伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む元市議会議員。1960年生まれ。最近は遠野和紙に関わる話題が多し。気ままに更新中。

水害被災で親戚宅で泥上げを手伝った

2023年09月11日 | いわき市
 親戚の自宅は、50cm程盛り土した敷地に建てられている。2019年の水害では、盛り土の半分程水が上がったものの、建物の被害は免れたという。今回は、盛土外に建てられた物置は1mを超えて浸水、盛土の上の敷地まで水が上がり床下浸水してしまった。自宅は約50cm水に浸かってしまっていた。

 2日間で5時間程敷地に堆積した泥の掻き出し作業をしたが、昨日は乾き始めた泥が軽く異臭を発し始めていた。床下は専門の業者にお願いするという話しだったので、戸外の作業だけだったが、こうした災害が発生した際にどんなに大きな苦労を強いられるかの一端に触れたような気がする。

 現地に行く途中、白水入山を通りかかった際には驚いた。橋の欄干には無数の木の枝等が絡みつき、川に沿った道路の欄干に反ってプレハブの建物や自動車が折り重なっていた。越水した水に押し流されてこの場に引っかかってしまったのだろう。

 白水阿弥陀堂付近の新川は、堤防の崩落などが見られた。




 さて親戚宅当たりは2019年の台風19号の際にも水害が発生している。そして今回の災害。たて続く被災に、河川改修の望みが強まっているようだ。
 一昨年も水害が発生しているので何らかの改修計画があるのではないかと思い、調べてみた。

 すると福島県が「夏井川水系河川整備計画」を策定していることが分かった。ただこれは2002(平成14)年度のものだった。計画では、親戚宅が接する新川の改修範囲は、今回、大きな被害を出している宮川との合流点から1.5kmの間となっている。

 一昨日にいわきに来た際の県知事に関する報道で、宮川の改修に入ろうとしているところに今回の災害が発生した旨の発言を知事がしていたと、親戚はニュースで聞いたという。ここから考えれば、宮川と新川の合流点から下流の新川の改修がほぼ終わり、上流部に改修の焦点が移ろうとしていたのだろう。

 問題は、この計画のこの間の水害に対する妥当性だ。計画は、2002年のもの。それ以降、温暖化の進行にともなうと思われる天候の変化が著しく、かつて経験がないような大雨がひんぱんに降るようになっている。計画が推定最大降水量を、どのように設定しているかは分からない。改修が不十分で、3年、4年で水害が再発する現状が続くならば、住民も安心して暮らすことはできない。もし、2019年の台風19号による水害や今回の水害なども十分対応できるものになっていないのなら、見直すことも必要なののではないか。

 また、河川改修計画がどのようになっているのか、住民に説明することも必要だろう。計画策定の時点で説明がされているかもしれないが、同計画の実施期間は30年となっていたようだ。仮に説明されたとしても忘れてしまうかもしれないし、その時に見聞きしていなかった人はそもそも計画の認識はない。その問題を解消するために、住民に対する計画の説明と住民の声を直接あるいは間接に聞く機会を設け居ることも必要なのだろうと思う。

 ここ10年、河川沿い等に居住する住民の不安は高まっていると思う。こうした住民が安心して暮らすことができるよう、行政の取り組みが求められていると思う。


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