわかったことですが、同じユースに泊まっており、思ったとおりフィンランド人でした。
私のフィンランド人を見分ける目はまだ衰えていないようです。(笑)


16時半になり、ようやくバスが来ました~!
ほんとに長かった待ち時間。
ユースに帰ったら下山報告をして、それからとにかくシャワー!



そして夕方。
まだルームメイトのAさんは戻ってこないようです。
明日の朝食とか夕食も買っておかないといけないし、今夜の夕飯はどうしようかなと思いつつ、とりあえず外出してみました。

相変わらずほとんど人が歩いていないです、宮之浦町。

お腹がすくまでお気に入りの宮之浦川で夕涼みをしようと思い行ってみると、旧宮之浦大橋の上で「炭坑節」を大声で歌うお婆さんが…。
そばではお爺さんが釣り糸を垂れています。

やばい、やばすぎる、このキャラと設定。
絶対このお婆さん声をかけてくる。

と思っていたら案の定、お婆さんに声をかけられました。

「最近引っ越して来たの?」
「いえ、旅行者です」
「どこから?」
「大阪です」
「ああ、大阪には知り合いがおって、この前も行ってきたんだけど…」

と、ここからお婆さんのマシンガントークが始まってしまいました。

ここも昔は漁業で栄えていたのに今はさっぱりだの、息子が億単位の借金を25年で完済しただの、レンタカー屋を始めた自分たちは先見の明があっただの、電電公社ができた時は九州から何百人も来てたけど今はなくなってしまっただの、お婆さんのおしゃべりはとどまるところを知りません。

橋の上には他にもウォーキングしてる2人のお婆さんがいたのですが、後ろから「ほら、あの右側の奥さんも昔は電電公社勤めだったんだけどね…」などと、この島では全くプライバシーはありません。

また、「みんな屋久島がええからここに来て住みたいっちゅうけど、来たらだめよ!」と強く言われました。
な、なぜ?
「仕事がないから!ここは物価が高いし仕事がないから絶対来ちゃだめ
…。はい、分かりました。

一体どこでこの世間話に区切りをつけようかと思っていると、お婆さんが「この近くに知り合いのお土産屋さんがあるから、ちょっとおいで」と。
こ、これはまさか途上国で良くある強引な商法?!

「何にも買わんでもええから、見て行ったらええわ。何かただでくれるから」と、ますます怪しい口調です。

迷いながらもついて行くと、なかなか表通りからはわからない場所に「はとや観光」さんというお店兼工房がありました。

もう夕方なので営業は終わってる感じなのに、お婆さんは構わず入っていきます。
ここでは屋久杉の木彫りのお土産をたくさん作っていて、観光センターなどにも卸しているそうです。
ここは卸なのでここで買うと消費税は払わなくてもいいとか。

それはありがたいんですけど、いま一つ屋久杉グッズで買いたい物ってないんですよねー。
幸いにもお店のおばさんもとても良い人で、商品を勧められることもなく、色々と世間話をしました。
そして定価300円の屋久杉ストラップをお土産にくれました。

あ、ほんとにここの人たちは良い人たちなんだ。
一瞬たりとも疑った自分が恥ずかしい。

お婆さんはしきりに「ここは場所が分かりにくいから、教えてあげないと」と言ってました。

さて、はとや観光さんを後にし、相変わらずお婆さんのマシンガントークを聞きながら旧宮之浦大橋を渡って戻りました。

「わたしゃ今78歳で、100まで生きたいと思うとるけど、年寄りやから体調のええ日も悪い日もあるわな~」などとおっしゃるので、「がんばって100まで生きて下さいよ」と励まそうかと思っていると、「まわりの友達ももうほとんど死んだねえ~」と続けられてしまったので二の句が継げず…。
仕方なく「みなさん、昔苦労されたからでしょうねえ」と返すとまたまた色んな話をぶり返されてしまいました。

「人としゃべらんとボケるから」とおっしゃってたので、ボケ防止に一役買わせて頂いたようです。
お婆さんちは昔は食事も出す民宿をしていたのですが、今は食事を作るのがしんどいので素泊まり3,000円にしてるそうです。
でも宣伝をしていないので、以前泊まった人のリピーターぐらいしか来ないそうです。

