議員だよりの記事を書きました。
テーマは風力発電。事業者が地元と共生のためにどう取り組むかが課題という視点から論じました。
以下、全文。
市内に大規模な風力発電所の建設計画が相次いでいます(別表)。このうち遠野町には、環境影響評価を終え、住民との対話を重ねながら計画を変更してき三大明神風力発電所と、新たに環境影響評価の手続きが進められる遠野風力発電事業の2つが計画されており、住民の関心が高まりつつあります。
重なる取材拒否
7月3日、入遠野公民館で、遠野風力発電事業を計画するアカシア・リニューアブルズ㈱が、環境影響評価の準備段階となる、環境影響評価方法書の説明会を開きました。
午後7時、集まった参加者は目を疑いました。入口に、マスコミ取材と来場者による撮影、録音、録画を禁止する張り紙があったからです。
これには前段があります。
入遠野地区での説明会は、この日が最初ではありませんでした。6月13日夜にも予定されていたのです。
ところが、この説明会で、アカシアはマスコミの取材を拒否しました。これに、参加者が激しく抗議する中で、説明することもなく終了してしまったのです。
翌日の日中は、上遠野公民館で計画されていました。前日夜の入遠野公民館で、「明日もできないでしょう」とアカシアから発言があったため、上遠野の説明会は延期ととらえる住民もいました。
ところが、会社側は、15名程集まった会場で説明会を進めてしまったといいます。遠野地区での説明会を実施したと説明できるよう、アリバイ作りをしたと言われても仕方がない状況です。
しかし、入遠野地区の説明会はあらためて開催されることになりました。新聞公告にはこう記載がありました。
「取材を希望される報道関係各位におかれましては、事前承認の取得をお願いしております」。
事前に連絡すれば、取材ができると誰もが考えました。
ところが、取材拒否の上、住民の撮影も録音も禁止していた。このアカシアの姿勢に、住民が憤るのは、当然の流れでした。
説明会の中で、参加した住民から、「メディアを入れて公平にやるべき」などの意見が出されたのも当然です。住民の録音を禁止したのも、アカシアが説明に責任を持つ姿勢がないから、と受け止められています。
住民と対話を重ねながら、住民とともに歩んでいこうとする姿勢が全く見えないアカシアが、住民のためになる事業を展開できるのか。説明会に参加した住民は、その疑念を強めたようです。
植民地型開発であっても地域とともに
近年、「エネルギー自治」という言葉を見かけます。再生可能エネルギー事業に地域で取り組むことをいいます。
地域で取り組めば、稼いだお金が地元に丸ごと還流し、地域経済を潤すことができます。
しかし、現状では、その多くが地域外の資本による開発です。これを「植民地型開発」と呼ぶようです。
この植民地型開発の問題点の一端は、本紙№2192(7/15)で、内郷高野町に設置が進む太陽光発電設備(東京都本社)の事例で紹介しました。
事前に説明がなく、地域住民は、削られたままの土地やむき出しの配線を見て、これからどうなるのか、不安を広げているのです。
こうしてみた時に、再生可能エネルギーの開発を進める場合、何よりも優先すべきは、地元との関係をしっかり築き、理解と協力関係の中で事業を進める環境を作ることと言わざるをえません。
アカシアリニューアブルズの進め方は、地元との対話をできるだけ避けようとしているようにしか見えません。こうした姿勢の会社に、風力発電の開発を任せられるのかが問われています。
遠野風力発電事業の環境影響評価書の縦覧は7月23日まで。いわき市役所、遠野支所、三和支所等で実施されます。意見書の提出は8月6日までで、様式は縦覧場所に準備されています。
(表)
事業名
事業者/事業地区/事業概要/発電規模/運転開始時期
■三大明神風力発電事業
㈱ユーラスエナジーホールディングス/遠野町/毎時出力4,200kw級の風力発電機9基/毎時最大3万5,700kw/運転開始時期・平成32年12月予定
■遠野風力発電事業
アカシア・リニューアブルズ㈱/遠野町・三和町/毎時出力2,000から3,200kw級の風力発電機を最大27基/毎時最大8万6,400kw
■(仮称)田人風力発電事業
㈱ユーラスエナジーホールディングス/田人町/毎時出力3,000kw級の風力発電機6基/毎時最大2万1,600kw/運転開始時期・平成32年12月予定。
■(仮称)たびと中央ウィンドファーム
㈱ガイアパワー/田人町/毎時3,400kw 級の風力発電機最大20基/毎時最大6万8,000kw
■(仮称)神楽山風力発電事業
JR東日本エネルギー開発㈱/川前町・小川町/毎時出力3,400kw級の風力発電機23基/毎時最大7万8,200kw
■(仮称)阿武隈南部風力発電事業
エコ・パワー㈱/小川町・四倉町/毎時出力2,000kw級の風力発電機45基/毎時最大9万キロワット/運転開始時期は平成35年3月以降の予定。
■(仮称)馬揚山風力発電事業
JR東日本エネルギー開発㈱/三和町/毎時出力2,000~3,600kw級の風力発電機10~18基/毎時最大3万6,000kw
テーマは風力発電。事業者が地元と共生のためにどう取り組むかが課題という視点から論じました。
