地球にあしあと

地球の色々なところに足跡をつけてきました。

贈り物

2005年11月10日 | Weblog
ベトナム語のLieu先生によると、11月20日(だったと思います・・・)は「先生の日」だそうです。

「先生の日」には生徒が先生にお花やプレゼントを贈ります。ベトナム人は花が好きで、様々な場面で花を贈ります。それはとてもいい習慣だと思うのですが、Lieu先生から聞いた話にはすさまじいものがありました。。。

まず、自分に子供がいる場合、子供が通う学校の先生に贈り物をします。小学校なら担任1人なのですが、中学校ともなれば各教科に1人先生がいるわけで、その1人1人に贈り物をします。(ああ、大変)

さらに塾に通っていたり、家庭教師をつけている場合はもちろんその先生方にも贈り物をします。(ああ、もっと大変)

さらにさらに、贈り物は先生の家まで持って行きます。(遠いと大変ね)

さて、贈り物の内容ですが、昔みんながまだ貧しかった頃は、1クラスの生徒全員でお花と果物を買って、みんなで先生の家に持って行き、先生はそのもらった果物をみんなに切り分けてくれてみんなでおいしく頂いたという、ほのぼのしたお話があります。

しかし近年、国の発展とともに国民がだんだん裕福になると、贈り物は生徒1人1人が準備し、その中身も年々エスカレートしているそうです。
昔は果物だったのに最近は洋服とか小物とか、なななんと洗濯機を贈った親もいるそうです!
贈り物(=貢物=賄賂)をしなければ、自分の子供が学校で差別されるというから親も必死です。(ここいら辺ですでに私が将来ベトナムで暮らす可能性は限りなくゼロに近づきました)

もちろん自分の子供の先生だけでなく、自分自身が過去にお世話になった先生にも。
Lieu先生の7年前の教え子が未だに「先生の日」にはお花を贈ってくれるそうです。
そのLieu先生自身も現在、大学で歴史の修士号を取ろうとしているので、贈り物をするべき先生が存在します。自分の研究とさほど関わりがない先生に対しても、贈り物は必須。でないと次に会った時にあからさまに無視されるそうです。

「先生の日」のみならず、ベトナムでは目上の人に対して贈り物をすることは必須です。
お医者さんへの賄賂は当たり前。会社の社長にもせっせと贈り物を届けます。中秋の名月の時期なんかにホテルで買った高級月餅とか。それが目下の者の義務なので、贈られた側はお礼も言いません。
どんなに貧しくてもそれなりに、たとえ親戚や友人から借金をしてまでも、目上の人への賄賂(もうすっかり「賄賂」扱い)は欠かせません。

ベトナム社会は本当に大変です。

そこまで事細かに聞かされて、今度の「先生の日」に私がLieu先生に贈り物をしないわけには・・・。

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