伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む元市議会議員。1960年生まれ。最近は遠野和紙に関わる話題が多し。気ままに更新中。

とりあえず卒業証書の和紙漉きを今日終えたのだが・・

2024年01月21日 | 遠野町・地域
 以前も本ブログに書いたのだが、今年の保存会に関わる作業は、4日から始まっていた。
 4日には、炭酸ナトリウムを加えたお湯で白皮を煮た(煮熟=しゃじゅく)ものを釜からとりだして水流に晒し、5日から皮の汚れやごみを取り去る塵取りして、9日からはほぼ連日、紙を漉いて乾燥させる作業を進めてきた。



 しかし、保存会による紙漉きは今シーズンが初。一定の厚みを持って好き上げる技能には難もあると思っていた。

 溜め漉きは、簀桁に漉き舟から紙料(水に楮の繊維とネリを混ぜたもの。ネリはトロロアオイの根から抽出する粘りのある成分)を汲み上げ、多少揺すって水を滴り落とすことを数回繰り返して、厚みを着くって紙とする漉き方。流し漉きが、揺すりの後に簀桁上の水や余分な繊維を流し落とすことを数回繰り返して厚みを作るのとは異なった漉き方だ。

 そのため漉きで実際に漉いてみると、既定の範囲の厚み(実際には重量で判断する)に紙を整えることには苦労することが良く分かる。時によっては薄すぎたり、時によっては厚すぎたりする。自分の体験から考えると、その日の一番最初に漉いた紙の厚みが、その後に漉く紙の基準になるようで、日によってばらつきがまだまだ大きい。

 実際、昨日漉いた紙を今日乾燥させてきたが、37枚の紙を作った中で規定値は11枚に過ぎなかった。一昨日は役半分など、出来高にばらつきがあるのだ。



 とにかく、昨日までの紙漉きで10kg作った繊維全てを紙にした。しかし、必要数には全く届かない。地域おこし協力隊員が不足する数量は漉いてくれたものと思うので、何とかなるのか。

 しかし、この間でせっかくため漉きの漉き方が身につきつつあるような感覚があるので、来年度に向けた備蓄もかねて紙づくりを続けたいと思う。

 さて、先週の16日、17日は、保存会のボランティア活動の定例日でもあった。楮の皮から表層の黒皮とその下部の甘皮を剥ぎ取る作業・しょしとりを続けた。最近の私はその作業の際は、しょしとりした白皮の傷やごみを取り去る作業をしている。少人数で作業をするので、白皮がたまり続け、作業に追いまくられる感じになる。



 こうしてきれいにした皮はハンガーにかけて、日光と外気にさらして乾燥させる。



 16日の作業の際には、周辺の見通しが悪くなるほど雪が降った。短時間だったし、積もることはなかったがなかなかの光景だった。

 さて、保存会の活動を遡ると12日と14日にかまどの修繕をした。
 かまどは会員達が作ったものだが、かまどの上部に隙間が出来て火が漏れ出すようになり、釜の上に被せる桶や蒸気の漏れ出しを防止する目的で桶にかける布を焦がしてしまうため、修繕が必要になった。



 半日ずつの修繕作業で上部にコンクリートを盛り付け、釜をきれいに据え付けることができるようになった。



 次の作業からはかまどを安心して使えるようになったと思う。


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