伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む市議会議員。市政や市議会、日常の活動などを紹介していきます。

道しるべ

2021年05月10日 | 
 金属光沢のある赤と緑の美しい色合いを持つハンミョウ。愛犬の散歩の折り、数回は目撃しているだろうか。
 アスファルトの路上に、小粒の砂利程度の大きさ。数mに近づいても、その存在に気がつくことはない。

 ところがハンミョウは、近づいてくる驚異に気がついてしまう。そこで、飛び立って逃れようとする。ハンミョウは、道から外れて、どこかに飛び去ってしまうことはまずない。飛び立ち、数m先に止まり、近づくと飛び立ち、また数m先に止まるを繰り返す。歩いている先々に止まるその様子から道しるべなどの別名もあるという。

 今日も、同じだ。数m先の路上から飛び立って、わずか1m程離れた路上に止まった。それでハンミョウがいると気がついたのだ。



1.5m程だろうか、離れた所からカメラを向ける。その動きで気にかかることがあるのだろうか、距離はほとんど変わらないのだが、飛び立って、別のところに移動することもある。道ばたの陽の射す砂の上にも移動した。





 写真を撮っていると、再びアスファルトの路面に移動した。



 ハンミョウの顔を見てにらみつけるようなにらみつけるような複眼、そして、頑丈そうな巨大なアゴ。とても怖い顔をしている。こんなアゴでかまれたら飛び上がるほど痛いんじゃないだろうか。それだけは避けたいと思う。

 ハンミョウは肉食。開けた場所で待ち伏せし、通りかかった昆虫などを補食するのだという。道で見かけるのはこのためだ。えさ場の道から遠ざかろうとはしない。道から飛び立って、その先に止まるを繰り返すのはこの辺に理由があるのではないだろうか。

 調べると、成虫は湿っていて陽が射す砂地や道などにおり、幼虫は、湿った粘度質の土に縦穴を掘り、頭を上にしているのだという。散歩の途中で出会うということは、この道の周辺には適当な環境がそろっている証となる。成虫は時には、死んだ動物の肉も食べることがあるという。やっぱり、あのあごにだけはかまれたくない。つくづく思う。

 ハンミョウは、生息環境が壊される結果、地域的に個体数が減少し、レッドデーターブックに掲載されている地域もあるという。ここらにある生息環境は残っていくと思うのだが・・。

 ハンミョウに形がそっくりなのがニワハンミョウだ。ハンミョウは愛犬を飼い始めた早い時期に見かけていたが、ニワハンミョウを知ったのは近年のこと。おそらく昨年か、一昨年くらい。



 形はハンミョウと全く同じににらみつけるようなにらみつけるような目、頑丈そうなあごなど、本当にそっくりだ。



 ただ色が違う。カラフルなハンミョウに対して、カワハンミョウは黒っぽく見える地味な体色。唯一、背中の白い模様だけが、ハンミョウに似ている。



 ニワハンミョウは、地面を徘徊しながら他の昆虫を補食し、幼虫は地面に穴を掘って住み、近くに来た虫を補食するのだという。住家の近くから山林まで幅広い環境に生息しており、個体数は多いと解説されている例もある。

 しかし、私の目撃回数から見れば、ニワハンミョウよりハンミョウの方が生息数が多いように見える。
 不思議なものだ。


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