伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む元市議会議員。1960年生まれ。最近は遠野和紙に関わる話題が多し。気ままに更新中。

上遠野中生と八潮見城を散策し学習

2022年09月05日 | 遠野町・地域
 八潮見城は、正式には上遠野城という。古く上遠野氏が使っていた山城で、井戸跡や石垣などの遺構が残っている。別称の八潮見城は、この城からいわき沿岸の浜から北茨城の平潟まで見通せるためつけられたらしい。今日の上中生の散策でも、小名浜のマリンタワーはじめ小名浜港や勿来海岸など、沿岸の各浜が見通せた。



 今日の散策は、上遠野公民館で上中生と合流、あいさつをした後、八潮見城に向かった。
 若い彼らは、とにかく元気に八潮見城に向かって歩いて行き、要所要所で探検隊から説明を受けた




 昇っている岩は、亀の子石と呼ばれ、かつては情報伝達手段であるのろし台として使われていたという。この他、散策路の途中にある国土地理院の三角点、城跡、散策路終点の八幡神社などが説明場所となった。

 散策の前に座学で八潮見城について学んだらしく、この学習内容は同校の文化祭「紅葉祭」でまとめて発表するという。生徒達にはがんばってまとめて欲しい。

 9月、初秋を迎えた散策路を歩いたわけだが、沿道には数々のキノコが発生していた。ほぼ毒キノコだろうが、目の楽しみにはなる。珍しいところでは、ホウキダケ(たぶん)が何ヶ所かで発生していた。他にオレンジ色や黄色、白色のソウメンダケの仲間も生えていた。木くずがこぼれたナラ類の木などがけっこう多かった。おそらく、カシノナガキクイムシが穴を空けた時の木くずだろう。この虫は空けた穴にナラ菌というカビの仲間を植え付けて畑とし、これを食べて成長するという。

 そして、新しくナラの木にとりつくと、フェロモンを出し、仲間の虫を誘引するという。この結果、とりつかれたナラの木は枯死してしまう。最近、林の中に、枯れたナラ類を多数見ている。おそらく八潮見城の散策路のナラ類もこの虫にやられている。枯死も間近だろう。

 このナラ菌がたぶん猛毒のキノコ「カエンダケ」の養分になる。ナラ類の枯死が進んだ地域では、このカエンダケの発生が多数確認され問題となっているようだ。ソウメンダケ類は、このカエンダケに似たような姿のものがあるので、沿道のソウメンダケは余計に目についた。

 粘菌も発生していた。

 けっこうあちこちで見かけるタマツノホコリ。



 今年はまだ見ていなくて、どこかに発生していないかなと探していたススホコリもあった。




 これらはいずれも子実体という胞子を飛ばす際の姿だ。花も楽しめた。

 2時間弱あれば、十分に歩き通せる散策路だ。機会があったなら、ぜひ歩いて見て欲しい。


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
八潮見城を歩く (Unknown)
2022-09-06 18:29:58
地元中学生が、地元を知る。
これが一番だと思います。
何か1つでいいから、自分の中に持ってもらえれば、うれしいですよね。
遠野高校が統合されてしまいましたが、今度は、中学生も和紙漉きを学習出来たらいいと思います。
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中学生も小学生も体験しています (伊藤浩之)
2022-09-07 10:57:21
和紙漉きの体験は、何年生だったか・・たぶん最上級生がしています。地域おこし協力隊が学校に出かけて、ため漉きで卒業証書用紙を作成しています。
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和紙漉き体験素晴らしいです (Unknown)
2022-09-08 11:07:15
こういう、地元の産業の体験を通じて、地元への愛着と地元振興への意欲など、養えたら最高だと思います。
これからは、「そのために、何をすればいいのか」ではないか、と思いました。
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そうですね (伊藤浩之)
2022-09-08 16:45:43
たしかに、コウゾを作っても、トロロアオイを育てても、それを使ってくれる人がつながっていかなければ、遠野和紙の継承には何の意味もないですからね。
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