以下、全文。
地元への説明避ける会社に風力事業を任せられるのか
遠野風力発電事業に考える
遠野風力発電事業に考える
市内に大規模な風力発電所の建設計画が相次いでいます(別表)。このうち遠野町には、環境影響評価を終え、住民との対話を重ねながら計画を変更してき三大明神風力発電所と、新たに環境影響評価の手続きが進められる遠野風力発電事業の2つが計画されており、住民の関心が高まりつつあります。
重なる取材拒否
7月3日、入遠野公民館で、遠野風力発電事業を計画するアカシア・リニューアブルズ㈱が、環境影響評価の準備段階となる、環境影響評価方法書の説明会を開きました。
午後7時、集まった参加者は目を疑いました。入口に、マスコミ取材と来場者による撮影、録音、録画を禁止する張り紙があったからです。
これには前段があります。
入遠野地区での説明会は、この日が最初ではありませんでした。6月13日夜にも予定されていたのです。
ところが、この説明会で、アカシアはマスコミの取材を拒否しました。これに、参加者が激しく抗議する中で、説明することもなく終了してしまったのです。
翌日の日中は、上遠野公民館で計画されていました。前日夜の入遠野公民館で、「明日もできないでしょう」とアカシアから発言があったため、上遠野の説明会は延期ととらえる住民もいました。
ところが、会社側は、15名程集まった会場で説明会を進めてしまったといいます。遠野地区での説明会を実施したと説明できるよう、アリバイ作りをしたと言われても仕方がない状況です。
しかし、入遠野地区の説明会はあらためて開催されることになりました。新聞公告にはこう記載がありました。
「取材を希望される報道関係各位におかれましては、事前承認の取得をお願いしております」。
事前に連絡すれば、取材ができると誰もが考えました。
ところが、取材拒否の上、住民の撮影も録音も禁止していた。このアカシアの姿勢に、住民が憤るのは、当然の流れでした。
説明会の中で、参加した住民から、「メディアを入れて公平にやるべき」などの意見が出されたのも当然です。住民の録音を禁止したのも、アカシアが説明に責任を持つ姿勢がないから、と受け止められています。
住民と対話を重ねながら、住民とともに歩んでいこうとする姿勢が全く見えないアカシアが、住民のためになる事業を展開できるのか。説明会に参加した住民は、その疑念を強めたようです。
植民地型開発であっても地域とともに
近年、「エネルギー自治」という言葉を見かけます。再生可能エネルギー事業に地域で取り組むことをいいます。
地域で取り組めば、稼いだお金が地元に丸ごと還流し、地域経済を潤すことができます。
しかし、現状では、その多くが地域外の資本による開発です。これを「植民地型開発」と呼ぶようです。
この植民地型開発の問題点の一端は、本紙№2192(7/15)で、内郷高野町に設置が進む太陽光発電設備(東京都本社)の事例で紹介しました。
事前に説明がなく、地域住民は、削られたままの土地やむき出しの配線を見て、これからどうなるのか、不安を広げているのです。
こうしてみた時に、再生可能エネルギーの開発を進める場合、何よりも優先すべきは、地元との関係をしっかり築き、理解と協力関係の中で事業を進める環境を作ることと言わざるをえません。
アカシアリニューアブルズの進め方は、地元との対話をできるだけ避けようとしているようにしか見えません。こうした姿勢の会社に、風力発電の開発を任せられるのかが問われています。
遠野風力発電事業の環境影響評価書の縦覧は7月23日まで。いわき市役所、遠野支所、三和支所等で実施されます。意見書の提出は8月6日までで、様式は縦覧場所に準備されています。
(表)
事業名
事業者/事業地区/事業概要/発電規模/運転開始時期
■三大明神風力発電事業
㈱ユーラスエナジーホールディングス/遠野町/毎時出力4,200kw級の風力発電機9基/毎時最大3万5,700kw/運転開始時期・平成32年12月予定
■遠野風力発電事業
アカシア・リニューアブルズ㈱/遠野町・三和町/毎時出力2,000から3,200kw級の風力発電機を最大27基/毎時最大8万6,400kw
■(仮称)田人風力発電事業
㈱ユーラスエナジーホールディングス/田人町/毎時出力3,000kw級の風力発電機6基/毎時最大2万1,600kw/運転開始時期・平成32年12月予定。
■(仮称)たびと中央ウィンドファーム
㈱ガイアパワー/田人町/毎時3,400kw 級の風力発電機最大20基/毎時最大6万8,000kw
■(仮称)神楽山風力発電事業
JR東日本エネルギー開発㈱/川前町・小川町/毎時出力3,400kw級の風力発電機23基/毎時最大7万8,200kw
■(仮称)阿武隈南部風力発電事業
エコ・パワー㈱/小川町・四倉町/毎時出力2,000kw級の風力発電機45基/毎時最大9万キロワット/運転開始時期は平成35年3月以降の予定。
■(仮称)馬揚山風力発電事業
JR東日本エネルギー開発㈱/三和町/毎時出力2,000~3,600kw級の風力発電機10~18基/毎時最大3万6,000kw
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