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しょしとり 9月24日
煌々と輝く満月に星が隠れる中、木星だろう、南の空低く、負けじと輝く星が一つ中秋の名月の夜空に見えた。秋を感じたワンシーンだ。
減少しているが、本市の新型コロナウイルスの感染確認数は、日々県内トップクラスが続く。気温の低下は、感染にどう影響するだろう。
遠野和紙のボランティアも人が集まる。感染予防は欠かせない。必要な対応を心がけ、安全に活動を続けたいと思う。
◇
さて、ボランティアの活動内容は、季節とともに替わる。夏から秋のコウゾ育成が一段落すると、白皮づくりが始まる。
まず畑のコウゾを刈り取り、大釜で2時間ほど蒸し上げる。ほのかな甘い香りが漂ったら、取り出す頃合いだ。
出したコウゾの皮をむく。皮は黒いまま束ねて竿にかけ、干し上げる。
刈り取りなどが一段落した頃、「しょしとり」を始める。干した皮を水に浸けて戻し、そこそこ切れない包丁で、黒皮などをそぎ落とす。残った白皮を再び干し上げて保管し、作業終了だ。
◇
作業初体験の前シーズンは、肘等に痛みが続いた。不必要に力んでいた。下手なのだ。次期シーズンこそ上達したいものだ。
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紙すき体験 10月1日
予測通りの結果となった自民党総裁選が、政治報道を一色に染める日々が続いた。今の国会の勢力図を見れば、新総裁が新首相に直結する。1政党の私事とはいえ注目もされるのだろう。
新総裁のもと、政治がどう変るのか、変らないのか。その行く末を注目したい。
◇
総裁選の最終局面の時期、遠野和紙ボランティアの連絡が来た。こちらは、この間の作業と替わらない。10月も畑の草刈り等をする。11月からは、コウゾの収穫と白皮をはぎ出すしょしとりの作業に変ると思う。
これで、ボランティアの年間サイクルを体験することになる。
年間サイクルには紙すきのメニューはないが、前年度の作業終了時に体験できた。初体験は、広げた新聞より一回り大きいサイズだった。
始め、手前の縁に繊維が偏る失敗が続いた。地域おこし協力隊員のアドバイスをいただきながら10回程試すと、何とか形になった。「できそうじゃん」。気をよくしたものだ。
◇
すき作業は、多くの工程の最後の一コマにすぎない。コウゾを白皮にした後も、多くの工程があるが、字数が尽きてしまった。以下、次回で。
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魅力と困難 10月8日
衣替えの月である神無月の異称に初霜月がある。ならば、長袖を恋しく思うのも当然と思いながら、今月もコウゾ畑に赴いた。
畑には異変があった。葉巻型に丸まった葉をはじめ、しおれた葉っぱが多い。ガの幼虫が、わずかの間にもたらした害らしい。
「油断した」と地域おこし協力隊員は悔やむ。虫害恐るべしだ。和紙作りの困難をまた一つ知った。
◇
さて、和紙作りは、コウゾの白皮を取り出す「しょしとり」後も工程を重ねる。
乾燥したコウゾの白皮を水にさらし、ゴミをとり、木槌で叩いた後に機械で繊維化する。
トロロアオイの根から抽出したのり状の「ネリ」と繊維を、水を張った漉(す)き舟でかき混ぜ、その溶液を簀桁(すけた)ですくい、水を捨てる。数回繰り返し、簀桁に残った繊維が和紙となる。水分をしぼり、乾かして、完成だ。
◇
和紙は製造に手がかかる。比較的高価となるのも合点がいった。体験ですいた和紙がある。下手ながら、柔らかい手触り、温もりを感じる風合いには、洋紙で味わえない魅力がある。
多くの人に遠野和紙を使ってほしいが、課題も多い。
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継承の課題 10月15日
いわきでは何と呼ぶのだろう。通称、ひっつき虫。衣服などにつくやじり形の黒く細い種。センダングサ類の種だ。
花には迷惑な視線しか向けてこなかった。最近、白い花びらの花に気づき、にわかに関心を覚え、調べてみた。何種類も仲間があると知り、散歩中に3種ほど見分けた。関心のたまものだ。
◇
遠野和紙についても、ボランティアに参加し、関心をもったことで、伝統継承の難しさと課題の一部を知った。
例えば、卒業証書用紙の制作。いまは、遠野地区などの小中学校、遠野高校で使われている。利用拡大には、すき手の確保だけでなく、何より、材料の遠野産コウゾが足りないようだ。
コウゾ畑は住民の無償貸与にたよる。コウゾの育成には地域おこし協力隊と遠野和紙ボランティアが関わるが、ボランティアの人数も層も薄い。また、作業時の移動も含め自前だ。
コウゾの確保、すき手の確保、できれば、収益を確保し、協力する住民に一定報いる仕組みなど、伝統継承の課題は多い。
◇
