伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む市議会議員。市政や市議会、日常の活動などを紹介していきます。

市長に予算要望書提出

2016年11月24日 | 市政
 どう書こうかとここ1週間ばかり頭を悩ませていた市長への予算要望書を、きょう、無事に清水敏男市長に提出しました。



 提出したのは「2017年度の予算編成及び施策に関する要望書」。

 「非核平和都市宣言を活かし平和への願いを国内外に発信する被災地・いわき市」「未来を担う子どもたちが生きる力をしっかり身につけ、生き生きのびのび成長するいわき市」など、5本の柱でまちづくりをすすめることを求める内容で、学校給食の無料化や復興公営住宅の家賃減免の継続、国保税の聴衆などにあたっての滞納者への丁寧な対応、子宮頸がんワクチンの重篤な副反応を発症した患者に対する手厚い支援、公契約で働く労働者の適正な労働条件確保のための公契約条例の制定など、97に及ぶ具体的な要望事項を盛り込んでいます。

 市長は、国の問題にはコメントを控えるとしながら、
(1)配置をすすめてきた学校図書館司書をさらに充実をはかること、
(2)学校給食費の無料化は難しいが多子世帯や経済的な困難な家庭への支援の検討、
(3)子宮頸外ワクチンの重篤な副反応に関する調査を担当部に支持すること、
(4)維持補修費については「それなりにに予算をつけていく」とし、
(5)復興需要が終息に向かう中で市内の経済をどう維持していくかが課題だとして、中小企業を支える政策展開への支援と協力、
などを求め、説明しました。

 来年度の予算編成方針から、初当選以来掲げていた「医」「職」「住」と「教育」「子育て」の文字が消えたことに関して、この分野を軽視する方向に転換したのかと聞いたことには、この間の取組でこの分野の取り組みが一定すすんできたことから文字としては盛り込まなかったものの、引き続き重視しながらさらに視野を広げた取り組みをすすめるという意味あいだとしました。

 私はこの分野の取り組みを強めるという観点からも、いわき市が食材費のみを保護者負担としてその他の経費は市が負担している点は本市のすすんだ施策だとして、このいわき市の良い点を伸ばすためにも学校給食費の無料化に向けた検討をするよう重ねて求めました。

 次に要望書を紹介します。



2016年11月24日


いわき市長 清水 敏男 様


2017年度の予算編成及び施策に関する要望書




日本共産党いわき市議団  
  団 長  伊藤浩之
  幹事長  渡辺博之
  副幹事長 溝口民子
  副幹事長 坂本康一




 日頃の市政に進展へのご努力に心からの敬意を表します。

 さて震災と原発事故から6年目を迎えようとする中で、本市市民は安倍政権のすすめる国の政治に翻弄されています。

 安倍政権は、震災と原発事故からの復興が必要なこの時期に、国民に貧困と経済格差を拡大してきたアベノミクスをすすめてきましたが。さらに、アベノミクスの第二ステージとして、①希望を生み出す強い経済②夢を紡ぐ子育て支援③安心につながる社会保障という新三本の矢をかかげ、さらに推進することを打ち出しました。

 このアベノミクスの第二ステージでは一億総活躍社会をかかげ、働き方改革と合わせた具体化として総額28兆円の経済対策を打ち出しました。そして、開会中の臨時国会に安倍政権は3兆3,000億円にのぼる補正予算を提出し、可決させました。

 その内容を見ると、一億総活躍社会の目玉施策として打ち出した保育士の処遇改善は見送られました。また、介護離職ゼロをいいながらも、介護従事者の賃金等の引き上げに必要となる事業所の収入源である介護報酬は引き下げたままです。一方、要支援1、2を介護の枠外に締め出したばかりか、あらたに要介護1、2についても介護から締め出す検討をすすめているなど、国民が活躍できる舞台を整える内容となっていないという問題点を抱えています。

 また、この補正予算にはリニア新幹線などの大型事業が盛り込まれているのをはじめ、対潜哨戒機やF-15戦闘機の近代化など、国民の暮らしの向上に直接結びつかない予算まで含まれ、一億総活躍の社会をめざす予算とは程遠いものとなっています。