「今度来たらおばちゃんとこに泊まりなさいね」

は~い。(夜中まで話に付き合わされそうですが…。


「また遊びにおいで」と言ってくださったので、翌日以降も遊びに行こうかと考えつつ、結局毎日活動していたので時間がありませんでした。
でもバスでお婆ちゃんちの前を通った時に洗濯をする姿がチラリと見え、「ああ、今日もお元気なんだな」とホッとしました。


さてさて、お婆ちゃんとの世間話を終えたらもう20時を回っており、どっぷり日も暮れてしまっていました。
でも縄文杉登山で疲れすぎたのかあまりお腹もすきません。
とりあえずスーパーでパンやヨーグルト、バナナなどを調達。

ユースの談話室では例のフィンランド人のP君が「明日は関西に行く」と言ってました。
はじめは「高野山と京都に行きたい」と言ってたのですが、「もう森はたくさん」とも言ってたので、「高野山って思いっきり山だよ…。違うところと言えばお寺があるくらい」と教えてあげたら悩んでいました。
宿坊とかに泊まりたかったようです。

その他、京都で是非行くといいお寺とか、たくさんありすぎて難しいのですが、Aさんと一緒にあれこれアドバイス。
私は宇治をお勧め。

P君は、普通外国人は知らないだろうというような群馬県の温泉に行ったり、わざわざ「梅雨の時期に行く場所」というテーマで検索していて屋久島にたどりついたり、ちょっと変わった人でした。
さすがにヨーロッパの人は冒険しますね。

森がすばらしいフィンランドから来たP君ですが、それでも屋久島にはスピリチュアルなものを感じたと言っていました。
うんうん、そうだと思う。
フィンランドの森にも妖精とかムーミンとかいっぱいいそうだけど、屋久島の森にも宮崎駿監督の映画にたくさん出てくるような妖精たちが住んでいることは間違いありません。


翌日はいよいよ「もののけ姫の森」がある白谷雲水峡へ。
同室のAさんと一緒に出かけることになりました。

森の妖精探します!

スピリチュアルな旅 ~縄文杉に会う~

2008年07月26日 | Weblog
4時起き。

世界遺産の縄文杉登山は、往復で9時間から10時間かかると言われています。
登り5時間、下り4時間ってところでしょうか。

ガイドブックやウェブサイトにも「遅くとも午前7時には登山を開始し、正午には下り始めなければならない」などと書いてあります。
登山口まで結構遠いので、みなさんこの日は早起きとなります。


同室のAさんもこの日はツアーに入って縄文杉を目指すとのこと。
4:45に迎えの車が来るそうです。
私は4:46に宮之浦港入口バス停を出発するバスに乗って、荒川登山口へ向かうので、は一足先にユースを出てまだ真っ暗な中バス停へ。
フロントに登山届を置いてくるのも忘れてはいけません。
遭難したらちゃんと探してもらわなきゃ~。

バスで約1時間半かかって荒川登山口に到着。
すでにレンタカーやツアーの車で到着している人がたくさんいます。

そして女子トイレの前にはすでに長蛇の列。
ハイシーズンには女子トイレは30分待ちぐらいになると聞いていましたが、本当にすごいです。
しかもみんな、トイレ待ちの列に並びながら朝ごはん食べてます。
案の定「男子トイレも使ってもいいかしら?」と交渉しているおばさんもいました。

その時トイレに行きたいわけでもなかったのですが、登山を始めるとトイレの場所が限られており、次のトイレ地点まで2時間以上かかります。
やはり出発前に行っておいた方がいいかな~と思って並びました。
う~ん、しっかり20分以上並んだでしょうか。
この時間がとってももったいない。

そうこうしてるうちにもどんどんバスが到着し、どんどん女子トイレの列は長くなります。

さて、ようやくトイレも済ませ、早速登山にとりかかろうと思ったのが6時半頃。
ツアーの人たちはガイドさんと一緒に準備体操をしています。
私も軽く屈伸したり、アキレス腱を伸ばしたり。




ところで私はひとりなので時間配分がいまいち分かりません。
帰りのバスは16時半と17時の2本のみ。
これを逃すと帰れなくなってしまいます。
タクシーを呼ぶと1万円ぐらいかかってしまうし…。
いざとなったら他のツアーの車にお金を払って乗せてもらうしかないのでしょうか。

とあるツアーグループのガイドさんが、「私たちは17時半に下山予定です」と説明しているのが聞こえました。
と言うことは、少なくとも私はこのグループより早めのペースで登らないといけないのですね。

縄文杉登山は体力的にきついとは聞いていますが、自分がどれぐらいのペースで登れるのか、果たして登りきれるのかもよく分かりません。

とりあえずちょっと急ぎ気味にスタート!


