伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む市議会議員。市政や市議会、日常の活動などを紹介していきます。

差押え損害賠償事件の控訴にどう対応 / あれ、スミレ

2017年03月03日 | 市議会
 いわき市議会は今日も本会議での一般質問。議会冒頭で追加提案が3件あり、うち財産差し押さえにかかわる「訴えの提起」の議案について質疑をすることになり大慌てで準備しました。

 この訴えは、市税などの滞納があった市民に、震災後、滞納処分執行停止をしていたものを、国税還付金が発生したことから執行停止を取り消して差し押さえたことに関して、取り消し処分の通達が本人に届く前に差し押さえたのは不法として提訴されたものです。市側の主張を退け差し止めの取り消しを命じた仙台高裁の二審判決を不服として、最高裁に上告するための議案です。

 争点は執行停止の効力がどの時点で発生するか。原告は通達が本人に届いた段階と主張したことに対して、被告の市は執行停止を決済した段階と主張。一審判決では市の主張が認められたものの、二審判決では退けられ、本人に不利益が生じる措置であることから本人が差し止めを知った時点、すなわち通達が本人に届いた段階で効力が発揮するとして、差し押さえは滞納処分の執行停止をしている最中に行われたと不法性を指摘し、差し押さえの停止と慰謝料の支払いを市に命じています。

 同時に判決は、文書の日付や文書番号などから差し押さえが滞納処分の執行停止の決済の前に行われたとし、市の不法行為に言及しています。

 こうしことから質疑では次の項目についてただします。



1 議案第78号訴えの提起について

 本案は市税等の滞納処分にかかる損害賠償事件に関し、滞納処分執行停止取り消し処分より前に行われた差し押さえは違法と認定し、第一審判決を変更して本市に損害賠償の支払いを命じた控訴審判決を不服として、最高裁判所に判決の取り消しを求める上告をするものです。

(1)市税等の滞納処分に係る損害賠償事件の判決について

ア 滞納処分執行停止処分とはどのようなものでしょうか。

イ 滞納処分執行停止処分の効力発生は、決済日とする根拠とはどのようなものか。

ウ 差し押さえはどのような場合に行われるのか。

エ 差し押さえに至る一般的手続きはどのようなものか。

オ 本件における差し押さえはどのような手続きのもとにすすめられたのか。

カ 本件、損害賠償事件の概要はどのようなものでしょうか。

キ 本件損害賠償事件の第一審判決の概要はどのようなものか。

ク 本件損害賠償事件の第二審判決の概要はどのようなものか。

ケ 第一審判決と第二審判決の相違点はどのような点にあるのか。

コ 第二審判決中、滞納処分の執行停止取り消し通知書の作成日付が30日であるのに、控訴人あての差押調書謄本の作成日付は、封かんした翌日である同月31日となっており、封かん作業が遅くなり、発送が翌日になることから31日付で作成したと説明されたという記述があるが、文書の取り扱い上問題があるのか。

サ 同じく第二審判決中、いわき税務署に債権差押通知書を平成27年3月30日午後1時20分に送達した後、帰庁した職員が本件取り消し通知書及び控訴人宛差押調書謄本を「作成」し、決済を受け、2通一緒に本件封書に封かんしたとあるが、決済前に債権を差押えたのか。

シ 第二審判決には、平成27年3月30日にされた国税還付金の差押えは滞納処分停止による差押えの執行停止中にされたとの記述があるが、これに対する執行部の見解はどのようなものか。

(2)高裁判決に対する市の不服とする点について

ア 本市は第二審判決のどのような点を不服と考えているのか。



 この損害賠償事件の二審判決は、差押の効力発生時期の市の解釈は誤りという点と、差押は滞納処分執行停止の取り消しの前に行われたと、二重の不法を指摘しています。

 効力の発生時期をどの時点にするかという問題では、判決の本人に通達が届いた時点とする考えが妥当と思われます。一方、差押と滞納処分執行停止の時期の問題では、文書の日付や文書番号の改ざんという不法行為が指摘されることになり、この点については、司法の判断を待つことが妥当と思われます。

 前者の立場からは、控訴するという内容の議案には反対となるのですが、後者の問題を考えると最終的な司法の判断を待つ必要があることから控訴するという議案に賛成し、司法の判断をあおぐという対応が必要だろうと考えています。

 さて、今朝の愛犬の散歩ではスミレが花をつけていることに気がつきました。



 タチツボスミレと思います。

 ロウバイも。




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