 一方、開会中の臨時国会では、環太平洋経済連携協定・TPPの関連法案が重要案件として審議されています。アメリカ大統領選挙ではTPPに参加しないことを明確にしているドナルド・トランプ氏が当選し、協定の発効がおぼつかなくなっています。TPPは、日本の農業や医療をはじめ産業に広く重大な影響を及ぼします。それにもかかわらず、関連法制の衆議院での採決を強行、引き続き参議院で可決が目指されていることには、地方をはじめ、国民から批判の声があがっています。。

 さらに昨年、採決が強行された安全保障関連法制=戦争法に基づく駆け付け警護等の任務を付与された部隊が、この11月に南スーダンの国連平和維持活動の任につくことになりました。海外の戦場で自ら武力行使ができるようになるなど、戦後の日本の平和の枠組みが大きく塗り替えられようとしています。

 こうした国政のもとで、平和と市民の暮らし向上を見通すことは非常に難しいものとなっています。

 このような中、来年度は、震災・原発事故から6年目を迎え復興をいっそう促進することが求められると同時に、震災から2回目となるいわき市長選挙も控えています。

 前回の市長選挙で、市長は「医」「職」「住」の充実の観点から医師不測の解消や観光・サービス業の活性化、土地の供給量を増やし価格の安定化を図るなどの課題解決に力を尽くすことを訴え、県内原発の全基廃炉の実現や子育てしやすい教育先進都市、風評被害に負けない農林水産業の復活など8つの約束の実現を公約に掲げて選挙をたたかい当選されました。

 市長任期最後の年となる2017(平成29)年度は、これらの公約を総仕上げに向かう年になると思います。この間、復旧から復興へと、震災後のまちづくり事業もすすんできましたが、これからは市民の暮らしという視点から復興をすすめるために、被災者をはじめ市民の暮らしの再建・復興に本格的に取り組むことが求められる時を迎えているものと思います。

 こうした視点から次のようないわき市をめざすことを求め、要望書を提出します。


1 非核平和都市宣言をいかし平和への願いを国内外に発信する被災地・いわき市

 いわき市非核平和都市宣言は、日本国憲法の理念である恒久平和の実現へのねがいを込めて制定されています。
いま国では、歴代政府も憲法の専門家の多くも違憲としてきた集団的自衛権の行使を、たった一代の内閣の閣議決定で覆し行使できるようにしました。そして、安全保障関連法制の採択を強行した上で、2016年11月に派遣される南スーダンの国連平和維持活動で、戦後初めて自衛隊が戦場で武装して活動する状況を作り出しました。
 東日本大震災の被災地で、人の命を救うために活動し、被災地の人々から信頼を集めている自衛隊員の命が他国の戦場で奪われたり、他国の人々の命を奪ったりということをさせてはならないと考えます。
 また、国連総会第1委員会では、核兵器廃絶条約の制定に向けた交渉を来年度から始める決議を採択しましたが、日本政府はアメリカ政府とともに、この決議に反対をしました。核兵器廃絶を願う非核平和都市宣言の願いに反する事態だと言わねばなりません。
これらの状況を踏まえて、あらためて憲法の原則及び核兵器廃絶の国民・市民の願いに沿って政府が行動するよう強く求めていくことが必要です。

2 未来を担う子ども達が生きる力をしっかり身に着け、生き生きのびのび成長するいわき市

 子どもたちがすくすくと成長していくことは、全ての市民の願いです。いま、保護者の中でも子育てに対する支援を求める声が高まりつつあります。こうした声にしっかりと応えていくためにも、学校図書館司書の配置などに加え、教員の定数を維持・増員しながら少人数学級をいっそうすすめ、教育施設の整備費の増額をはかるなど教育環境の充実、義務教育といいながら卒業までに60万円近い負担(小学校)がある保護者の負担のあり方を見直して、負担の軽減をはかるなどの対応を進めていくことが求められています。
 その中でも当面の課題として、学校給食が食育という大切な教育の一環を担っていることを踏まえて、学校給食費の無料化に道を開いていくことが求められています。

