伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む市議会議員。市政や市議会、日常の活動などを紹介していきます。

地震被害も津波被害も基礎撤去を

2012年07月10日 | 災害
 東日本大震災で被災した家屋の取り壊しの関係で問い合わせがあった。「津波被災のために建物の取り壊しがされたが、基礎は撤去されなかった。地震被害では撤去されているのにおかしいのではないか」というのだ。

 津波や地震で被災した家屋は罹災証明が半壊以上の場合、市が代わって撤去をする。もともとは津波被災地が対象の制度だったが、その後、地震被害にも拡大された。

  いわき市では先行した津波被災地の建物撤去では、基礎は撤去しなかった。敷地の境界が分からなくなることや、復興の仕方で撤去がムダになってしまうためなどと説明されてきた。その後始まった地震被害の取り壊しでは基礎の撤去まで行うことになった。国が基礎の撤去まで認めたからだ。しかし、津波被災地は建物基礎を外したまま。こたため、津波被災住宅には基礎が残り、地震被害住宅はきれいに片付けられるという事態になった。津波被災地で、復興事業の対象になる区域は、基礎が残っていても区画整理あるいは集団移転事業 などで対応がされることになるから良い。ところが対象にならない地区は、基礎の撤去を自分でしなければならなくなっているのだ。

 問い合わせの方の知り合いは、女性の一人暮らしで、津波による被害だったという。このため基礎が撤去されず、また、自分でも基礎を撤去する費用を捻出できないために、宅地の処分も含めた将来の生活設計を描くことができないでいるという。

 この状況は被災者に取ってみれば不公平そのもの。市民の生活再建のためにも、津波被災でも基礎の撤去をするための何らかの措置をとっていく必要があるだろう。おそらく津波被災の場合、公的には撤去しないできたために、すでに自分で撤去した被災者もいて、その整合性も問われる事態があるのだろう。そこに対する手当も、例えば、一定の補助制度で創設するなどの措置も必要になるだろう。

 口頭で、検討するよう求めてきたが、その実現を引き続き求めていきたい。

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 先だって散歩先でアサマイチモンジチョウに出会いました。

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