伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む市議会議員。市政や市議会、日常の活動などを紹介していきます。

議員だよりに動物愛護センターの市民検討委員会報告について書きました

2020年01月28日 | いわき市
仮称・動物愛護センター
総合保健福祉センター周辺整備
保護管理・愛護啓発部門のあり方今後検討



 一昨年11月定例会の「『(仮称)いわき市動物愛護センター』の早期建設を求める請願書」の全会一致採択を受け、昨年7月に関連地区や動物愛護団体、獣医師代表等の構成で設置された「動物愛護センター整備検討市民委員会」が4回にわたる審議を重ね、このほどいわき市に報告書を提出しました。内容等についてお知らせします。


 報告書は、新たに整備される施設を「人と動物とが共生する社会の実現を目指す、動物の愛護と管理の拠点施設」と位置づけ、①施設の機能と構成、②規模、③設置場所の3項目を盛り込みました。

 施設の機能には、犬や猫について、①適正な飼い方の啓発、②殺処分を極力減らす、③犬や猫のふれあいの場の提供、④放浪犬等の保護収容・管理――などを盛り込みました。

 この機能を達成するため施設には、保護した犬や猫をトリアージする受入室や健康管理室、感染症等に罹患している犬・ネコを隔離する隔離室、飼育室やグルーミング室、譲渡室、犬運動場などを備え整備することを求めています。

 また、施設の規模は、収容する動物の頭数を、犬を26頭、猫を30匹程度(成犬や成猫換算)とし、延べ床面積は440平方m程度を目安とするとしています。


■啓発に有利

 施設を設置する場所は、内郷地区の総合保健福祉センター敷地といわき市ポリテクセンター跡地の2つの候補地で意見が分かれ、「意見が出尽くしても両者の意見に歩み寄りは見られ」なかったといいます。最終的には、「苦渋の選択」により「委員合意のもと多数決により、意見を集約」し、総合保健福祉センター周辺に整備する結論を出したといいます。

多くの市民が来場する公共施設と隣接するため啓発に優位であること、保健福祉センターに既に整備されているエックス線検査機器が備わる処置室など関連設備が有効に活用できることが、評価されてのことです。

 整備形態は、「すべての機能を一体的に整備するのか、既存の犬管理所の活用を念頭に分離整備するのか、今後、市が事業を進めていく中で慎重に検討し、柔軟に対応する必要がある」として、判断は見送りました。


■管理保護・愛護啓発一体整備の請願

 市は、報告書を受け整備方針を決定し、新年度に予算化した上で、2021(令和3)年度以降に、新設工事等に着手し、最短で22(令和5)年度に稼働する考えを説明しています。

 動物愛護センターの構想は紆余曲折をたどりました。
 2011年に設置された「いわき市動物愛護行政のあり方検討懇談会」が、9回にわたる検討を経て、13年1月に「動物愛護行政施設(仮称・市動物愛護センター)」の整備などを盛り込んだ「いわき市動物行政のあり方に関する提言書」を提出。14年には2度に渡り「動物愛護センター整備検討委員会」で検討を進めました。

 市内部では、施設の新設ではなく遊休施設の利活用などでの検討がすすめられ、保護管理部門を赤井地区にある犬管理所の敷地内、愛護啓発部門を既存の市有財産の活用も含め2つに分けて整備する案が浮上しました。

 この動きを受け、獣医師会などセンター整備の検討に関わってきた市民団体等が、市議会に提出したのが「早期建設を求める請願書」でした。13年1月の提言書を基本としながら、保護管理部門と愛護啓発部門を一体化した施設整備を求める内容でした。


■整備あり方市民にしっかり説明を

 今回、市民委員会の報告書は、両部門のあり方は市の検討にゆだねました。市の説明によると、総合保健福祉センター周辺の予定地は、両部門を合わせた整備が可能と言います。

 市議会が採択した市民提出の請願は、両部門の一体的整備でした。これを踏まえて、今後、市としてどのような整備方針をまとめるのか、注目されます。

 大切なことは、まとまった整備案をについて、市民・関係者と幅広く合意を図るためことです。市は説明をしっかりしたいとしています。今後、会派としても、市の対応を注目していきたいと思います。
文=伊藤浩之


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