3 市民・被災者の声をいかした復興・原発事故への対応をすすめるいわき市

 震災から5年が過ぎ、6年目を迎えていこうとしている中で、震災・原発事故の被災者は、心に癒えがたい傷を抱えながら生活しています。その中で、市民・被災者の願いも、暮らしの現実に合わせて多様化していると思いますが、復興公営住宅の家賃の減免の継続をはじめとした支援策を充実し被災者の生活再建に取り組むと同時に、県内原発の全基廃炉はもとより、全国の原発再稼働に反対し、原子力に依存しないエネルギー政策に切り替えるよう強く求めていくことが求めれています。

4 暮らしを痛めつける安倍政権のすすめる政治に地方住民の立場から意見を届けるいわき市

 アベノミクスの継続や年金の引き下げなど、市民生活が脅かされている中で、国の問題ある政治の防波堤としての役割を地方自治体が果たしていくことが強く求められています。
 国保税の引き下げや、国への納税義務のない利用料・手数料に上乗せされた消費税の廃止など、市民の負担を軽減し、また、要介護度の低い利用者から介護を引き離したり、後期高齢者医療制度の本人負担の拡大など問題ある施策には、その是正を求めて強く意見をしていくことが求められます。

5 住民の暮らしを支え、暮らしがいがあるいわき市

 市民の暮らしを支える上から、国民健康保険税の引き下げをはじめとして負担の軽減をはかると同時に、国民健康保険被保険者資格証の発行をやめ、誰でも、いつでも医療を自由に利用できるようにすることや、国保税や市税の徴収で、納税に努力する滞納者の暮らしを支えるために過度な負担とならないように配慮を払うことなどが大切です。
 また、子宮頸がんワクチンの重度な副反応に対する支援を手厚くしたり、公共交通の確保を図るための取り組みを強化していくことが求められています。
 さらに、維持補修費のいっそうの増額などの措置も取りながら、小規模事業者登録制度による発注額をさらに拡大し、小規模事業者の仕事づくりをすすめ市民の住環境整備等の要望に応えることが必要です。また、公契約にかかる業務に従事する労働者の適正な労働条件を確保するために「(仮称)いわき市公契約条例」を制定するなど、市民の暮らしを支え、市民の仕事づくりをすすめることが求められます。



要望の詳細



1 非核平和都市宣言をいかし平和への願いを国内外に発信する被災地・いわき市

(1)非核平和宣言都市にふさわしく以下の姿勢を示すこと

① 平和市長会議加盟自治体として、同会議が取り組む2020年までの核兵器廃絶をめざして「核兵器禁止条約」の交渉開始などを求める署名の普及を図ること。

② 中学生を被爆地広島や長崎へ派遣する事業の継続や原爆パネルの小中学校等の配置を進めるなど、平和と戦争について考える機会を増やし平和教育を一層進めること。

③ 貴重な戦争遺品の喪失・散逸が懸念されることから、市として戦争遺品を収集・整理・常設展示する「(仮称)平和のための戦争資料センター」を整備すること。


2 未来を担う子ども達が生きる力をしっかり身に着け、生き生きのびのび成長するいわき市

(1)少子化への対応について

① 高額な費用がかかる不妊治療は、必要な方に適切な治療が受けられるよう保険適用の拡充を国に求めること。

② 出産支援金は受胎した時点に着目した制度として、子どもを授かったことに祝意を表し支援するものとするために、流産等も対象にした制度に拡充すること。

(2)保育、幼児教育の充実について

① 保育料の引き下げをはかり、就労と子育てを支援すること。

② 幼稚園授業料を値上げしないこと。

③ 市立保育所の民営化計画を中止すること。

④ ゼロ才児保育、延長保育、預かり保育、病後児保育、障がいのある子どもと健常な子どもがいっしょに保育を受ける統合保育を実施拡充すること。

⑤ 私立保育所、幼稚園及び無認可保育所に対する助成を実施拡充し、支援・指導を強化すること。

⑥ 「市立保育所における正規保育士の雇用は当然であり、約半数が非正規の保育士という現状は、公立の施設として望ましいものではなく早期に改善すべき」という市長認識に基づき、また、保育士の不足による待機児童の解消をはかる上からも、保育士の正規職員化を早期にすすめること。
また、非常勤の幼稚園教諭の正規職員化を図ること。

