『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

第15章  エピローグ  2

2008-07-23 07:01:07 | トロイ城市は炎上消滅の運命であった。
 トロイのおびただしい量の金銀、財宝、宝飾品、象牙や琥珀、そして、トロイの将兵たちから剥ぎ取った鎧、兜、剣、槍等の武具等に至るまで、アガメムノンはじめ将たちとの話し合いによって山分けにされた。こうして戦後処理の一日目は暮れた。
 戦後処理の二日目である。アガメムノンの招集による会議が開かれた。ヘクトルの遺児のこと、帰国の出航について話し合われた。話し合われたことは、即刻行われた。
 先ず、帰国の航海の安全を祈る供犠の儀式が催行された。儀式の犠牲に供されたのは王女の一人であるポリクセーネであった。ポリクセーネは、つかつかと祭壇に取り付くや否や、儀式用の短剣を手にとって、我が胸を突き刺し自裁して果てた。母へカベは命なき娘にとりついて号泣した。囚われている一群の女たちもともに涙した。
 そんなとき、ひとりの兵がアンドロマケの前に立ちはだかった。


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