オスプレイの生産終了はアメリカのメディアが8日までに報じたものらしい。オスプレイの予定調達数を満たしたことにより、国防総省は調達を終了する計画を進めているとされ、生産ラインは2026年に閉鎖されるという。機体の運用自体は50年代まで継続する方針で、今回の事故によるものではないとされちるようだが、報道はその原因に事故が相次いでおり、国内外で調達数が増えなかったことが影響した可能性もあると論評している。
たしかに今回の報道にあったオスプレイの調達終了と生産ラインの閉鎖は、屋久島沖墜落事故が直接影響したものではないかもしれないが、論評のようにオスプレイの墜落事故が相次いできたことに原因があったとみるのが当然だろうと思う。
そもそもオスプレイは、開発時期に死亡事故が相次ぎ「未亡人製造機」と揶揄されてきた経緯がある。調達が始まり、米空軍用にはCV-22、米海兵隊にはMV-22が配備された。他にMHV-22という機体があるようだが、航空母艦への補給物資の輸送用として航続距離を伸ばして艦載機としたもののようで、たぶん日本では運用されていない。
CV-22とMV-22は運用の方法に違いがあるようだ。
MV-22は、前線に人員や武器・車両などの輸送の任務を担う。一方、CV-22は特殊任務を担い
「密かに敵地へ侵入して小部隊を降ろし、任務終了後に回収する特殊作戦での活用が見込まれる」(時事、2023/12/13)などと報道されている。
この特殊任務では、超低空飛行なども想定されるだろう。冒頭の写真は、我が家近くの上空を飛行したオスプレイだが、この時はいわき湯本高校遠野校舎の上空を飛び去ったようで、強烈な爆音を振りまきながら南から北に消えていった。かなりの低空飛行だった。あの飛行を線状で、しかもたぶん夜間作戦も多いだろうから、かなり厳しい条件で運用されることが予想されれる。
この特殊な任務がCV-22の事故率を高めているのだろう。東京新聞は次のように報道している。
オスプレイの重大事故の発生率について、高橋氏は米軍の事故統計データを挙げる。「今回墜落したCV22の10万飛行時間当たりの事故件数は21年12月末時点で6.00に上る。この事故率は、今年9月時点の米空軍全体の有人機の1.35や無人機の2.58と比べ極めて高く、上昇傾向が続いている」。これに対し、基本構造が同じ米海兵隊のMV22は、カリフォルニアでの事故報告書では10年間で10万飛行時間当たり3.16で、海兵隊機の平均と同レベルだという。「特殊作戦用という使途からCV22の事故率が高くなっていると推察されるが、それでも高い」(2023/12/06)
高橋氏とは米外交・安全保障専門誌の東京特派員で国際ジャーナリストだが、このコメントによるとCV-22はMV-22の約2倍の事故発生率となっており、米空軍全体の有人機に約5倍の事故発生率となる。やはり事故を起こしやすい航空機ということが言えそうだ。
屋久島沖に墜落したCV-22は米空軍横田基地所属で、岩国基地を3機の僚機で飛び立ち、沖縄に向かう途中で墜落したと見られる。何らかの訓練をしていたとの報もある。
目撃者は「機体が突然、ひっくり返り、真っ逆さまになった。火が出て爆発しそのまま海に垂直に落ちていった」(NHK、2023/11/30 )、
「珍しいな、着陸するのかなと思って、ずっと眺めていた。すると急に180度ひっくり返って背面飛行になった。すぐ左側のプロペラが出火して爆発するとプロペラが200〜300メートル先に吹っ飛んだ。そのまま垂直で海に落ちた。自分に突っ込んでくるように見えて恐ろしかった」(東京新聞、2023/12/01)とする目撃談も報道されている。
墜落事故当初、米軍はCV-22は飛行停止にしながらMV-22は引き続き飛行させ、犠牲者の捜索活動などにあてていた。しかし、米政府は12月6日にオスプレイ全機の飛行の一時停止を公表した。CV-22を運用する空軍特殊作戦司令部は事故について、「予備調査の情報では、機材の不具合が事故原因となった可能性があるが、根本的な原因は現時点では不明だ」(BBC_2023/12/07)としていた。
遠野校舎上空を飛んだオスプレイだが、どこの所属かは分からない。東京・横田基地に配備されていることを考えると、たぶん空軍所属のCV-22だったのではないだろうか。低空を飛ぶ姿を見つけた時には「傍若無人」の言葉が頭に浮かんだ。
現状で米軍は、今回の事故原因が明らかにならないうちは飛行再開をするようなことはないだろうから、とりあえずは安心していていいだろう。しかし、原因が分かり改善されたとしても、飛行をさせるのはどうなのだろう。
調べてみると、機体そのものの構造に難があるように感じる記事が多い。今回の不具合の原因が解消したとしても、新たに次の不具合が生じて不幸な事故につながる。そんな妄想が浮かんできてしょうがない。