⑦ 「幼児のためのことばの教室」は委託事業で行われているが、この教室に勤務する指導員の待遇改善のために補助金を増額すること。

⑦ 幼稚園の統廃合は、利用者や地域住民の声をよく聞き、十分活かした内容とすること。

⑧ 通学路の安全確保のためにカラー塗装を施したり、側溝のふたがけをすすめ歩行スペースの拡大を確保するなどの取り組みをすすめること。

(3)教育環境整備について

① 夏場の気温の上昇の状況に対応して、小中学校の全ての教室にエアコンの設置をすすめること。

② 小中学校における洋式トイレの設置を拡大すること。

③ 事務経費や管理経費など学校運営に必要な経費について、不足するためにPTA負担となっている場合があるが、父母負担の軽減を図る上からこのようなことにならないよう必要な経費は十分確保すること。

④ スチューデントシティ、ファイナンスパーク利用に関わる児童・生徒の交通費を予算化し父母負担の増加を防ぐこと。また、ボランティアスタッフには交通費の実費支援などを行い、市民参加の広がりにつなげること。

⑤ 小中学校の校舎などの修繕費を大幅に増やして、修繕を早急に進めること。
また修繕費については小中学校にとどまらず、市道や側溝など、比較的小規模な修繕等の市民からの要望も多いことから、これまで以上の予算額を確保し、これらの要望に応えることができるように措置すること。

⑥ 教職員の多忙を軽減し、教職員が子どもと向き合い、また、授業に集中できる体制をつくること。少人数教育の拡充も視野に入れ、十分な教職員を確保すること。市独自の教員雇用も検討すること。
   また、特別支援員の待遇を改善し、大規模校への市費負担事務職員の配置を拡大すること。

⑦ 児童・生徒のけが・病気等への対応で、洗浄等が必要となる場合があることから保健室に温水シャワーの設置をすすめること。

⑧ 震災等にかかる児童・生徒への就学援助について、所得制限をやめ、それぞれの被災者が生活再建の基盤ができるまでは引き続き行うようにすること。必要な予算措置を国に求めること。

⑨ 放射線教育に関しては、現場の教職員の意見も踏まえて、より良い内容となるよう研究を重ねながら実施すること。

⑩ 高校授業料無償化の所得制限をやめ、全高校生が無償となる制度に戻すよう国に求めること。
また、福島県内の公立高校受験料を無償化することを県に求めること。

(4)学校給食について

① 学校給食費を無償化すること。

② 川部小学校の自校式の学校給食は保護者の意向を最大限尊重して結論を出すこと。また今後、学校給食の自校方式への転換を検討すること。

③ 学校で児童・生徒が洗浄している箸や配膳盆は、センターに回収して洗浄する方式に変更し、これに対応するため学校給食共同調理場に箸や配膳盆を洗う設備の設置や保管スペースの確保をはかること。

(5) 子どもたちを過剰な競争にまきこまないために次の対応をすること

① 「全国学力・学習状況調査」の実施をやめること。また、テストの結果については、個別の成績等、学校間の競争を激化させるような公表は今後ともしないこと。


3 市民・被災者の声をいかした復興・原発事故への対応でまちづくりをすすめるいわき市

(1) 被災者支援について

① 一部損壊住宅への支援策を引き続き国に求め、また、被災者生活支援法による支援額についても引き上げることも含めて国に対して創設を要求すること。

② 市独自の災害公営住宅の家賃を引き下げ措置の実施期間を、被災者の生活再建の状況を見極めながら延長することを視野に入れて検討をすすめること。

③ 地域コミュニティの維持と継続・再生の取り組みを引き続きすすめること。

(2)防災とまちづくりについて

① 地域ごとの防災訓練は、その効果を検証しながら充実をはかること。小中学校での防災教育を強め、訓練を実施すること。

② 原発事故防災計画では、国は30Km圏内をその対象区域としたが、原発事故時の教訓から考えても距離で線を引けるものではなく、地域・自治体ごとの指定とするなど見直しを図るよう国に求めること。
また、安定ヨウ素剤の整備を国の責任ですすめるよう求めること。

③ 土砂災害に対しての避難計画づくりでは、地域の実情に即した計画を策定できるように地域住民の参加を重視し、また、計画策定後は、避難訓練の実施などで住民に避難計画を徹底すること。

