『そういえばそうだな。ここのところ、スダヌスが姿を見せていないな。あ奴元気にしてるかな?』『そうだ、俺は元気だ』あのだみ声がしたような気がした。彼は振り返った。そこには木の枝が風に揺れていた。
『おいっ、パリヌルス、どうかしたか』
彼は『いや』と答えて、オキテスのほうを向いた。
『俺か。ふと考え事をしていた』
『なに、考えごと?何をだ』
『あの方角時板に使っている南北を指す鉄棒の事だ』
『な~んだ、あの鉄棒の事か。そういえば、あの鉄棒の由来について聞いたことがないな』
『この際だ、今度、軍団長に聞いてみる。オキテス、これから浜に行って、トピタスとメンバーの事について打ち合わせてくる』
『判った。あれこれ考えているより、生むは易い』
『そうだな』
二人は、それぞれの持ち場に向かった。オキテスはオロンテスところへ、パリヌルスは、浜で待つトピタスのところへと足を向けた。
『おう、トピタス、どんな具合だ。決めたのか』
『え~え、決めました。メンバーはこの通りです』
トピタスは、名前を連ねて書き記した木板を手渡した。
『おう、これか、いいだろう。このうちの3人を明後日、風風感知器班の樹木調査隊に同道させる。オキテスとは話がついている。明日、時を見て、オキテス隊長か、マクロス班長に引き合わせて、段取りを打ち合わせてくれ。以上だ』
『判りました』
『それから、今日、夕飯を済ませたら、その10人を連れて、軍団長の宿舎の前に集まってくれ。俺は先に行っている』
『判りました』
『何か聞いておきたいことがあるかな』
『いえ、いまは別にありません』
『樹木調査が終わり次第仕事にかかる。その時になって、詳細を説明する。それでいいな』
『え~え、それで結構です。隊長、私は、沈着冷静、用意を周到にして作業にあたります。宜しくお願いします』
『判った、よろしくな』
パリヌルスは、トピタスの仕事に対する姿勢の一面をそこに見た。『一歩前へ』を確信させるひと言であった。『これなら仕事を託せる』と安心した。
彼は、波うちに際にたたずんだ。目線を小島のほうへと移した。ハシケがこっちに向かってくる。ハシケの上には漕ぎ手二人とギアスとサクテスの4人の姿を認めた。
ハシケが指呼の距離に近づく、船上のギアスとパリヌルスの目があった。どちらともなく手を高くかざして振った。
『おいっ、パリヌルス、どうかしたか』
彼は『いや』と答えて、オキテスのほうを向いた。
『俺か。ふと考え事をしていた』
『なに、考えごと?何をだ』
『あの方角時板に使っている南北を指す鉄棒の事だ』
『な~んだ、あの鉄棒の事か。そういえば、あの鉄棒の由来について聞いたことがないな』
『この際だ、今度、軍団長に聞いてみる。オキテス、これから浜に行って、トピタスとメンバーの事について打ち合わせてくる』
『判った。あれこれ考えているより、生むは易い』
『そうだな』
二人は、それぞれの持ち場に向かった。オキテスはオロンテスところへ、パリヌルスは、浜で待つトピタスのところへと足を向けた。
『おう、トピタス、どんな具合だ。決めたのか』
『え~え、決めました。メンバーはこの通りです』
トピタスは、名前を連ねて書き記した木板を手渡した。
『おう、これか、いいだろう。このうちの3人を明後日、風風感知器班の樹木調査隊に同道させる。オキテスとは話がついている。明日、時を見て、オキテス隊長か、マクロス班長に引き合わせて、段取りを打ち合わせてくれ。以上だ』
『判りました』
『それから、今日、夕飯を済ませたら、その10人を連れて、軍団長の宿舎の前に集まってくれ。俺は先に行っている』
『判りました』
『何か聞いておきたいことがあるかな』
『いえ、いまは別にありません』
『樹木調査が終わり次第仕事にかかる。その時になって、詳細を説明する。それでいいな』
『え~え、それで結構です。隊長、私は、沈着冷静、用意を周到にして作業にあたります。宜しくお願いします』
『判った、よろしくな』
パリヌルスは、トピタスの仕事に対する姿勢の一面をそこに見た。『一歩前へ』を確信させるひと言であった。『これなら仕事を託せる』と安心した。
彼は、波うちに際にたたずんだ。目線を小島のほうへと移した。ハシケがこっちに向かってくる。ハシケの上には漕ぎ手二人とギアスとサクテスの4人の姿を認めた。
ハシケが指呼の距離に近づく、船上のギアスとパリヌルスの目があった。どちらともなく手を高くかざして振った。
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