[一択！建国の大地へ] ご案内申し上げます。 オオッ！おもしろい、読みはじめたら止められない！

　　トロイ城市を脱出して一夜が過ぎる、アエネアスの船団はエーゲ海の波を割って北上している。
　　６月７日の朝陽の第一射が船団に届く。
　　船団を統べているパリヌルスは、敵船との遭遇地点、交戦ポイントに神経を集中させている。
　　敵船との洋上における交戦は、敵船の船体の長さ考慮して考えている。
　　１ｍ～２ｍの錯誤は許されてもそれ以上の錯誤は許されない。
　　衝角を敵船の船体に突き立てて敵船をほうむるには、衝角で突くタイミング、突き立てる角度、そして、突く船速、
　　この三位一体に狂いがあっては、敵船を破壊し、沈没させることができない。
　　作戦思考と戦闘技術、そして、運とのバランスで勝利が約束される。失敗は決して許されないのである。
　　パリヌルスは、自船と第２船、第３船との三隻による挟撃によって、一気に勝負を決する作戦を組み立てていた。

　　[一択！建国の大地へ]vol.4 第４章　敵船との遭遇　より
　　何卒、お読みいただければ幸いです。　著者　山田秀雄