④ 東日本大震災以降、住宅が増加し交通渋滞が発生している地域があるので、その解消に努め、県に対しても要求すること。

(3)市民の被曝線量低減対策と市民の健康調査・管理について

① 原発事故収束の事業は、国が先頭にたち国の責任で実施するよう求めること。

② 原発事故にかかわる情報公開を徹底してすすめるよう、国・東電に強く求めること。

③ 除染等を促進するために放射性物質や放射線などについての講習会など、積極的に学ぶ機会を提供し、住民合意のもとに仮置き場の設置、自宅敷地への一部保管などさまざまな方策をとり除染を促進する環境を整えること。
 
④ 自家消費食材の測定は、いわき市産食材で安心して食生活を送る基本となり、また風評被害を克服するデータともなることから、ベクレルモニターなどによる放射性物質の測定を継続すること。

(4)市民に対する損害賠償について

  損害賠償は2011年4月22日までの分として、大人で12万円の賠償が実施されたが、その後の賠償については、それぞれ市民が独自に行うことが求められている。損害賠償について以下の立場から原子力紛争審査会の指針・追補の見直しをはかるよう求めること。

① 原発事故の収束宣言を明確に撤回することを求めるとともに、事故が収束するまでの市民に対する精神的慰謝料の賠償を継続的に実施するよう求めること。その際、原発からの距離による線引きを行わないこと。

② 事故での直接・間接の実害を幅広く捉えるとともに、迅速賠償を実施すること。

(5)原発労働者の作業環境向上について

   原発事故の収束に向けても原発作業員の確保は重要であり、東京電力に原発作業員の確保をはかり収束作業を安定的にすすめるためさらなる労働環境の改善を国・東電に求めること。具体的には、

① 補足的賃金の1万円の引き上げは、多重下請け構造のもとで、賃金や手当の「中抜き」の問題があることから労働者の待遇改善につながらない恐れがある。確実な待遇改善となるよう、実態の掌握につとめ、東電が労働者に手当などを直接支払うことが出来る仕組みを構築するなど、さらに改善をすすめること。

② 作業員の福利・厚生のさらなる充実を図るとともに、労働者を国の責任で教育して収束現場に送り込む体制を作ること。

③ 被ばく線量の管理と定期的な健康診断などの作業員の健康管理及び作業員とその家族の心のケアに、国及び東京電力が責任を持つ体制、仕組みを構築すること。

④ 作業員の雇用の継続によって、安定して働くことができる体制づくりをすすめること。


4 暮らしを痛めつける安倍政権のすすめる政治に地方住民の立場から意見を届けるいわき市

(1)非核平和都市宣言をいかした非核・平和・憲法を守る

① 国民の7割から8割が審議不十分とした安保法制と、その法制の根拠とした集団的自衛権行使容認の憲法解釈変更の閣議決定は、憲法違反の指摘が広範になされており、廃止するよう政府に求めること。

② 侵略戦争の反省のもとに作られた日本国憲法の改憲に反対し、国際的課題の解決にはあくまで平和的手段で取り組むよう求めること。

③ 核兵器廃絶に向けて実効ある決議を国連に提案し、唯一の被爆国として核兵器廃絶の世界の世論をリードするよう求めること。

④ オスプレイの配備に対する国民・住民の反対の意向をくみ取り、配備を中止するよう国に求めること。また、オスプレイの低空飛行訓練空域に本市も含まれる恐れがあることから、情報収集に努め、飛行訓練の中止を求めること。

(2)原発事故被災地いわき市からメッセージを届けること

① 県内原発ゼロはもとより、国内の原発再稼働に反対し、原発ゼロの日本で原子力エネルギーに頼らない国づくりをめざすこと。

(3)暮らしを大切にする政治をすすめること

① 消費税の8%への増税が景気を冷やしたことは明らかである。消費税の10%への増税にあたって検討される食料品非課税があったとしても、市民生活に大きな打撃になることは明らかであり、10%への増税をやめるよう求めること。

② アメリカ合衆国で、反対する大統領が誕生したことから、発効がされない可能性が生じているTPPの関連法案の成立を急がず、徹底審議で日本の農業のみならず、漁業、医療、保険、製造業など広い産業への影響を明らかにしたうえで、TPPの枠組みから撤退するよう求めること。