最初はトロッコ道が8kmほど続きます。




今でもトロッコは現役で走っているそうですので、トロッコが来たら登山者は慌てて横に避けないとないそうです。
でもこの日はトロッコの運転はありませんでした。


橋があったり、トンネルがあったり、自然の匂いと風景を楽しみながらテクテク歩いて行きまーす。












すぐ頭の横でガサガサッと音がしたので「何事?!」と見てみると、ヤクシカでした。



かわいい~
こんな近くで見られるのですね。


目指すは縄文杉&ウィルソン株方面。




小杉谷橋を渡ると小杉谷という大きな集落跡です。




昔はこのあたりの国有林経営が盛んだった頃は多くの人が住んでいたようです。
子供達もトロッコを使って通学していたのですね。




縄文杉に行く途中もたくさんの素晴らしい木に出会います。




1代目の倒木の上に2代目、3代目とどんどん木が育っていくのですね。
生命の力強さを感じます。




仁王杉(阿形)。




吽形は奥の方に倒れているのでよく見えません…。




トロッコの折り返し地点でしょうか。




もう少し進むとトロッコ道が終わります。
ここまでの所要時間は2時間。


そしてここからいよいよ本格的な登山が。




トロッコ道とは打って変わって、まさに登山道となり、結構きついんです。
表示では「この先は4時間程度かかります。遅くとも正午にはここを出発して下さい」などと人を不安に陥れる看板がありました。

今までも結構しんどかったのに、ここからまだ倍の時間がかかる道のりなのか~。
聞くところによると距離は半分ぐらいなのに時間は倍かかるそうです。
湧水を飲んで気合いを入れなおします。









こちら、かの有名なウィルソン株。(あ、なんか思ったほどの感動がない。)




中から見上げるとハート型に見えるはずなのですが、光の加減でこの時間帯はよく見えないようです。




こうかな?う~ん、やっぱ違う。




株の中には祠が。




がっかりだったのは、ウィルソン株前が休憩地点になっているのですが、大勢の人がそこでプカプカ煙草を吸っていること!
屋久島さん、なぜ森の中は禁煙にしないのですか?


ウィルソン株を過ぎると縄文杉まであともう少し。
ちなみに宮之浦岳は日本百名山のひとつで、九州最高峰。
2,000m近くあります。




さらに様々な木を拝みつつ進みまーす。








有名な夫婦杉。
つながってます。




縄文杉までのルートには水場がたくさんあります。




あちこちで沢の水が汲めるので、ここでは500mlのペットボトル程度の大きさの水筒で十分です。
自然の水は冷たくっておいしい


屋久島は雨が多くて有名な場所ですが、ちょうど梅雨明け後でもありお天気は快晴。
もう、暑くて暑くて…。
登山しながら恐ろしいほど水を飲んでいます。
今日1日でものすごいデトックス効果があると思います。

もちろん飴やチョコレートなどの行動食も時折つまみながらでないとエネルギー切れしてしまいます。


関係ないですが、軍手がリュックの奥深くに埋もれてしまい発見できなかったので、日焼け防止用の手袋とチベットで買った天珠をお守りにつけて登山してみました。(思いっきり登山なので、キラキラのマニキュアなんか塗ってる場合じゃないのですが…。)





屋久島の森は本当に素晴らしく、名前がつけられている有名な木だけでなく、それ以外の木、水、土、空気、動物、虫もみんな愛おしい存在です。


と言いつつ、いよいよ縄文杉へ至る階段が見えた時には思わず胸の高鳴りを抑えることができませんでした。




あ、あれか。




これですな、縄文杉。大きいです。






ついにやりました!
苦しい道のりを越え、無事に到着です!

よくがんばった、わたし。



※ブログのボリュームが大きすぎるとアップできないようなので、次回へ続きます。