伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む市議会議員。市政や市議会、日常の活動などを紹介していきます。

市長に来年度の予算要望

2017年11月30日 | 市政
 毎年、この時期、市長に対する予算要望という形で短時間の懇談の時間をとってもらっていますが、本日、全ての会派で一番遅い要望提出となったようですが、懇談の機会が持たれました。



 日本共産党市議団が提出したのは、「2018年度の予算編成及び施策に関する要望書」。市長選挙で情報を正しく発信せずに誤解をさせながら投票動向に影響を与えたことが確実な状況がありましたが、これからの市政に信頼を回復するためにも情報を正しく発信して、幅広い意見に耳を傾けながら市政運営をすすめることが必要だという立場から、重点的に以下のことの実現を求める内容です。



1 非核平和都市宣言をいかし平和への願いを国内外に発信する被災地・いわき市
 いわき市非核平和都市宣言は、日本国憲法の理念である恒久平和の実現へのねがいを込めて制定されています。
国では、歴代政府も憲法の専門家の多くも違憲としてきた集団的自衛権を行使できるようにした安全保障関連法制の採択を強行しました。そして今度は憲法9条を変えて、海外での武力行使の制限を取り払おうとしています。
また、北朝鮮に対してはアメリカトランプ大統領の先制攻撃も支持し、話し合いも否定し軍事的緊張をさらに高める結果になっています。
 さらに、日本政府はアメリカ政府とともに核兵器禁止条約に反対をしました。核兵器廃絶を願う非核平和都市宣言の願いに反する事態だと言わねばなりません。
これらの状況を踏まえて、あらためて憲法の原則及び核兵器廃絶の国民・市民の願いに沿って政府が行動するよう強く求めていくことが必要です。

2 未来を担う子ども達が生きる力をしっかり身に着け、生き生きのびのび成長するいわき市
 子どもたちがすくすくと成長していくことは、全ての市民の願いですが、子どもを育てる環境は逆に厳しくなっています。本市においても保育所の待機児童数は増加し、また、保護者の経済的負担も重くなっています。
そうした中、保育所施設の充実、学校教育施設の整備費の増額などで教育環境を充実させることが求められます。さらに、保育・幼児教育の無償化や学校給食費の無償化、副教材費などの費用負担を無くし、義務教育にふさわしく保護者負担を軽減していくことも求められます。
さらに教員の多忙化の問題を解消するために教員の定数を維持・増員しながら少人数学級をいっそうすすめていくことが必要です。



3 市民・被災者の声をいかした復興・原発事故への対応をすすめるいわき市
 震災から7年目を迎えていこうとしている中で、震災・原発事故の被災者は、心に癒えがたい傷を抱えながら、市民・被災者の問題・要求も多様化しています。復興公営住宅の家賃の減免の継続、被災者の生活再建、被災地の復興に取り組むと同時に、県内原発の全基廃炉はもとより、全国の原発再稼働に反対し、原子力に依存しないエネルギー政策に切り替えるよう強く求めていくことが求めれています。

4 暮らしを痛めつける安倍政権のすすめる政治に住民の立場から意見を届けるいわき市
 社会保障の切り捨てなどで市民生活が脅かされている中、国の問題ある政治の防波堤としての役割を地方自治体が果たしていくことが強く求められています。
 国への納税義務のない利用料・手数料に上乗せされた消費税の廃止など、市民の負担を軽減し、また、介護難民の拡大、後期高齢者医療制度の本人負担の拡大など問題ある施策には、その是正を求めて強く意見をしていくことが求められます。

5 住民の暮らしを支え、暮らしがいがあるいわき市
 市民の暮らしを支える上から、国民健康保険税などを引き下げ、国民健康保険被保険者資格証の発行をやめ、誰でも、いつでも医療を自由に利用できるようにすること、税金の徴収では滞納者にも配慮することなどが大切です。
 また、子宮頸がんワクチンの重度な副反応に対する支援を手厚くしたり、公共交通の確保を図るための取り組みを強化していくことが求められています。
 さらに、維持補修費をさらに増額し、小規模事業者登録制度による発注額をさらに拡大し、小規模事業者の仕事づくりをすすめ市民の住環境整備等の要望に応えることが必要です。また、公契約にかかる業務に従事する労働者の適正な労働条件を確保するために「(仮称)いわき市公契約条例」を制定するなど、市民の暮らしを支え、市民の仕事づくりをすすめることが求められます。
 また、環境破壊が懸念されている風力発電所の建設などに対して住民の立場で改善を求めていくことが求められます。
 


 この重点項目も含み、国への意見提出も含めて詳細な要望98項目を内容に盛り込みました。

 懇談では、東海第二発電所(原発)が再稼働申請をする伝えられる中、本市として再稼働しないよう求めましたが、従来の議会答弁通り「権限を持っていない」と、意見表明はしない考えを繰り返しました。

 私が「この公約も含め、こうした問題を引き続き議論していきましょう」などと言って、その後、2、3のやり取りがあったかもしれませんが、突然市長が「私は公約っていうけれども、分からない」などということを言い出したのです。

 これには前段があります。11月定例会で、私が公約問題を取り上げて市長と論戦をしていたのです。要望書の冒頭にもこれにかかわることを記載していたので、このことが後を引いていたのかもしれません。

 市長がこういう趣旨のことを言っていました。選挙公報やビラに活字で書いたのは公約で、口で話したのは自分の夢で公約ではないというようなことだったのですね。平のまちづくり懇談会で「オリンピックが近づくと外国人観光客が増える。いわき市にくる客もいるだろうから、いわき駅で降りた客にホームで『オーワンダフル』と言わせたい」と、オリンピックまでに磐城平城の櫓を作ることを表明したのは「例示」であって、公約ではないんだ。そんなことを変わらずに主張していたのです。

 そんなことでひとしきりその場で論争になったのですが、当初30分の予定だった懇談の時間も、おおよそ20分強で幕切れとなりました。

 夢、夢、と言いますが、例えば「みんなが幸せに、楽しく暮らせるいわき市が夢なんです」という大きな枠組みを語るならともかく、「オリンピックで増える観光客に『オーワンダフル』と言わせたい」という個別具体論を唱えておいて、これは「夢」だと言われたら、市長が口で語る何物であっても市長の「夢」であって約束ではないということになるので、市長の口にする言葉は一切信用できなくなってしまうことになるでしょう。

 極論かもしれませんが、それならば政治家の発言というものにどれだけの価値があると言えるのでしょうか。

 もっとも安倍首相が森友・加計学園問題で丁寧な説明といいながら、一切語ろうとしないことで、政治家の言葉というものの価値は地に落ちているのかもしれません。だからこそ、選挙に行く人が減少する傾向になっているのでしょう。

 考えてみれば、懇談前に市長が「写真を撮りましょうか。必要ならばですが」と声をかけてきました。「必要ならば」という言葉に、実は11月定例会と今回の要望書の冒頭部分への遺恨が隠されていたようです。後で気が付きました。

 市長のこの対応は何なのだろう。少し考えてもらった方が良いように思います。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