5 住民の暮らしを支え、暮らしがいがあるいわき市

(1)国民健康保険税の引き下げをはじめ国保制度の改善をはかること

① 国に対して国保税引き下げのためのこれまで以上の負担を求めること。また、国の助成がならないもとでは、市民のいのちと健康を守る観点から一般会計からの繰り入れなどで国保税を大幅に引き下げる措置をとること。

② 公的扶助を受けている世帯のうち、生活保護の基準以下の低所得世帯への市独自の減免制度を実施すること。

③ 医療費の窓口負担に関して減免制度をつくること。

④ 国民健康保険被保険者資格証明書・短期証の発行をやめ、全加入世帯に一般の保険 証を交付すること。

⑤ 資格証明書が交付されている世帯のうち、罹病などにより治療が必要となった世帯には、申し出により保険証を交付し、治療を受けることができる措置を講じること。

⑥ 2018年4月の国保制度の広域化は、標準収納率の導入によって国保税の納付を不必要に厳しくすることにつながったり、標準保険料率などを導入することによって、事実上、県が各自治体の保険料率をしばることなどが懸念されている。国保の広域化には問題があると考えるが、少なくともそれぞれの自治体の自主性を重んじて決定できるように制度の設計を図るよう求めること。

(2)後期高齢者医療制度について

① 後期高齢者医療制度は廃止し、当面、老人保険制度に戻すよう国に求めること。復活にともなう財政負担は、国の責任で補てんするよう求めること。

② 健保や共済組合の加入者の扶養となっている高齢者が、後期高齢者医療制度に移った場合、その保険料9割減額する特別軽減が実施されているが、これが廃止されることになっている。急激な負担増が生活に重大な影響を与えることから、この廃止の撤回を求めること。

③ 滞納者への被保険者資格証明書は原則発行しないという立場を今後も堅持するよう求めること。

(3)介護保険について

① 介護保険の要支援1と要支援2の生活支援、通所介護サービスの地域支援事業への移行を撤回し、従来どおり介護保険サービスで実施すること。

② 2014年の介護保険法改定にともない、第1段階及び第2段階の介護保険料の基準額0.5倍を0.3倍に、特例の第3段階の0.75倍を0.5倍に、第3段階を0.75倍から0.7倍にそれぞれ引き下げることしていたが、消費税の10%への引き上げ延期を理由に先送りされた。低所得者の生活実態を考慮して、ただちに引き下げるよう求めること。

③ 新総合事業への移行にあたって次のことを求める。

ア、現在要支援となっている者のサービスを継続すること。
イ、サービスの選択権を保障すること。
ウ、利用者負担の軽減を図ること。
エ、要介護認定の申請権を侵害しないこと。
オ、事業者にはサービスに見合った単価を保障すること。
カ、必要な総事業費を保障すること。
キ、「多様な主体によるサービス」「地域での支えあい」は、自治体が責任を持ち、住民参加を得て整備すること。また、住民主体の活動をサービス削減の手段としないこと。

④ 国庫負担金は介護給付費25%を確実に交付し、調整交付金5%は別枠とするよう求めること。

⑤ 介護ヘルパー・ケアマネージャー等、介護従事者の労働条件の改善・向上を国に求めること。

⑥ 利用料負担ができないために介護給付を利用しないケースが生じている。介護が必要な利用者が介護サービスを利用できるよう利用料の軽減を図ること。

⑦ 特別養護老人ホームの増設など介護施設の整備を図り、希望する要介護者が施設を利用できるようにすること。

(4)障がい者施策について

① 精神障害者手帳3級所持者まで入院費や医療費を無料にすることを、先進事例を踏まえながら検討すること。

② 障がい者の雇用の確保をはかること。

③ 各地区保健福祉センターに精神保健福祉士の配置を拡大すること。精神障がい者に関する正しい知識の普及を図ること。

④ 災害時の障がい児・障がい者の避難所確保や緊急薬品の備蓄確保を徹底すること。

(5)低所得者のくらしを守ることについて

① 生活保護の老齢加算の復活などをするとともに、生活保護費の国の負担割合(現在、国4分の3、市4分の1)を増やすこと。

② 生活困窮者に対する緊急小口資金の原資を増やすこと。

③ 月5万円の最低年金保障制度を創設するよう国に求めること。

④ 低所得の借家世帯に対して、家賃補助などの対策を講じること。

⑤ 寡婦(夫)控除を未婚のひとり親に適用させる事例が生まれており、本市も実施すること。

⑥ 低所得者の就労と生活を支援し自立を促す相談窓口となる生活・就労支援センターは、現在、内郷・好間・三和地区保健福祉センター内に設置されているが、対応をさらに手厚くすることができるよう、市南部地区の保健福祉センターにも設置すること。

