伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む元市議会議員。1960年生まれ。最近は遠野和紙に関わる話題が多し。気ままに更新中。

和紙すき

2022年04月13日 | 遠野町・地域
 和紙すきのシーズンは、一般的に寒い季節とされる。
 和紙は、コウゾ等の繊維とトロロアオイが材料となる。このうちトロロアオイは、その根の抽出物「ネリ」を使う。粘性のある物質で、①繊維を水に均質に拡散するために水の粘性を高める、②和紙をすくいあげる簀桁から漏れ出す水を抑制する役割を担う。すいた和紙に残存したネリは、短期間で変性しその消失する。ネリは変性しやすい性質をもっているのだ。

 変性の原因の一つに温度があり、気温が高いと短時間でその抗力を失ってしまう。昨日と今日は、その意味最悪の日だった。高気圧に覆われ、上空に暖かい空気が流れ込む日本列島は全国的に気温が上がると予報されていたとおり、気温は上昇した。生まれ故郷となる岩手県宮古市は、全国1の31度の真夏日となったというが、学舎内の室温も25度以上になり、午後からは和紙の材料を入れた漉き船(和紙の材料と水を入れる容器)に日光も差し出した。水の温度も上がる。

 ネリの機能がどんどん低下する条件となったので、けっこう、ネリの量も必要になった。

 学舎周辺もきれいに花が咲いている。レンギョウと桜だ。




 さて、今日の和紙すきは、白皮だけを使って白い紙をすき上げることにした。

 ネリが効いている時は良いのだが、効果が薄れてくると簀桁にすくい上げた水がジャージャーと漏れ出す。紙漉きにネリが必要な理由を身をもって体験した。
 ネリって偉大だなー。

 菊判の和紙は、全部で50枚弱すいたものと思う。予定していた必要枚数にはまだ不足している。予報で気温が低めの日に、再度、白皮の和紙すきをしてみることになった。

 13日は、学舎周辺のソメイヨシノが散りだし、風に花を舞わせた。



 空にはハロが浮かんだ。



 飛行機雲を引きずった航空機が追いかけっこをするように飛んできた。



 ちょうど、ハロがかかる軌道に被さるように飛んでいくようだ。よく見ると飛行機雲の色が違う。下は赤っぽい、上は普通に白い。

 惜しいな。いつか、彩雲に染まる飛行機雲を見て、写真に撮ってみたいものだ。


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