★星空日記コリメート風goo★

星や旅などの話題を「ひらい」が札幌から発信。2010年開設。2022年7月にteacupからgooへ引越しました。

天文車の新旧比較1

2015-06-05 07:00:00 | アストロカー
 札幌市青少年科学館には、望遠鏡を搭載した天文車があり、現在活躍中の天文車は2代目になります。

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 上の画像は1983年に導入された初代天文車オリオン号です。2003年に引退しました。
 この車両は札幌市のアイデアを基に五藤光学が開発した日本初の天文車両で、アストロカーという名称は同社が商標登録しています。(画像は当時の科学館パンフレットから借用)


 2代目天文車は2003年に導入されたオリオン2世号。
(2枚目の画像は2011年6月の大改修を終え、神奈川県の工場から戻ってきた際に撮影)

 初代と2代目の主な仕様を表にまとめてみました。

 2代目はセッティングが短時間で済み、天体導入が不慣れな係員であっても簡単に天体導入できるというコンセプトで発注されたと聞いています。

 上の表を見る限り、自動化を押し進めた2代目オリオン号のほうが誰でも簡単に短時間で天体導入ができると思うのではないでしょうか。

 しかし、実際の使用現場を見ると、2代目は自動化ゆえに生じた様々な要因で、初代よりもセッティング時間や天体導入までにかかる時間が長くなっています。

 なぜセッティング時間や導入までの時間が長くなってしまったのか? この続きは次回のブログ記事 【 天文車の新旧比較2 】 で。
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クーデ式望遠鏡

2012-12-30 07:00:00 | アストロカー
 札幌市青少年科学館の入り口に奇妙な形の器械がひっそりと置いてあります。

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 右端に写っている奇妙な器械は建物の端にあるため、よほど注意しないと気がつかないかもしれません。

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 正体は、口径20cmクーデ式望遠鏡です。窓ガラスを通して遠くの景色を見るようになっているようですが、子供達は見ることよりも接眼部を乱暴に動かすことに興味があるようでした。

 本来の使われ方をしていない望遠鏡を見るのは辛いことです。それも子供達によって乱暴に扱われるのはとても悲しいことです。

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 実は、このクーデ式望遠鏡は1983年に導入された初代アストロカー(天文車)オリオン号に搭載されていた望遠鏡です。

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 1983年春に札幌市役所前の正面玄関前で日本初のドーム付きアストロカーをお披露目したときの写真です。左は当時の市長、板垣武四さん(1916-1993)、右は私です。

 2003年に2代目天文車が就役後に初代20cmクーデは退役となり科学館の入り口に置かれました。なお、2代目天文車については【2011年6月30日の記事】に書いてあります。

 初代の望遠鏡は、口径20cm口径比F9のアポクロマートレンズに反射鏡2枚を使ったクーデ式望遠鏡で、それほど無理な光学仕様になっていないため、見え味は非常にシャープでした。

 2代目アストロカーの望遠鏡は口径25cmと大きくなりましたが、調整不足のためか初代の20cmクーデのほうがシャープに見える、と私は感じました。もしかしたら導入担当者のひいき目かもしれませんが・・・。

 初代20cmクーデの光学系はまだピカピカ、駆動系の大型電子部品もそのまま別室で保管中とのことですので、科学館の駐車場などにスライディングルーフを設置し望遠鏡として活用させるような手立てはできないものなのでしょうか。

 望遠鏡の値段だけでも約4千万円と聞いていますし、まだまだ使用できる高価な器材を単なる玩具として置いておくというのはあまりに悲しすぎます。
 札幌市民の貴重な財産なのですから、望遠鏡としての有効活用を願ってやみません。
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夏休み天体観望会

2011-08-06 18:20:00 | アストロカー
 8月6日(土)、札幌の最高気温は32℃になりました。照りつける太陽の日差しで肌がジリジリと焼けます。昼ごろ急に強い雨が降ってきて、昨年滞在した宮古島のようでした。雨があがると青空の割合はかなり減ってしまいました。

 さて、今夜は移動天文台ではなく、定山渓自然の村という場所で行われる夏休み天体観望会のお手伝いです。


 18時に地下鉄真駒内駅で天文車に乗り込みます。


 乗り込んだ途端、燃料(天然ガス)不足なので、科学館近くのガススタンドまで戻ることに。札幌市内に天然ガスのスタンドは4箇所で、南区にはないそうです。
 観望会の場所は南区のはずれなので、観望会開始時刻に間に合うのかな?

【23時20分:記事追加】

 18時30分、スタンドに到着し、給油ならぬ給ガス。

 19時40分に定山渓自然の村に到着。20時から100名ほどに星を見ていただきました。
 きょうは旧暦で7月7日。そうです。七夕です。残念なことに西南の低空にある半月は山の陰で見えませんでした。21時20分頃に観望会は閉会となりました。


 観望会が終了してから25cmクーデ望遠鏡+31mm接眼鏡+デジカメLX3で撮影したアルビレオです。手持ちで露出は1.3秒です。少し像が流れましたが、主星が橙っぽい色、伴星が青っぽい色だということが分かります。


 22時ごろに撮影した夏の大三角です。
 左上がベガ(織姫)、左下がデネブ、右上がアルタイル(彦星)です。右側半分が赤っぽくなっているのは薄雲の影響です。カメラを地面に置いて露出60秒で固定撮影。

 22時40分に帰宅しました。おやすみなさい。
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天文車(アストロカー)

2011-06-30 08:00:00 | アストロカー
 借りていたマークX望遠鏡を返すため、6月29日(水)の15時に札幌市青少年科学館を訪問しました。

 ちょうど、2代目天文車が神奈川県の工場から戻ったばかりで、17時から確認作業をするということでした。了解をいただいたので見学させていただきました。

 なお、アストロカーという名称は五藤光学が商標登録しています。初代は五藤光学製でしたが2代目は同社製ではないため、アストロカーという名称が公的には使えません。


 2003年3月に導入されたオリオン2世号。
 いすずフォワード10トン車をベースにしたエアサスペンション付きCNG(天然ガス)車です。


 ボディの後部が前部へスライドして望遠鏡が使える仕組みです。
 口径25cmF9クーデ式望遠鏡が搭載されていて、天文係7名全員で確認作業をしています。


 日没1時間前の青空に輝いている「うしかい座」のアークトゥールスです。
 デジカメLX3を25cmクーデ望遠鏡の接眼部に当てがい、コリメート撮影させてもらいました。

 天文ソフトやGPS装置を駆使したハイテクの塊のような望遠鏡を目の前に、ローテクの私は目をパチクリ。
 操作マニュアルを見せてもらいましたが、手順が複雑そうです。私には全手動の望遠鏡が似合っているようです。

 結局、私は20時ごろ見学終了。7月1日からの移動天文台本番を目前にして、職員の方々は地道に確認作業をまだ続けておられました。お疲れ様です。
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