伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む元市議会議員。1960年生まれ。最近は遠野和紙に関わる話題が多し。気ままに更新中。

コロナ対策でコンパニオン・・下手な言い訳せずに謝罪すべきでは

2020年12月23日 | 政治
 第1に、政府や行政が人数制限(4人以下)を呼びかけながら、コンパニオンを交えることで、より大人数としてしまった。そんなコロナ対策があるはずがない。

 菅首相が自らの呼びかけに反して8人が参加する会食の席に同席するなどで批判をされたのが15日頃のこと。両者とも報道を知らないはずがない。この報道を知ってなお、コンパニオンまで同席させて大人数の宴会を仕立て上げるとは何事なのだろうか。

 迷惑なことにはなるが、これらの議員の方々が、新型コロナ対策に人数制限は必要ないと主張しているのなら、この宴席を設けた理由もまだ理解できる。自らの主張を行動で示していることになるからだ。トランプ大統領はマスクを否定し着用していなかった。そして自らが感染した。もし、人数制限を否定しているならば非常に迷惑な話ではあるが、おそらく否定するようなことはしていないだろう。



 第2に、議員同士がお酒をつぐため席を立つような状況は心配がある(感染の心配だと思う)のでコンパニオンに酒をついでもらったなどという主旨の言い訳もしていたようだが、これほど支離滅裂な言い訳はない。

 一つは、議員が感染している可能性を認識するなら、その場にコンパニオンを同席させるなど言語道断だろう。コンパニオンには感染させてもいいと考えていたのだろうか。ましてや、その認識に立つならば、酒席を設けること自体に大いに問題がある。

 二つに、コンパニオンが感染している可能性は考慮しなかったのだろうか。議員として住民の安全を守るための活動が求められている時に、感染のリスクを自ら高める行動をとることは妥当だったのだろうか。

 かように、この議員達がコンパニオンの同席を新型コロナ対策と考えていたとするなら、あまりにも世間の常識とかけ離れている。こんな説明をしていると、議員や政治は、一般的な常識が通用しないものとして、今以上に住民の信頼を失っていくことになりかねない。

 地方議員とコンパニオンをめぐっては、過去にハレンチな振る舞いが大問題になったことがある。一般的に考えれば、酒席であっても、節度をもった場であれば問題になることはないだろう。しかし、今の状況は「一般的」を語ることができる状況ではない。新型コロナの感染が拡大している「非常事態」であり、この自体に対応した行動が求められているだろう。

 この議員達が、コンパニオンを「コロナ対策」として呼んだと考えているのならば、いますぐ議員を辞めていただいた方が良い。住民の視点から行政をチェックし、住民視点の行政を作り出していくことはできないと思う。

 私が思うに、本音は別のところにあるだろう。コンパニオンがいることで酒席が華やぐことを期待していたのだろう。その本音が言えないから、「コロナ対策」などというわけのわからない言い繕いをしている。そうとしか考えられない。

 地方議員に限らず、議員に何らかの問題が発生した時に、その問題の本質をそらすために言い訳を必死になって繰り出していく。しかし、無理筋の言い訳は無理筋の言い訳にすぎない。妥当な説明となっていない。選挙で住民のみなさんの付託を受けた議員として、それで何も感じないのだろか。

 また、地方議員は首長の指揮の下に動く行政と一線を画す。首長の政策・行動をチェックし、是正していく役割が求められる。その議会が自らの行動をまともに正すことができなくて、議会としての役割を果たすことができるのだろうか。

 このような問題が発生すると、地方議員は同じようなものと一把ひとからげにとらえられる。しかし、まじめに頑張っている地方議員の方がはるかに多いと思う。

 まじめな地方議員達の足を引っ張ることはやめていただきたい。今回、問題が指摘された議員達に求められるのは、言い訳をすることではなく、自分達の不適正な行動を率直に謝罪することだろう。任期がどれだけ残っているかは知らないが、それができなくて、議会として行政をチェックし正す役割を果たしていくことができるのだろうか。

 一人ひとりの地方議員は、それぞれが所属する自治体に責任を持つ。一方、地方議員というひとくくりのとらえ方がある中で、全国の自治体の地方議員を代表する存在ともなる。その自覚をもって行動することが必要だと思う。かつて政務調査費の不適正使用・・というよりもほぼ詐欺的な使用が明らかになった時、全国の地方議会に疑いの目がよせられたことを想起すべきだ。

 宴会にコンパニオンを招いたその背景・・本音は、宴会の席上に華を添えたかったということだったのではなかったろうか。ただ、本音をさらすと議員の立ち位置・・ジェンダーに対する姿勢など、より本質的な問題に関心が向き、批判にさらされると考えたのではないだろうか。単純に、お酌などにわずらわせらぐお酒を吞みたいと考えていたのならば、その旨釈明した方がまだすっきりする。

 以上、今回の報道された事例の背景に何があったかのかは憶測にすぎない。まぁしかし、今回の報道を見ていると、まず下手な隠蔽をせず率直に問題に対応すべきなのではないかと第1に思う。地方議会が住民の視点から行政を監視し、住民の願いを反映するという役割をしっかり担うためにも、それぞれの議会が今回報道された問題に学び、改善すべき点を洗い出し改善する必要があるのだろう。


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