『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

第1章  二つの引き金  12

2007-04-02 08:14:45 | トロイ城市は炎上消滅の運命であった。
 漁師を先頭にして、三人は、舟を陸あげしている浜に着いた。7~8分であった。水夫は8にんである。船の大きさといえば、全長8メートル足らず、幅は、2メートルくらいである。舟の中央よりやや後方に1本のマストがあり、横長の帆がはれる構造になっている帆船である。水夫たちは、舟を砂浜より海におろしている。三人も、力を合わせて舟を押した。舟は海に浮かんだ。先ず、漁師の船長が舟に乗りあがり、船内を見回し、点検を終えると、皆に乗り込むよう指示した。オデッセウスとメネラオスの二人も急ぎ乗り込んだ。
 全員の乗船を確認した船長は、ひざまずいて瞑目する。航海の無事を祈った。彼は立ち上がり、大声を発し、急げといわんばかりに、出船の檄をとばすと、帆装の命令を下した。水夫たちもなれている、1本マストの横長の帆を帆装するのに時間はかからない、それが終わると水夫たちは、両舷あわせて10本のうちの8本のオールにとりついた。船長は、木板を木槌でうち、リズムをとった。舟は浪の上をすべりだした。

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