(6)DV被害及び児童虐待への対応について

① DVによる被害者支援のため、相談員の増員を図ること。

② 民間シェルターへの助成を増やすこと。

③ 児童虐待の相談体制を強めるため、児童福祉司の増員を国、県に求めること。

(7)雇用、営業を応援する施策の拡充について

① 地域別最低賃金を1000円以上とするよう国に求めとともに、公契約にかかる業務に従事する労働者の適正な労働条件を確保するため「(仮称)いわき市公契約条例」を制定すること。
また、市の契約制度で総合評価方式には2省協定の80%以上の労務単価の確認を取り入れるなど、労働者・下請け保護をはかるための入札・契約制度のさらなる改善をはかること。

② 「個人住宅優良ストック形成支援事業(住宅リフォーム)」を、来年度も継続すると同時に予算の増額を図ること。

③ 雇用の不安定化と賃金引き下げにつながる市の業務の委託のあり方について、見直しをはかること。

④ 家族従事者の労賃を青色申告時に必要経費として認めない、所得税法第56条を廃止するよう国に求めること。

⑤ DIOジャパン問題において、市民からの信頼回復、再発防止の観点から、県や国に対して責任を明らかにするよう求めること。
また、市民の負担を増やさないためにも不正額を返還しないこと。

(8)農林水産業を守ることについて

① イノシシによる農産物や暮らしでの被害が拡大しており、また、住家周りへの出没も発生し人命にもかかわる事態が想定されることから、狩猟者の育成をはじめとした取り組みを強め、適正な捕獲に努めること。同時に、捕獲状況と被害発生の状況から見て、必要に応じて捕獲頭数の増減を調整するなど、県と協議しながら柔軟な対応がとれるようにすること。

② 農道の整備を求める声は強く、管理台帳上で管理される農道の整備は現状の進め方では事業の完了まで数十年かかることから、整備を促進するため予算の拡大をはかること。

③ 原発事故で操業自粛が続き、水産業関係者の意欲が低下している。水産業関係者の意欲を高める施策を創設しすすめること。

(9)再生可能エネルギー導入の促進について

① エネルギーを自活できるいわき市に少しでも近づけるよう、市内での再生可能エネルギー導入の計画を充実し、市民参加を旺盛にすすめるなど市民の合意と協働で導入をすすめ、国に導入への支援策の拡充を求めること。

(10)個人番号制度について

 個人番号制度が始まったが、政府はポイントカードの個人番号への紐づけの検討を求めるなど、個人番号によって国民のプライバシーが丸裸にされかねない状況が見えるようになっています。こうした問題がある制度は、ただちに中止することが必要であることから、以下のことを求めます。

① 個人番号制度の廃止を国に求めること

② 当面の措置として共通番号にひもづけする情報をできるだけ限定するよう求めること

(11)雇用促進住宅の譲渡等について

① 居住者を守る立場から、雇用促進住宅を譲渡・廃止するとした閣議決定を撤回するよう求めること。

(12)子宮頸がんワクチンの副反応にかかわる対応について

① 子宮頸がんワクチンを接種した市民全員に対してアンケートを行い、副反応の発生状況を詳細に把握するとともに、市としての支援策を策定すること。また、小中学生に配布しているワクチン接種の案内チラシから、子宮頸がんワクチンの記載を削除すること。

(13) 交通弱者の交通手段確保について

① いわき市生活交通ビジョンに基づく具体的計画を早期に策定し、その実現をはかること。

② 公的施設の利用拡大を図るために、市民から要望のある施設に対して交通手段を確保するための措置を講ずること。

(14)市民墓地について

① 市民墓地の毎回の申し込み数が多く、墓地を用意できないという市民の声があることから、共同墓地の増設をはかること。
  また、納骨堂の整備をすすめ身寄りのない方の遺骨を受け入れる体制の充実をはかること。

以上


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