ある日、ボランティア仲間から言われた。
「和紙すきの練習をしな」
「えっ・・」
煌々と輝く満月に星が隠れる中、木星だろう、南の空低く、負けじと輝く星が一つ中秋の名月の夜空に見えた。秋を感じたワンシーンだ。
減少しているが、本市の新型コロナウイルスの感染確認数は、日々県内トップクラスが続く。気温の低下は、感染にどう影響するだろう。
遠野和紙のボランティアも人が集まる。感染予防は欠かせない。必要な対応を心がけ、安全に活動を続けたいと思う。
◇
さて、ボランティアの活動内容は、季節とともに替わる。夏から秋のコウゾ育成が一段落すると、白皮づくりが始まる。
まず畑のコウゾを刈り取り、大釜で2時間ほど蒸し上げる。ほのかな甘い香りが漂ったら、取り出す頃合いだ。
出したコウゾの皮をむく。皮は黒いまま束ねて竿にかけ、干し上げる。
刈り取りなどが一段落した頃、「しょしとり」を始める。干した皮を水に浸けて戻し、そこそこ切れない包丁で、黒皮などをそぎ落とす。残った白皮を再び干し上げて保管し、作業終了だ。
◇
作業初体験の前シーズンは、肘等に痛みが続いた。不必要に力んでいた。下手なのだ。次期シーズンこそ上達したいものだ。
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紙すき体験 10月1日
予測通りの結果となった自民党総裁選が、政治報道を一色に染める日々が続いた。今の国会の勢力図を見れば、新総裁が新首相に直結する。1政党の私事とはいえ注目もされるのだろう。
新総裁のもと、政治がどう変るのか、変らないのか。その行く末を注目したい。
◇
総裁選の最終局面の時期、遠野和紙ボランティアの連絡が来た。こちらは、この間の作業と替わらない。10月も畑の草刈り等をする。11月からは、コウゾの収穫と白皮をはぎ出すしょしとりの作業に変ると思う。
これで、ボランティアの年間サイクルを体験することになる。
年間サイクルには紙すきのメニューはないが、前年度の作業終了時に体験できた。初体験は、広げた新聞より一回り大きいサイズだった。
始め、手前の縁に繊維が偏る失敗が続いた。地域おこし協力隊員のアドバイスをいただきながら10回程試すと、何とか形になった。「できそうじゃん」。気をよくしたものだ。
◇
すき作業は、多くの工程の最後の一コマにすぎない。コウゾを白皮にした後も、多くの工程があるが、字数が尽きてしまった。以下、次回で。

魅力と困難 10月8日
衣替えの月である神無月の異称に初霜月がある。ならば、長袖を恋しく思うのも当然と思いながら、今月もコウゾ畑に赴いた。
畑には異変があった。葉巻型に丸まった葉をはじめ、しおれた葉っぱが多い。ガの幼虫が、わずかの間にもたらした害らしい。
「油断した」と地域おこし協力隊員は悔やむ。虫害恐るべしだ。和紙作りの困難をまた一つ知った。
◇
さて、和紙作りは、コウゾの白皮を取り出す「しょしとり」後も工程を重ねる。
乾燥したコウゾの白皮を水にさらし、ゴミをとり、木槌で叩いた後に機械で繊維化する。
トロロアオイの根から抽出したのり状の「ネリ」と繊維を、水を張った漉(す)き舟でかき混ぜ、その溶液を簀桁(すけた)ですくい、水を捨てる。数回繰り返し、簀桁に残った繊維が和紙となる。水分をしぼり、乾かして、完成だ。
◇
和紙は製造に手がかかる。比較的高価となるのも合点がいった。体験ですいた和紙がある。下手ながら、柔らかい手触り、温もりを感じる風合いには、洋紙で味わえない魅力がある。
多くの人に遠野和紙を使ってほしいが、課題も多い。
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継承の課題 10月15日
いわきでは何と呼ぶのだろう。通称、ひっつき虫。衣服などにつくやじり形の黒く細い種。センダングサ類の種だ。
花には迷惑な視線しか向けてこなかった。最近、白い花びらの花に気づき、にわかに関心を覚え、調べてみた。何種類も仲間があると知り、散歩中に3種ほど見分けた。関心のたまものだ。
◇
遠野和紙についても、ボランティアに参加し、関心をもったことで、伝統継承の難しさと課題の一部を知った。
例えば、卒業証書用紙の制作。いまは、遠野地区などの小中学校、遠野高校で使われている。利用拡大には、すき手の確保だけでなく、何より、材料の遠野産コウゾが足りないようだ。
コウゾ畑は住民の無償貸与にたよる。コウゾの育成には地域おこし協力隊と遠野和紙ボランティアが関わるが、ボランティアの人数も層も薄い。また、作業時の移動も含め自前だ。
コウゾの確保、すき手の確保、できれば、収益を確保し、協力する住民に一定報いる仕組みなど、伝統継承の課題は多い。
◇
ある日、ボランティア仲間から言われた。
「和紙すきの練習をしな」
「えっ・・」
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