航続距離が長く、スピードも速いなど、ヘリに比べて利点があるというのは分かるのだが、安全のためにオスプレイの運用は終了したほうが良いのではないか。そんな気がしてしょうがない。
たしかに今回の報道にあったオスプレイの調達終了と生産ラインの閉鎖は、屋久島沖墜落事故が直接影響したものではないかもしれないが、論評のようにオスプレイの墜落事故が相次いできたことに原因があったとみるのが当然だろうと思う。
そもそもオスプレイは、開発時期に死亡事故が相次ぎ「未亡人製造機」と揶揄されてきた経緯がある。調達が始まり、米空軍用にはCV-22、米海兵隊にはMV-22が配備された。他にMHV-22という機体があるようだが、航空母艦への補給物資の輸送用として航続距離を伸ばして艦載機としたもののようで、たぶん日本では運用されていない。
CV-22とMV-22は運用の方法に違いがあるようだ。
MV-22は、前線に人員や武器・車両などの輸送の任務を担う。一方、CV-22は特殊任務を担い
「密かに敵地へ侵入して小部隊を降ろし、任務終了後に回収する特殊作戦での活用が見込まれる」(時事、2023/12/13)などと報道されている。
この特殊任務では、超低空飛行なども想定されるだろう。冒頭の写真は、我が家近くの上空を飛行したオスプレイだが、この時はいわき湯本高校遠野校舎の上空を飛び去ったようで、強烈な爆音を振りまきながら南から北に消えていった。かなりの低空飛行だった。あの飛行を線状で、しかもたぶん夜間作戦も多いだろうから、かなり厳しい条件で運用されることが予想されれる。
この特殊な任務がCV-22の事故率を高めているのだろう。東京新聞は次のように報道している。
オスプレイの重大事故の発生率について、高橋氏は米軍の事故統計データを挙げる。「今回墜落したCV22の10万飛行時間当たりの事故件数は21年12月末時点で6.00に上る。この事故率は、今年9月時点の米空軍全体の有人機の1.35や無人機の2.58と比べ極めて高く、上昇傾向が続いている」。これに対し、基本構造が同じ米海兵隊のMV22は、カリフォルニアでの事故報告書では10年間で10万飛行時間当たり3.16で、海兵隊機の平均と同レベルだという。「特殊作戦用という使途からCV22の事故率が高くなっていると推察されるが、それでも高い」(2023/12/06)
高橋氏とは米外交・安全保障専門誌の東京特派員で国際ジャーナリストだが、このコメントによるとCV-22はMV-22の約2倍の事故発生率となっており、米空軍全体の有人機に約5倍の事故発生率となる。やはり事故を起こしやすい航空機ということが言えそうだ。
屋久島沖に墜落したCV-22は米空軍横田基地所属で、岩国基地を3機の僚機で飛び立ち、沖縄に向かう途中で墜落したと見られる。何らかの訓練をしていたとの報もある。
目撃者は「機体が突然、ひっくり返り、真っ逆さまになった。火が出て爆発しそのまま海に垂直に落ちていった」(NHK、2023/11/30 )、
「珍しいな、着陸するのかなと思って、ずっと眺めていた。すると急に180度ひっくり返って背面飛行になった。すぐ左側のプロペラが出火して爆発するとプロペラが200〜300メートル先に吹っ飛んだ。そのまま垂直で海に落ちた。自分に突っ込んでくるように見えて恐ろしかった」(東京新聞、2023/12/01)とする目撃談も報道されている。
墜落事故当初、米軍はCV-22は飛行停止にしながらMV-22は引き続き飛行させ、犠牲者の捜索活動などにあてていた。しかし、米政府は12月6日にオスプレイ全機の飛行の一時停止を公表した。CV-22を運用する空軍特殊作戦司令部は事故について、「予備調査の情報では、機材の不具合が事故原因となった可能性があるが、根本的な原因は現時点では不明だ」(BBC_2023/12/07)としていた。
遠野校舎上空を飛んだオスプレイだが、どこの所属かは分からない。東京・横田基地に配備されていることを考えると、たぶん空軍所属のCV-22だったのではないだろうか。低空を飛ぶ姿を見つけた時には「傍若無人」の言葉が頭に浮かんだ。
現状で米軍は、今回の事故原因が明らかにならないうちは飛行再開をするようなことはないだろうから、とりあえずは安心していていいだろう。しかし、原因が分かり改善されたとしても、飛行をさせるのはどうなのだろう。
調べてみると、機体そのものの構造に難があるように感じる記事が多い。今回の不具合の原因が解消したとしても、新たに次の不具合が生じて不幸な事故につながる。そんな妄想が浮かんできてしょうがない。
航続距離が長く、スピードも速いなど、ヘリに比べて利点があるというのは分かるのだが、安全のためにオスプレイの運用は終了したほうが良いのではないか。そんな気がしてしょうがない。
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